All Chapters of 影の弾正台と秘密の姫: Chapter 11 - Chapter 20

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夏 五

「夕辺、随身として右大将の供で出掛けたんだ――」  そう言って説明してくれたところによると、隆亮は随身として右大将について出掛けたらしい。「そこを群盗に襲撃されたんだ」  隆亮が言った。 「右大将を狙ったのか?」 「いや、右大将が通ってる姫だ」 ちょうど群盗が邸に襲撃を掛けたところに右大将が到着したため戦闘になったらしい。「姫や右大将は無事だったのか?」  貴晴が訊ねると、 「随身が何人かケガ人したがな。それより、お前を呼んだのは逃げ遅れた群盗を捕まえたからなんだ」  隆亮が答えた。「ホントか!?」 「ああ。で、話によると内大臣の姫を狙ったのも、そいつららしいんだ」 「それで? 塒は聞き出せたのか?」  貴晴が訊ねた。 聞き出したのならとっくに検非違使が乗り込んで捕まえているかもしれない。  そうなると貴晴のする事はなくなる。  群盗は〝鬼〟の他にもいることはいるが――掃いて捨てるほど。「連中が言うには誰かに雇われたんじゃないらしい」 「嘘じゃないのか?」  邸に押し入るような連中が素直に話すとは思えない。「検非違使がそう言ってたんだ」  隆亮はそう言ってから貴晴が疑わしそうな表情をしているのを見て、 「検非違使っていうのは取り調べで拷問もするんだ」  と付け加えた。 「検非違使の拷問って相当だぞ。検非違使にならなくて良かったって思うくらいには……」 「そうなのか」  貴晴はようやく納得して頷いた。 貴族というと大人しくて気が弱いと思われがちだが実際はそうでもない。  内裏で掴み合いの乱闘をすることもあるくらいである。  当然、内裏の外では武器を振り回すこともある。  穢れを受けるとしばらく参内出来なくなるので殺しは郎党にやらせることが多いが。 貴晴も襲撃されたら普通に斬り殺すし、それは隆亮も同じである。 都というのは各地から食い詰め者が流れ込んで
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夏 六

 左右から男達が同時に斬り掛かってくる。 貴晴は左の男に向けて扇を投げ付けた。  顔面にもろに扇を受けた左の男が一瞬怯んで足が止まる。 その隙に右の男の方に踏み込むと片手だけで太刀を突き出す。  片手の分だけ伸びた切っ先が男の喉を斬った。  男が血を吹き出しながら倒れる。 貴晴は反転すると斬り掛かってきた左の男の振り下ろした刀を際どいところで避けて太刀を横に払う。  太刀の切っ先が男の腹を割く。「ーーーーー!」  男が叫びながら地面に転がる。 周囲で貴晴の郎党と男達の乱闘が始まっていた。  由太が郎党達を連れて駆け付けてきてくれたのだ。 そのとき、目の隅に由太に斬り掛かっていく男が見えた。  由太は目の前の敵を相手にするので手一杯だ。 貴晴は袖の飾りを引きちぎると敵に投げ付けた。  顔に飾りが当たった男が一瞬、怯む。 由太は目の前の男を斬り捨てると貴晴が飾りを投げ付けた敵の懐に飛び込み腹に太刀を突き立てた。 貴晴は背後に目をやって女性が無事なのを確かめた。 女性達と男達の様子を見る限り彼女達はどこからか連れてこられたようだ。 だとすると近くに群盗の塒があるのか……!? この連中が〝鬼〟にしろ別の群盗にしろ、塒を見付けられれば官位を上げてもらう理由になるはずだ。 官位が上がれば管大納言の大姫からの返事も……。 貴晴は、出来れば一人くらいは生け捕りにしたいと思いながらも機会が掴めないまま次々と賊を斬り捨てていった。 織子は下を向いて目を瞑りながら周りから聞こえてくる男の叫び声に手で耳を塞いでいた。 貴晴は際どいところで敵の刀を避ける。  切っ先が肩を掠めた。  袖が切れて手首の辺りまで落ちてくる。 狩衣の袖は肩の部分しか縫い付けられていないので、そこの糸が切れると落
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秋 一

