そう言われて哲也が忌々しげに下を向くと、そこには自分と理恵の生々しい情事の写真が散らばっていた。理恵がメイド服を着て自分のご機嫌を取っているような写真まである。哲也の瞳孔がカッと見開き、床の写真を拾い上げると粉々に引き裂いた。その怒声は屋根を吹き飛ばすほどの勢いだった。「どうして家にこんなものがある!君たちは、何のためにこの家にいるんだ!」哲也の頭は真っ白になった。凛はきっとこの写真を見てしまったから、家を出て行ったのだ。彼は慌ててスマホを取り出し、震える手でチャット画面を開いた。【凛、写真のことは説明できる……】打ち終わらないうちに、使用人の悲鳴が哲也を遮った。「旦那様、大変です!裏庭に灰が山のように積まれてます!そ、それに、旦那様と奥様のウェディングフォトまで……」哲也が裏庭に飛び出すと、一陣の風が吹き抜け、灰が空高く舞い上がった。燃え残った一枚の欠片が彼の手のひらに落ちた。そこには、ウェディングドレスを着て幸せそうに微笑む凛の顔が写っていた。哲也の目は瞬時に血走り、狂ったように灰の山をかき回した。一枚、また一枚と、見覚えのある思い出の欠片が目に飛び込んでくる。なくなった。全部なくなった。自分と凛が過ごした過去27年間の写真も、お揃いの品々も、すべてが灰と化していた。「嘘だ、そんなはずはない……」裏庭に、掠れたうわ言が虚しく響き渡る。凛がここまで残酷になれるとは、哲也には信じられなかった。出会ってから27年、愛し合って20年。その深い愛情が、一夜にして灰に変わるはずがない。たとえ凛がこの写真を見たとしても、一言の弁明も聞かずに黙って去るはずがない。なぜなら凛は自分を愛し、信じているからだ。凛なら必ず説明するチャンスをくれる。そして、自分の言葉を全て信じてくれるはずだ。凛が、20年もの絆と結婚生活をこんなにも簡単に投げ出すわけがない。そう思い至ると、哲也はガバッと地面から立ち上がり、スマホを手にした。すると、ちょうど真由美から着信が入る。「社長、奥様の足取りですが、テレビ局側で厳重に情報統制が敷かれており、こちらでは特定できません」テレビ局だと?哲也は車を猛スピードで飛ばしてテレビ局に乗り込むと、怒号を響かせた。それは、その場にいた全員が動きを止めるほどだった。「妻はど
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