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あなたと交わらない人生

あなたと交わらない人生

私・高瀬紗月(たかせ さつき)の婚約者・御堂圭介(みどう けいすけ)には、真っすぐで世話焼きな後輩・鷹宮真琴(たかみや まこと)がいる。 真琴は彼にマッサージをしてやり、耳かきまでしてやる。下着の買い替え時期やサイズまで把握しているほどだ。 私の誕生日に、圭介が私の好きな店を予約して祝ってくれる時でさえ、真琴は陰で念を押していた。 【言い方悪いけどさ、甘やかされて調子に乗る人、ほんとにいるから。大事にされるのが当たり前になると、気づいたら立場、完全に逆になってる。で、痛い目見るのは、だいたいそっちなんだよ】 私はトーク履歴を突きつけ、圭介を問い詰めた。 けれど、彼はたいして気にも留めなかった。 「真琴は率直なだけで、言い方がきついんだ。でも世話焼きで、根はいい子だよ。他の女みたいに、回りくどいことはしない」 彼の煮え切らない態度に腹が立って、胸の奥が痛み、別れを切り出した。 さすがに堪えたのか、圭介は顔色を変え、真琴をブロックし、もう二度と連絡を取らないと約束した。 ――ところが、挙式を目前に控えたある日。 ようやく予約の取れたドレスデザイナーに、私がブロックされていることに気づいた。 調べてみて、すぐに分かった。真琴が圭介のスマホを使い、デザイナーを罵倒した挙げ句、私の予約を勝手に取り消していたのだ。 「あのドレス、正直高すぎじゃない?先輩のお金だと思うと、もったいなくて。 まあ、あんたが恥かくのは勝手だけど。でも、ああいうの、あんたに似合わなくない?周りに笑われたら、先輩まで一緒に恥かくことになるじゃん。それ、見てられないんだけど」 真琴は、にやにやと笑いながら眉を上げてみせた。 そして――私の婚約者は、迷いなく彼女を庇うように前に出た。 「心配して言ってくれてるだけだろ。そんなことでいちいち腹を立てるほうが、面倒じゃない?」 ……ああ、そうか。 胸の奥に溜まっていたものが、すっと冷えていくのを感じた。もう、どうでもよくなった。 私は黙って指輪を外し、彼の頬に向かって投げた。 「もういい。結婚、やめる」
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彼の借りは数えきれない

彼の借りは数えきれない

私は桐生彰吾(きりゅう しょうご)の陰の立役者として、十年もの間、彼を支え続けてきた。倒産寸前だった会社を、上場するまでに引き上げたのは、私だ。 ナスダックでの上場の鐘を鳴らす前夜、私が彼にプロポーズしようと準備していた、まさにその時。彼は、幼馴染の女性を私の後任として突然連れてきた。 彼は言った。「十年間の働きには感謝している。しかし、会社は新たな旅路を始めるにあたり、もはや君は相応しくない」と。 目の前にいるのは、丸十年愛し、全てを捧げてきた男。その彼が、キャッシュカード一枚で私を追い払おうとしている。 私は、氷の洞窟に突き落とされたかのようだった。 「十年もの心血を注いできたけれど、結局、踏みにじられるだけだったのね」 しかし、彼は根本的に現実を理解していなかった。 私が辞任して去れば、彼の会社も、彼に対する私の愛のように、跡形もなく消え去るということを……
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渡り鳥に、遅すぎた愛は届かない

渡り鳥に、遅すぎた愛は届かない

「木崎秘書、退職届だけど、社長の決裁はもう下りたよ。 でもさっき、忙しかったみたいで、誰が出したのかよく見てなかったみたいなんだ。どうする?もう一回社長に言っておく?」 木崎愛莉(きざき あいり)は平然と坂井陽平(さかい ようへい)のコーヒーに角砂糖を一つ落とすと、必要ない、と首を横に振った。 昨夜、あの男の上着から女性もののレースショーツを見つけてしまった時から、彼女はもう、会社を辞めてここを去ると決めていたのだ。
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異世界半分自惚れしっかり

