私(左大臣の元大君の方)が首を傾げていると――。「〝みや〟は私の父親違いの妹です」 頼浮が言った。「……つまり、私はお母様の不義の子で、あなたはお兄様ってこと?」 私が訊ねる。 お母様がお父様を婿にする前に他の殿方を夫にしていた時期があって、その時に頼浮を産んだのでないのならそういう事になる。 だとすると――。 せっかく入内しなくて良くなったのに……。 帰る家を失った上に頼浮と異父兄妹なんて……。 これでは結局結ばれることが出来ないのは同じだ。 なんてことですの……。 では、通ってきて婿になる気はなかったと言う事ですのね。 それとも左大臣の姫なら兄妹と言うことを隠して婿になってもいいと思っていたとか? そして今は左大臣の姫ではなくなってしまったから明かしたということ? 帰る家を失った上に散々ですわ……。 私は肩を落とした。 とはいえ妻というのは基本的に夫の出世の手伝い(と跡継ぎ)のためにいるのだから左大臣の娘ではないどころか貴族ですらなくなり財産もない今の私では相手にしてくれる殿方などいるはずないのだ。 夫に養ってもらう妻もいるが、それは男性が出世して財産も出来てからの話である。「北の方ではない妻が産んだ姫――中の君です。左大臣の中の君の名は美也というのです」 「私と同じ名前でしたの!? お父様ったら!」 いくらなんでもいい加減すぎますわ! 感傷に浸っていましたのに、ぶち壊しではありませんか!「母は私の父に捨てられて苦しい生活を送っていたのです。それで左大臣が一時期、母を援助して下さっていました。美也はその時に出来た娘です」 援助と言いつつすることはしてたって事なのね……。 とはいえ、そもそも面倒を見るというのは妻にするという事なのだが。 親が娘に大して財産を残さなかった場合、女性は夫に捨てられたらすぐに生活
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