〝躑躅花 匂へる君を 我想ひ 襲を涙で くれなゐに染む〟「今は秋だぞ」  隆亮が貴晴の机の上に置いてあった紙を見て言った。 「だから出してないだろ」 「そうか、じゃあ来年……」 「誰だか分からないんだ」 「え、管大納言の大姫じゃないのか?」  隆亮の問いに貴晴は以前会ったつつじの君の話をした。「他の姫に詠んだ歌を送るわけにはいかないだろ」  貴晴の言葉に、 「気付かれなきゃ大丈夫だろ」  隆亮が言った。「お前っ!? 他の姫に詠んだ歌を別の姫に贈ったことがあるのか!?」 「お前と一緒にするな」 「私は贈ってないぞ……まだ」 実は少し手直しして贈ろうか迷ったのは黙っていた。「私は必要もないのに歌を詠んだりしないんだよ」 「お前、ホントに出世する気ないんだな」  貴晴は呆れた。 以前も一緒に出家しようなどと言っていたが本気だったのか……? 歌が必要なのは恋愛だけではない。  明けましておめでとうも、誕生日おめでとうも、出産のお祝いも長寿のお祝いも旅立ちの見送りもお悔やみも、なんなら宴でも歌を詠むものなのだ。  嫌がらせをされて歌でやり込めたという話にも事欠かない。  それくらい歌はよく詠む。「しっかし、お前、全然女嫌いじゃないだろ。女嫌いなんてどっから出てきた」  隆亮が言った。 「女は信用ならない」 「男はなるとでも? 乳母子が忠実だなんてのは御伽話だぞ」  隆亮はそう言ってからいつも一緒にいる五郎を指した。「こいつは私の乳母子にしてはふけてると思ったことはないか?」 「おい、試されてるぞ」  貴晴が五郎に言った。 「私は乳母子ではありません」  五郎が否定する。 そうだったのか……。「二年前、お前と初めて会った時のことを覚えてるか?」  貴晴が隆亮に言った。
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秋 二

「そういうことなら……お前の邸に滞在させてくれないか?」 隆亮が言った。「石見とどう繋がるんだ」 貴晴が突っ込む。「明日から検非違使庁の方角が天一神で方塞りになるんだ。それと内裏の方角には金神が」「天一神はともかく、金神て……一年もうちにいる気か!」 方塞り、または方忌みというのは神が滞在している方角を避けることである。 都には様々な神がいて、それぞれが動き回っているために方塞りの方角は日によって変わるのだ。 これは具注暦と言われる暦に書かれていた。 吉凶や運勢なども書かれているので貴族達は皆これを見てその日の行動を判断していたのだ。ついでに日記もこれに書き込んでいた。 天一神は五日から六日毎に移動するが金神は一年間おなじ方角に留まる。「明後日には妻の家に行くよ。妻の家も右大臣家からだと王神がいて方塞りだから」「まぁそういうことなら」 方塞りの方角へ行く場合には別の方角の邸に泊まる必要がある。 方違えというものだ。 互いに泊まり合うものだから方違えで泊まりに来た客をもてなす必要はないのだが、やはり何もしないというわけにはいかない。 隆亮は右大臣の息子だし……。 何より随筆に『あそこのうちは方違えで泊まった時にご馳走を出してくれなくてがっかりした』などと書かれて回し読みされても困る。 それはともかく、隆亮が検非違使庁の知り合いに石見と会う段取りを付けてくれることになった。「多田? ああ、卿が仰っていた……」 石見が言った。『卿』というのは(今の場合は)貴晴の祖父のことである。 貴晴の父は木っ端役人だが祖父は正三位だから公卿なのだ。 隆亮のお陰でようやく検非違使の府生の石見に会えた。「それで聞き
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秋 三

「あっ……!」  男性の顔を見た織子は声を上げた。「え?」  貴晴は女性の驚いたような声に思わず後ろを振り返った。  また誰かが襲い掛かってきたのかと思ったのだ。  だが辺りに視線を走らせても不審な者は誰もいない。「あの、この前の検非違使の……」  女性の言葉に貴晴は首を傾げる。 「いえ、私は検非違使ではありませんが……」 「では狩衣のお袖……」 「つつじの君!?」  貴晴が驚いて声を上げる。 「え……? つつじ……?」  織子が戸惑う。 お互いの話が噛み合ってない……。  人違い……? 貴晴と織子は黙り込んだ。「ええと、なぜ検非違使だと思われたのか分かりませんが……」 「義母が検非違使の方は裏地が黄色だと……」 「ああ、なるほど」 そういえば検非違使も五位の弾正台も裏地が黄色だ。  そのためか祖父が送ってきた狩衣の裏地が黄色だった。 だが弾正台なのは秘密だし、かといって検非違使だと偽るわけにも……。「ええと……あの時、つつじの襲を着ていらした姫君ですか?」  貴晴は女性の言葉には答えずに訊ねた。 「つつじの襲? そういえば五月頃でしたね」  織子が曖昧に答える。  あのとき何を着ていたか覚えていないが、あの頃ならつつじの襲を着ていたかもしれない。 この答えではこの姫がつつじの君なのか分からない。  貴晴はどう考えればいいか分からず答えに詰まった。 狩衣の袖の裏地の色を知っているならつつじの君だと思うが……。 貴晴が答えあぐねていると、 「若様……」  由太の呼ぶ声が聞こえた。「姫様、寺に向かいます」  牛飼童も車の中に声を掛けた。牛が歩き始める。 「あ……」  貴晴が見ている間に牛車が離れていく。 御簾の隙間から見える男性が遠ざかる。 またお名前も聞けないまま……。
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秋 四