異世界半分自惚れしっかり

【この世界のことだって、本当は何ひとつ分かってない。】 ───────────── 初恋の教師にフラれ、ある日目覚めたら異世界で媚薬を作る役にさせられていた男子高生のお話。 溺愛ボディガード×こじらせ男子高校生(博士)
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凍える窓から陽だまりの島へ

凍える窓から陽だまりの島へ

港中市(みなとなか)の誰もが、時山家の御曹司は「狂った妻」を迎えたと噂している。 だが、橋本夢奈(はしもと ゆめな)だけは分かっていた。自分は決して狂ってなどいないことを。 彼女には、どうしても必要な儀式があった。この世の光をひと目も見ることなく逝ってしまった我が子を、弔うための儀式が。 自宅を葬儀場のように飾り立てたのは、これで三度目。夫の時山昇(ときやま のぼる)は、ついに堪忍袋の緒が切れた。 「夢奈!いい加減にしろ、いつまでこんな真似を続けるつもりだ!?」 昇は部屋に踏み込むなり、香炉を無造作に蹴り飛ばした。 夢奈はゆっくりと視線を上げ、彼を見つめた。 「今日は、あの子の初七日よ」 彼女は静かに、しかし冷ややかに告げた。 「父親なら、線香の一本でも上げるのが筋でしょう」 昇は絶句した。だがすぐに眉をひそめ、隠しきれない苛立ちをぶつけた。 「いつまでそのことに固執してる。佳澄とはもう縁を切ったと言っただろう」 彼は夢奈に歩み寄り、少しだけ声を和らげて諭した。 「男に多少の『過去』があるのは当然だ。夢奈、いい加減前を向いたらどうだ」 「過去……?」 夢奈は差し出された彼の手を激しく振り払うと、鋭い声を上げた。 「あなたの言う『過去』って、たった一週間前のことじゃない!」
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その結婚お断り~イケメンと三角関係になり結婚をお断りしたらやばいヤンデレ爆誕して死にかけた結果幸せになりました~

その結婚お断り~イケメンと三角関係になり結婚をお断りしたらやばいヤンデレ爆誕して死にかけた結果幸せになりました~

【完結】獣人王シドの娘ナディアは、魔法使いシリウスによって獣人の里から連れ出され、睡姦されかかるが貞操は無事だった。  ナディアはシリウスにプロポーズされるがお断りする。  故郷に帰れなくなったナディアは、「メリッサ」と偽名を使って人間に偽装し、仕方なくシリウスと半同棲を開始する。  シリウスが長期不在中にナディアは美形銃騎士ゼウスからデートに誘われる。獣人の天敵である銃騎士を恋人(番)にするわけにはいかないので、ナディアはゼウスとお友達になろうとするが、ゼウスに告白されたことが嬉しくて、つい恋人になることを了承してしまう。  二人のイケメンにプロポーズされた獣人の娘が、壁にぶち当たりながら番を得る話。
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嘘に塗りつぶされた真実・改

嘘に塗りつぶされた真実・改

結婚3年目にしてやっと妊娠した西条サラ。夫にどういう風に伝えようか、心はウキウキ。そんな中救急で搬送されてきたのは義妹(仮)。付き添っているのは夫(仮)。二人の関係はどうなっているのか心中穏やかにいられません。だというのに、義妹は夫との関係を匂わすような言動をしてきて、サラの心は限界に。 サラはついには親友の澄香を頼って家出をすることにしました。 その後もいろいろと義妹である澪が…。
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家族全員に心の声が筒抜けで、それで殺された私が、転生した

家族全員に心の声が筒抜けで、それで殺された私が、転生した

家族全員に心の声が筒抜けている。 誘拐されて二十年ぶりに家族と再会したんだ。 しかし、私の心の中の声が家族に聞こえちゃうみたいで。それで銀行カードのパスワードを聞かれて、貯金全部奪われちゃった。 それだけじゃなく、ある日、変態男に付きまとわれてて、それを知った家族が、結納金目当てで私をその人に嫁がせようとした。 結局、その変態男に閉じ込められて、酷い目に遭って......死んじゃった。 そしたら、パスワードを聞かれた日に戻ってた。 心の中で叫んだ。 「お母さん、私のお金、隣の佐藤さんにくれたでしょ?」 「弟よ、仕事って言ってるけど、ギャンブルばっかりだよね?お父さんとお母さんに言っちゃおうかな?」 「お父さん、弟の彼女のこと、好きみたいだけど......どうしよう?」 今度は、あの人たちに同じ目に遭わせてやる。
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春の約束は、まだ果たされず

