金山の予告より早く、陽翔のデスクは納品された。「うわあ! 実物になると、なんか感慨深いです!」「ありゃ……、小泉くん、この天板……」「わざわざ頼んで、この木目が出るようにしてもらったんです! うわあ! 本当にデザイン画通りの木目だ! すごいや!」 手放しで喜び、デスクの周りをグルグルしながら、細部まで指定通りなことに感嘆する陽翔を余所に、草野は大和の顔を見る。「部長、わざとですか?」「なにが? だって、草野くんだって、デザイン一緒に検討したじゃない」「……まぁ、良いですけどね」 草野は肩をすくめ、自分の仕事に戻っていった。 陽翔はその会話に全く気付いていなかった。「さて、小泉くん。最初の大きな仕事をこなしたから、きみにも本当の仕事をそろそろ回そうか?」「はいっ!」「最初のうちは、僕のサポートをしてください」「どんなことをしますか?」「僕らの仕事は、お客様のぼんやりしたイメージから、具体的にどんなデザインの家具を欲しがっているかを一緒に考えたりするのがメインなんだ」「デザイナーが、家具をデザインして売り出すんじゃないんですか?」「材料の木材を見て、オリジナルの家具を作り上げる……みたいなの? それは金山さんたちの仕事だね。そっちが良いなら、金山さんに頼んであげるよ?」「えっ……?」「もっとも、工房に入る前に、筋トレしてこいって言われちゃうかもだけど……」 陽翔は自分の腕を見た。「金山さんの二の腕、小泉くんの太ももより太そうだったもんねぇ」「ですよね……」「まぁ、冗談はこれくらいにして。じゃあ、僕が今、担当している仕事を見せるね」 大和は自分のパソコンの画面を開き、仕事の詳細を語り始めた。
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