運の尽きを英語で表現するなら 'out of luck' がピッタリですね。このフレーズには、もう助けようがない絶望感が滲み出ています。
たとえば『パルプ・フィクション』のあのシーンを思い出します。ブルース・ウィリス演じるブッチが、武器屋の地下室で仲間を置き去りにした後、偶然にも街中でヴィンセントと再会する場面。まさにヴィンセントにとっては 'out of luck' な瞬間でした。幸運が完全に尽きてしまったことを、銃声と共に鮮烈に描いています。
また『ブレイキング・バッド』のハンクも、鉱山でヘクトールと対峙した時が彼の運の尽きでした。あの緊張感溢れるシーンでは、'my luck has run out' という台詞こそなかったものの、視聴者にはその状況が痛いほど伝わってきます。
こういった名シーンを見ると、英語の 'out of luck' には単なる不運以上の、避けられない運命の終着点というニュアンスがあると感じます。日本語の「運が尽きた」よりも、より決定的で劇的な響きがありますね。
『進撃の巨人』の主人公エレンが絶望的な状況で呟くセリフは英語版で 'It's over... we're done for' と訳されていました。原作の緊迫感を損なわず、なおかつ英語圏の視聴者にも感情が伝わる絶妙なバランス。特に『Attack on Titan』の英語吹き替えは、キャラクターの心情を壊さない翻訳で定評があります。
翻訳って本当に奥が深いですよね。同じ絶望感を表現するにしても、『デスノート』のライトなら 'This is the end' とシンプルに、『鋼の錬金術師』のアルフォンスなら 'There's no way out...' とより内省的に訳される。キャラクターの年齢や立場によってもニュアンスが変わってくるのが興味深いです。