「今上帝は前の帝の内親王に斎宮を押し付けた上に送り出す儀式も帝は欠席された」 「欠席?」 「物忌みだと言って旅立ちの儀式に出席されなかったのだ」 それはむしろ何も起きない方が不思議じゃないのか……? ただでさえ女性は成仏するのが難しいと言われているのだ。  まして仏教を遠ざけなければいけない斎宮は更に難しくなる。  それだけの犠牲を払ってくれる女性を粗末に扱ったら神罰が下って当然だ。 逆によく十年間、何も起きなかったな……。 貴晴は呆れた。「だが前の斎宮の時は十年間、平穏だったのが交替された途端、帝は病で伏せってしまわれたのだ」 偶然だろ……。 貴晴は心の中で突っ込んだ。  二年前、流行り病で庶民だけではなく貴族達もばたばたと倒れた。「帝の病状が皇后様や春宮様と似ておられたことからお二人は呪詛か毒を盛られて暗殺されたのではないかという噂が立ったのだ。それで除病延年を願って大赦をしたのだ」 退下した斎宮が襲われたことはどうでもいいのか! 貴晴は祖父を怒鳴り付けそうになるのを必死で堪えた。  そのうえ帝の除病のために凶悪犯を大量に放って民の安寧が乱されるとは――。 迷惑な……。 だから皇族や貴族とは関わりたくないのだ。  自分の利益のことだけで下々のことは考えていない。 管大納言の大姫と上手くいかなかったら出家しよう……。  こんな連中と付き合ってられん……。 〝狩衣 袖はつつじの 枝にありや 菅原のまつ 虫や鳴くかは〟「由太、これを大姫に」  貴晴はそう言って文を結んだつつじの枝を渡した。  大姫がつつじの君ならこの歌の意味に気付いてくれるはずだ。  由太はそれを受け取ると出ていった。 外を見ると大分日が西に傾いていた。  そろそろ出掛ける時間だ。 貴晴は内大臣家に向かった。  祖
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秋 五

「ご無事ですか?」  浅緋の位襖を着ている武官が言った。 「ああ、助かった」  武官は貴晴の言葉を無視して、 「姫様?」  と声を掛けた。 この子の随身か……。 童女は御簾を取ると貴晴の腕の中でおそるおそる顔を上げた。  血塗れで顔立ちはよく分からないが童女は随身達を見て安心した様子だった。  ということは間違いなくこの子の随身だろう。「おケガはありませんか?」  浅緋が再度童女に声を掛ける。  童女が微かに頷いた。「ではこちらへ」  浅緋がそう言うと、下馬した深緑の一人が近付いてきて童女を馬に乗せた。「助かった」  貴晴が浅緋に礼を言うと、 「姫様を狙った連中の相手はしたが、貴殿を狙っている連中のことは知らぬぞ」  という言葉を残して行ってしまった。 どういう意味なのかは、すぐに分かった。  周りを男達に囲まれたからだ。「巻き込んですまない」  貴晴が青年に謝る。  といっても青年の方から飛び込んできたのだが。「気にすんな」  青年はそう言って太刀を構えようとした時、 「若様、ご無事ですか!?」  騎馬の一団が駆け付けてきた。 束帯ではない。  つまり私的に雇われている警護の者だ。  貴晴のうちは警護を雇えるような家ではない。 となるとこいつか……? 貴晴は青年に目を向けた。 男達は騎馬の一団を見ると逃げていった。「ご無事ですか?」  騎馬の男が貴晴に声を掛けた。 「私か?」  貴晴が訊ねると、 「はい。卿から知らせを受けて急ぎ駆け付けました」  男が答える。 ということは祖父上か……。「無事だ。助かった」  貴晴は男に声を掛けてから青年に向き直った。 「助かっ……助かりました」  貴晴は
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秋 六

