13年愛したクズ男の末路
私、秋元莉葉(あきもと りは)と長谷悠河(はせ ゆうが)は学生時代から付き合っている、お互いにとって初恋の相手だ。二人で必死に支え合い、苦楽を共にしながら、どん底の地下アパートからペントハウスへと這い上がってきた。
しかし会社が上場を果たしたその日、彼は自分の若いアシスタントを傍らに引き寄せてみせた。
「これまで数々の困難を共に乗り越えてきてくれたのは萌彩だ。だから今日、会社の株式の半分を彼女に譲渡しようと思う」
森下萌彩(もりした もあ)も一切躊躇うことなく振り返り、集まった大勢のメディアの目の前で悠河と熱いキスを交わした。
その場にいた誰もが、この若き「夫婦」の姿に感動し、涙を流していた。
私はヒステリックに問い詰めることもなく、首から下げていた社員番号「01」のIDカードを静かに外し、そのまま背を向けて立ち去った。
この十三年という歳月が、私に「諦める」ことを教えてくれたのだ。