マンガの英語翻訳で『He's always so gung-ho about training』なんてセリフを見かけたことがある。日本語の『威勢』に含まれる『多少無茶でも勢いで押し切る』ニュアンスが伝わってくる。音楽ゲームの『Beat Saber』で高難易度に挑戦するプレイヤーを『gung-ho players』って呼んだりもする。威勢の良さと熱意が混ざったような表現だ。
ゲーム『ドラゴンクエスト』の主人公たちもそうだ。戦闘中の掛け声や勝利ポーズから伝わってくるのは、純粋な威勢の良さ。英語圏のレビューでは『full of vigor』って表現よく見かける。このニュアンス、日本語の『威勢がいい』に近い気がする。威勢の良さを表現する時、英語圏の作品だと体の動きや声のトーンで強調する傾向があるみたい。
威風堂々という言葉を聞くと、まず音そのものが重みを持って立ち上がるように感じる。威風は威厳や風格、堂々は落ち着きと余裕を示していて、合わせると「威厳を保ちつつゆったりとした存在感」を意味することになる。私は若い頃に演奏会で'Pomp and Circumstance'の行進曲を聴いた経験があって、その荘厳さと端的な格式がこの言葉のイメージとぴったり重なった。
場面で言えば、威圧的なだけではなく、周囲に自然と敬意を抱かせるさまを指す。振る舞いの一つひとつに自信と節度があり、騒がずに中心にいる存在。言葉の使いどころは、人物描写や賞賛の表現で、ときに褒め言葉として、または人物の雰囲気を客観的に伝える語として便利だと思う。個人的には、格式と人間味が同居している表現として好ましく感じる。