威風堂々という言葉を聞くと、まず音そのものが重みを持って立ち上がるように感じる。威風は威厳や風格、堂々は落ち着きと余裕を示していて、合わせると「威厳を保ちつつゆったりとした存在感」を意味することになる。私は若い頃に演奏会で'Pomp and Circumstance'の行進曲を聴いた経験があって、その荘厳さと端的な格式がこの言葉のイメージとぴったり重なった。
古い中国語の用法に起源があると考えられていて、漢文や詩文の中で類似した表現が見られる。そのまま日本語に取り入れられ、近代以降は式典や軍礼、卒業式などフォーマルな場面で使われることが多くなった。個人的には、エルガーの行進曲'Pomp and Circumstance'が『威風堂々』と邦題されて広く知られるようになった影響で、日本語話者にとって「荘厳で堂々とした音楽」や「威厳ある場面」を想起させる語になったと思う。