文学ならパトリック・モディアノの『Dans le café de la jeunesse perdue』。パリのカフェに集う若者たちを描いたこの小説では、ガラス越しの陽光が過去の記憶を呼び起こすトリガーとなり、フランス文学特有のノスタルジーを醸し出しています。モディアノらしい繊細な光の描写が、失われた時間への哀惜を一層際立たせます。
2026-02-15 15:57:26
14
Austin
愛読者
美容師
ジャン・コクトーの詩集『Le Cap de Bonne-Espérance』に収録された「La lumière」という詩篇は、戦時下のパリで書かれたものですが、爆撃で破壊された街に射す希望の光を、コクトー独特の幻想的なタッチで表現しています。
映画ではアニエス・ヴァルダの『Cléo de 5 à 7』が秀逸。癌の検査結果を待つ女性歌手の2時間をリアルタイムで追うこの作品で、パリの街を移動するたびに変化する自然光と人工光のコントrastが、主人公の心理描写と見事にシンクロしています。特にサクソフォン奏者との出会いのシーンで差し込む夕陽は、フランス・ヌーヴェルヴァーグならではの瞬間の輝きを捉えています。
フランス語で『光』を意味する『lumière』は、物理的な明かりだけでなく、比喩的な意味でもよく使われますね。
例えば、『La lumière de ma vie』(私の人生の光)という表現は、大切な人を指すときに使われます。この場合、物理的な光ではなく、その人が人生に希望や喜びをもたらす存在であることを表現しています。また、『voir la lumière』(光を見る)というイディオムは、真理や解決策に気づくことを意味します。
文学の世界では、ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンが主教の銀の燭台を受け取るシーンが印象的です。ここでの『lumière』は、単なる照明以上の、道德的な導きの象徴として描かれています。