「はぁ?」 キランのその提案に、チャーリーが怒りと呆れが混じったような声を上げる。「なんでテルがそんなことしないといけないのよ、あたしと勝負しなさいよ、ぼこぼこにしてあげるわ」「俺はテルと戦いたいんだよ」「ふざけないで、なんでそんな分が悪い戦いをテルにさせなきゃならないのよ」 チャーリーの言うことはもっともだ。でも……。 僕は深く考えて、決意した。「わかった、キラン、サシで戦おう」「そうこなくちゃ」「はぁー?」 チャーリーが今度は僕に怒りを向ける。「何言ってんのよ、テル、正気?}「ああ、正気だ」「前からバカなんじゃないかと思ってたけど、まさかここまでバカだったとはね、一応聞くけど、理由は?」「……親友の頼みを聞いてやりたいんだ」 親友という言葉に、ぴくりとキランが眉を動かしたのが視界の端に映った。「……そんだけ?」「ああ、そんだけだ」「はぁーーーー」 と大げさに溜息をつくチャーリー。「……あんたじゃ、キランに勝てないわ」「そうだろうな」「死ぬわよ」「かもしれないな」「それでもやるの?」「ああ」「……はぁ、わかった、もう好きにしなさい」 と投げやりな感じで言うチャーリー。 クルシェはというと、先ほどからあわあわとしていて、僕とキランを交互に何度か見た後、両者の間に入ってきた。「ちょ、ちょっと、なんでそんな、一騎打ちなんて……、二人とも、あんなに仲良かったじゃないですか、どうして戦わないといけないんですか、やめましょうよ、こんなことに何の意味が……」 キランが鋭い目つきでクルシェの方を見る。「うるせぇ! 男の戦いに口出すんじゃねぇ、引っ込んでろ!」 彼にものすごい剣幕で怒鳴られたクルシェはびくびくっと震えて、よろよろとした動きで僕とキランの間から離れていった。 それから、僕とキランは見つめ合った。 お互い示し合わせたように、同じタイミングで、鞘から剣を抜いた。 チャーリーもクルシェも、もう何も言わなかった。、ただ固唾を飲んで、僕たちを見守っている。 僕とキランはお互いに距離を詰めていく。無言で、ゆっくりと、間合いを確かめながら。 キランの持つ剣の方が剣身が長いので、彼のほうが早く間合いに到達する。 だから、最初に仕掛けてきたのは、キランの側だった。 僕の頭に向かって、剣を振り下ろしてくる。
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