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4.暴走 奏多side

last update 公開日: 2025-12-25 19:03:47

奏多side

――――午前零時、パーティーが終わってから麗華を家に送り届けて家に戻ると、俺の帰宅を待っている遥の姿がない。普段なら電気が点いているはずのリビングが真っ暗だった。

(まったく、あいつは何も言わずにパーティーを抜け出して帰ってしまうし何を考えているんだ)

そのまま寝室に行く気にならず、苛立ちながらウイスキーをグラスに入れてリビングで飲みながら、遥と出逢ったときの事を思い出していた。

遥と出会ったのは、三年前の財閥の代表が集まるパーティーだった。

その日、俺は途中からひどい眠気と酔いに襲われ意識を失い、目が覚めるとホテルの部屋のベッドに横になっていた。頭を押さえながら隣を見ると見知らぬ女が眠っている。それが遥だった。

「痛い、頭が重いな。ここはどこだ、それにこの女は誰だ。」

酒に酔うことなど滅多になく、酒もそんなに飲んでいない。誰かに薬を盛られたとしか思えなかった。見知らぬ女といるところを見られて誤解されるのは面倒だと思い、俺は静かに部屋を去った。

しかし、数日後―――――。

「住吉グループ期待の次期後継者・奏多、私生活は愛欲にまみれた自由奔放生活。深夜に一般人女性と密会」

俺と遥がホテルの部屋を出ていく瞬間を週刊誌に撮られてしまった。

ただのゴシップ記事で、数日もすれば世間は忘れるだろう――そう高を括って、俺は特に気にも留めていなかったが、連日に渡りマスコミが家や会社の前に待ち構えて追われる立場になってしまった。会社に問い合わせや批判の声も殺到し、ついにはこのスキャンダルが原因で住吉グループとの提携を予定していた成瀬グループが取引中止を検討すると発表した。

株価は大幅に下落し、父は成瀬グループとの取引中止の阻止とスキャンダルを抑えるため、俺に遥との結婚を命じた。そして、住吉グループはマスコミの取材に対し“写真の女性は住吉家の婚約者であり、近日中に結婚式を挙げる”と正式に発表したのだった――。

妻の座を勝ち取るために、俺に薬を飲ませ利用した遥がただただ憎かった。遥の顔を見ると、スキャンダルの記事と怒り狂った父の顔を思い出し、顔を合わせたくなくて、ほとんど家に帰らず、会話もしなかった。それでも、遥は文句一つ言わず黙って俺の帰りを待っている。周りに見せつけるようにいい妻を演じる遥の態度に嫌気がさしていた。

「……周りは欺けても俺だけは騙されないからな。どうせあいつは金目当てで俺に近づいたんだろ」

すると、突然、二階から大きな物音が聞こえてきた。

(遥のやつ、もしかして起きているのか?起きているのに、俺が帰ってきても出迎えなかったとでもいうのか?)

階段を上り寝室に入ると、遥は俺に気を止めることなく荷物をまとめている。

「おい、こんな時間に何をやっているんだ。それに俺に何も言わずに帰るなんて何を考えているんだ?」

俺の声を無視して、遥は何も言わずに服をバッグに詰めている。その態度に無性に腹が立って、俺は遥をベッドに押し倒した。

「なんだ無視か?それで、俺の気でも引こうって魂胆だな?でも、そんな反抗的な態度は逆効果だ。気を引かせたいなら俺を愉しませるんだな。」

服の紐に手を掛けておもいっきり前を開いてはだけさせる。白い肌が露わになり、下着に手を掛けようとした時だった。遥は胸の前で腕を組んで必死に抵抗をしてきた。

「やだ、やめて。触らないで」

「触らないで、だと?」

その言葉に、胸の前で組んている腕を強引に解いて、下着をずらして口を付けた。

「いやっ……」

「お前は俺の物だ。抵抗なんかしないでもっと喘げ」

遥の拒絶の声は弱まり、徐々に途切れ途切れの甘い吐息へと変わっていった。薄暗い部屋には、頬を赤らめる遥と指を動かすたびに聞こえる湿った音と乱れた息遣いだけが交錯している。

俺の腕の中で身体を微かに震えさせている遥に、俺は視線を落として遥の柔らかい唇を重ね合わせながら、下着をすべれすようにおろして床へ静かに落とした。

一糸まとわぬ姿で、遥は両手で俺の胸を押し返し抵抗を試みている。ここまでして、途中で止められるわけなんかない。口を塞ぐように深いキスをしながら、遥が俺だけに集中すればいい。そう思いながら夢中で抱いていた時だった。

ガンッ――――

頭に鈍い衝撃を感じて身体を起こすと、遥はサイドテーブルに置いてある目覚まし時計を手に持っている。

「何するんだ。調子に乗りやがって」

俺はますます遥を自分のものにしたい衝動に駆られた。遥が俺に向けた責めるような視線を遮って指を中にいれて温もりを感じた直後に、遥の弱弱しい声が聞こえてきた。

「い、痛い……。痛い、たすけて」

最初は演技かと思ったが、顔色はどんどん青白くなり、身体は小刻みに震えはじめた。苦しそうに歯を食いしばりお腹を両手で押さえながら嗚咽交じりに俺に助けを求めてきた。

「――――遥!?」

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