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第1046話

Author: 星柚子
病室の窓の外では、夕暮れの名残がついに地平線の彼方へと沈んでいった。

奈穂は視線を引き戻した。

金庫の取っ手を左手で強く握り締め続けていたせいで、指の関節は今にも透けてしまいそうなほど白くなっている。

彼女は固定具に載せられた右手に目を落とした。

幾重にも巻かれた包帯は重々しく、まるで命を失ったかのようだった。

その白い層の奥では、血が流れている感覚さえまったくない。

その虚無感は、胸を引き裂かれるような激痛よりも、彼女の意識をはるかに鮮明にしていた。

「奈穂、先に薬を飲もう」正修はぬるま湯の入ったコップを手に歩み寄った。

充血した目はまだ赤みを残したままで、その低い声には今にも噴き出しそうな凶暴な怒りを必死に押し殺している気配が滲んでいた。

奈穂は何も言わずに受け取った。

左手でコップを持つ動きはゆっくりとしていて、まるで機械のようだった。

やはり利き手ではないぶん思うように力が入らず、指先がコップの縁に触れた瞬間、小さく震える。

水滴がシーツに数滴落ち、たちまち濃い染みとなって広がった。

薬を飲み下すと、独特の苦味が舌の奥いっぱいに広がる。

それは神経修
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