親戚の集まりで、僕・真壁智樹(まかべ ともき)の従兄である吉川浩介(よしかわ こうすけ)は、モバイルバンクに入金された1億円を見て満面の笑みを浮かべていた。浩介は携帯をその場にいた親戚に見せつけるようにして言う。「1億円だ!これはなかなかだろ!」浩介の顔には、隠しきれない興奮が浮かんでいた。彼が僕に近づいてきて、僕の肩を抱き寄せる。「さあ、智樹!お祝いに乾杯しよう!智樹のおかげで吉川畜産の家畜たちは、それはもう見違えるほど育ったんだから!」彼の満面の笑みを見て、僕も嬉しくなった。思えば、あの頃の浩介は壁にぶつかっていた。飼料代は高いのに、効果はいまひとつ。そんな彼を助けるため、僕は長い時間をかけて試行錯誤し、ようやく完成させた独自の配合飼料を彼に渡したのだ。その時、泣くほど感謝していた浩介は、僕の手を握りしめてこう誓った。「智樹、たとえ俺たちが親戚であっても、金のことはきっちりしよう。お前が飼料を生産して、俺が現場を回す。利益が出たら、二人で半分ずつだ。もし俺が約束を破ったら……俺のことを煮るなり焼くなり好きにしていいから!」その時、伯父・吉川宗介(よしかわ そうすけ)と伯母・吉川里香(よしかわ りか)も同席しており、彼らも繰り返し保証してくれたからこそ、僕は浩介を信じ、決断したのだった。僕はグラスを持ち上げ浩介と乾杯をし、いつ浩介が利益の分け前の話をしてくれるのかと待っていた。そして食事会も終わりに近づいた頃、皆の真ん中に立ち、咳払いをした浩介。その場の全員の視線が彼に集まった。浩介はまず、この1年の苦労について語り始める。従業員の管理がどれほど大変だったか、販売ルートを開拓するのにどれだけ苦労したか――まるで自分一人の努力でここまでやってきたかのように話し続けた。僕は何となく違和感を覚えたが、それでも黙って耳を傾けていた。やがて浩介は話題を変え、僕のほうを見ると、満面の笑みを浮かべて言った。「智樹、お前が開発してくれた飼料のおかげで、本当に助かったよ。俺は本当に感謝してるんだ!」そう言って浩介は携帯を取り出し、画面を操作する。すると僕の携帯が震え、銀行口座への振込通知が表示された。銀行のアプリを確認した僕は、そこにあった数字を見て言葉を失った――100万円。自分の
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