陸は誰もいないデスクに座り、ネット上の辛辣なコメントに一つ一つ目を通していた。その言葉の一つ一つが、鋭い刃物となって胸に突き刺さる。デスクの上には、辞表が何枚も溜まっていた。陸は天井を見上げ、抗いようのない無力感に襲われる。その辞表は、これまで彼と一緒に会社を支えてきた役員たちからのものだった。この数日、業績は悪化し、評判は地に落ちた。陸はそれを放置し、蒼蘭県へ澪を探しに行ったまま、後の面倒を役員たちに押し付けていた。見限った彼らは、新しい道を歩むことを決めたのだ。陸は数通の辞表に目を通したが、残りを読む気力もなく、まとめてデスクの端に投げ出した。「行けよ、さっさと消えろ!」苛立ちを隠せず、怒鳴り声を上げた。その時、勲が入ってきた。手に持った書類を、一束ずつ丁寧に陸の目の前に並べていく。「社長……こちらは、お取引先からの支払請求です。振り込みはどうしますか?期限が、すでに1ヶ月も過ぎていまして……」陸は目を細め、投げやりに言った。「払え。全部やってくれ」そう言い放つと、書類に力任せにサインを走らせた。勲は、さらに別の書類を差し出す。「それから、こちらの方々は……出資金を引き揚げたいと。違約金の件も……」勲はそれ以上言わなかった。度重なる失態に加え、連絡さえ取れない陸の無責任な態度に、複数の投資会社が、申し合わせたように次々と引き揚げを要求してきたのだ。数十億円の違約金を支払えば、陸の資金繰りは完全に破綻する。彼はため息をつき、両手で顔を覆った。胸が張り裂けるように痛く、息も苦しい。この短期間に、最も愛した女性を失い、さらに2人で育て上げた会社まで失おうとしている。これはただの仕事ではない、2人の絆そのものだった。結局、何も守ることができなかった。これが、天からの罰だというのか。「それと、銀行のローンも延滞が続いています。財務部長も辞表を出しておりまして、皆が……社長の指示を待っています」陸は自嘲気味に鼻で笑うした。「僕が悪かった。会社を守れず、みんなに辛い思いをさせてしまった。すまない」数日後、司法の手続きが始まり、陸の抵当に入れていた不動産が次々と差し押さえられた。3軒の家と、工場が1軒。陸は最後まで黙り込んだままだった。抗う力も、気力も
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