〝白露に つつじをかさね まつ虫は 菅の野原で 片袖ぞ振る〟 「白露に……」 織子は詠じ掛けて躊躇った。 袖を持っている(自分がつつじの君だ)という返歌を読んだものの、義母の夫(管大納言・匡の父)は匡を春宮に入内させたいと願い出ると決めたらしい。 春宮が(おそらく一度だけ)匡の声を褒めたというのを聞いて大納言もその気になったのかもしれない。 貴晴は織子を匡だと思っているようだし、そうなると入内してしまうのに気を持たせるような返事をするのは良くないような気がするのだ。 織子が大納言の大姫ではないと分かっても貴晴は好きでいてくれるか分からない。 従五位下ということは貴晴は大納言の後ろ盾を期待しているのかもしれない。 だが大納言(養父)の方は散位らしい従五位下の貴族を婿にする気があるかどうか。 というか婿にしてくれたとして貴晴の後ろ盾をしてくれるかどうか分からない。 何しろ返事をしないどころか文を見もせずに捨てている状態では……。 織子は溜息を吐いた。 貴晴は管大納言の邸の前に来ていた。 歌を詠じる声はしない。 つつじの君じゃないのか……? 違うのだとしたら訳の分からない歌を贈ってよこす男だと思われただろう。 それで返歌を詠んでくれないのか? もしくは別の女性宛の歌を贈られたと思われて――大姫とつつじの君が別人ならその通りなのだが――嫌われたとか。 あるいは……。 春宮への入内を決めたから他の男への歌を詠むのはやめたとか……。 大姫とつつじの君が同じ女性で、しかも振られてしまったのだとしたら命懸けで内大臣の姫を守る意味がない。 大姫の入内が決定したら出家しよう……。 貴晴は溜息を吐いた。 貴晴と隆亮は内
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秋 七

〝君をまつ 虫の音さがし 菅の原 夜明けの露に 袖は濡れると〟 多田様からの文……。 返事をお待ちになっているんだ……。「あの……多、この方、何度も御文を下さっているようですがお返事を書かないのですか?」「その方は内大臣の姫の元へ通っているそうです」 義母が縫い物から目も上げずに言った。「え……!?」 織子は思わず声を上げた。「本当ですか!?」「ここのところ毎晩お邸の前に牛車が止まっていると噂になっていますから」「毎晩!? では……」「ええ、三日間通われたそうです」 三日間続けて通うと婚姻が成立して正式な夫婦として認められるのである(連続で三日来なければ男に結婚の意志がないということになる)。 では、多田様は内大臣家に婿入りされたの……?「だから殿が匡の入内を願い出ることに決めたんですよ。内大臣の姫は入内を取り止めるはずですから」「…………」 確かに夫がいたら入内は出来ない。 妻は何人でも持てるが夫は一人だけなのだ。 複数の妻が持てるので内大臣家の婿になった今でも匡に文を贈ってくるのはおかしくはないのだが――。 でも、従五位下なら網代車のはずだから他の殿方と間違えているのかも……。 そもそも身分が高くないと乗れない牛車はあるが、下の身分の者の車には身分が高くても乗れるのだ。 だからお忍びのときなどに高い身分の貴族が網代車を使うことは珍しくない。 そのため勘違いもよくある。 物語でも網代車で出掛けた高貴な女性が低い身分と見くびられて嫌がらせをされる話があるくらいだ。 そういえば、あの話もお姉様が好きな物語の中に出てくるんだった……。
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冬 一

「止まってください!」 女性の声がして牛車が止まった。 貴晴と由太は顔を見合わせてから前簾から外を覗いた。 辺りには誰の姿も見えない。 牛飼童も戸惑った様子で周囲を見回していたが誰もいないのでまた牛を歩かせようとした。「轢かないでください」 再び女性の声がした。 牛車がまた止まる。 だが前を見てもやはり誰もいない。 貴晴と牛飼童が戸惑っていると、「若様……」 由太が牛車の前方を指した。 そこには――。 蛇……? 小さい蛇が牛車の少し前でじっとしていた。「…………」 貴晴は思わず蛇を凝視した。 いやいやいや……。 貴晴が首を振る。 まさか蛇が言ったのではないだろう……。 そう思いながら牛車から降りると、「あ!」 また女性の声がした。 蛇が声を上げたのではなく、近くの邸の門の影に人がいるのだ。 門柱の後ろに女性が隠れているらしい。 見るとそこは管大納言の邸の前だった。 管大納言の大姫は今日は歌会に出ていると聞いていたから通り過ぎるつもりだったのだ。 毒蛇じゃないな……。 貴晴は蛇を持ち上げると門に近付いた。「あの、ありがとうございます」 女性が貴晴に礼を言う。 顔を見せないように隠れているが、つつじの君のように思える。「つつじの君の蛇ですか?」 貴晴の問いに、「い、いえ、蛇は神様の使いなので轢き殺すのは良くないと……」 と答える。
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