春の約束は、まだ果たされず

婚約者の藤原蓮(ふじわら れん)には、18年間も大切にしている女の子・藤原光希(ふじわら みつき)がいた。 私たちの婚約を知った途端、光希は私にちょっかいを出すようになった。 彼女は庭のバラを引っこ抜いて菜の花に植え替えたり、新居のオートロックの暗証番号を勝手に自分の誕生日に変えたりした。 でも、私はいつも笑って許してあげていた。 だって、蓮がいつもこう言っていたから。 「光希はまだ若い。君に俺の愛情を全部取られちゃうんじゃないかって、不安なだけなんだよ」 そして、月日は流れて、光希は大人になった。 彼女のせいで、蓮は私たちの結婚式を100回もドタキャンした。しかも、その理由はいつも信じられないようなものばかりだった。 1回目は、光希とディズニーランドの花火を見に行かなくちゃいけないって。 33回目は、光希とS国へ海を見に行く約束をしたからって。 そして99回目。バージンロードを歩き始めたまさにその時、病院から電話がかかってきた。光希が急性盲腸炎で倒れた、と。 …… ついに、100回目。光希がポップアップストアに行きたいと言い出して結婚式をすっぽかしたせいで、蓮はまたしても式を延期した。 彼は去る際に、本当に申し訳なさそうな顔でこう言った。 「次は、次は絶対に光希に時間通りに来るように言い聞かせるから。だから、怒らないでくれ」 私は静かに微笑むだけで、何も答えなかった。 もう次はない。100回目の結婚式は、これでおしまい。 蓮との関係も、もうこれ以上続ける意味なんてない。
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愛は雪降る頃に終わりを告げる

愛は雪降る頃に終わりを告げる

初雪が降ったあの日、婚姻届を提出しようとしたが、私・村上佳穂(むらかみ かほ)は婚約指輪をなくした上、十年も付き合っていた彼氏にすっぽかされた。 区役所の入り口で一人ぼっちで立っていると、突然電話が鳴った。 電話してきた警察によると、私の彼氏・青木湊(あおぎ みなと)は後輩の福田リン(ふくだ りん)の子供を傷つけられないように守ろうとして、相手を重傷させたという。 私が駆けつけた時、彼はその母子二人を抱きしめ、見たこともないほどの焦りを浮かべていた。 「先輩、あの時は私が悪かったんです。あなたのもとを離れるべきじゃありませんでした。 怖くてたまらなかったんです。元夫が執拗に絡んできて、あなたが命がけで守ってくれなかったら、とっくに生きていられませんでした。 そうだ、今日は彼女さんと婚姻届を提出する予定でしたよね?彼女さんの方は大丈夫ですか?」 私は怒りで震え、湊に飛びかかって平手打ちを食らわせ、ヒステリックに言い争った。 湊は決して自分の過ちを認めず、私を「器の小さい女だ」「嫉妬するのが情けない」「離婚した女性への同情心がないのはひどい」と罵った。 最後、私は地面に崩れ落ち、涙ながらに「別れよう」と言った。 すると湊は折れて、リンをブロックし、二度と連絡しないと誓った。 だがその後、家の郵便受けにはいつも手紙が山積みになっていた。 二人はなんと、何でも話す文通相手となり、音楽や理想、生活の些細なことを語り合い、互いのことを「ソウルメイト」と呼んだ。 クリスマスの日、私は一通の手紙を見つけた。 【この前預かっていた婚約指輪を返しましょうか?彼女さんが気にしているようですし、私、悪者になりたくないんです】 【別にいいよ、婚約は彼女を喜ばせるための冗談だ。結婚するつもりはない】 私は笑ってしまった。 一度口にした言葉は、もう取り返しがつかない。 北は寒すぎる。家を離れて五年、そろそろ帰る時がやってきたのだ。
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