LOGINメガネは一週間程時間がかかるそうなので、しばらくはコンタクトで過ごさなければなくなった璃亜。今現在もかなり時間をかけてつけたコンタクトで過ごしている。髪も切り、コンタクトにしている。どこからどう見ても璃亜は立派な"美男子"であった。と、言うわけでその美男子が二人で歩いていると注目を集めてしまう。「......なんだか視線が痛いよ」「慣れだよ、慣れ。オレはもうとっくに慣れたからなぁ。璃亜、明日から学校でも大変かもよ?」「......やめてぇ。考えないようにしてたのに......」そう話している間に電車が来た。退勤ラッシュの時間のため、電車の中はぎゅうぎゅう詰めであった。「璃亜大丈夫か?」「う、うん。楼君が壁になってくれてるから平気」二人はほぼ抱き合う形になっていた。互いの心臓の音が伝わるくらいの密着に璃亜は恥ずかしくなって楼の肩に頭を預ける。「り、璃亜?!ど、どうしたの?!」「......この距離感に恥ずかしくなって」しばらくすると、璃亜達の降りる駅へと辿り着いた。流されるように電車から出ると、改札口でお別れとなる。二人とも前世の記憶により、互いへの想いが高まっていた。また明日学校で会えるはあずなのに離れがたい...。そうしていると、向こう側から「楼?璃亜も君も」という友成の声が聞こえてきた。「どうしたんだい?駅の前で突っ立て。......あぁ、どうせ楼が璃亜君と離れがたいと思っているんだろう?」「父さん!......父さんこそどうしてここに?」「僕は瑠々花の所にお邪魔していたんだよ。そうだ。どうせなら瑠々花も呼んでファミレスでも行くかい?」友成はなんともまぁマイペースである。そしてそのまま瑠々花に電話をかけると秒で瑠々花が駅へとやって来た。「もう!皆してお母さんを仲間外しにして!て、あらあら!璃亜ちゃんメガネは?コンタクトにしたの?」「ちょっと学校で事故って壊れっちゃたんだよ。それで楼君に付き添ってもらって新しいメガネ作りに行ったんだ。メガネが出来るまで一週間、コンタクト生活です」「あらあら...。災難だったけれど、お母さん的には今の璃亜ちゃんが良いと思うわ」「オレ達の息子たちは美男子だな!」そうだ。"息子"と言う事は...。「無事に今日婚姻届け出してきたんだよな?」「あぁ。晴れてオレ達は家族だ!引っ越しは今週の土曜だから
気づけばもう放課後になっていた。今まで席を外していた保険医が様子見に璃亜のベッドへとやって来た。「どこか痛みはあるかい?」「いえ、大丈夫です。」「捻挫も...ないみたいだね。うん。この調子ならもう帰って大丈夫だよ。気を付けて帰ってね。」「ありがとうございました。」そう言うと、璃亜と楼は二人揃って学校を後にした。目指すはメガネ屋だ。駅前にはオシャレで人気の高いメガネ屋がある。そこに行く事にした。璃亜は視界がぼやけているため、楼の制服を摘まみながら歩いていた。そんな様子に、楼は「可愛すぎるだろー!!」と心の中で叫んでいた。「ごめんね、楼君手を煩わせっちゃって。」「いいんだよ。これも、兄で"恋人"の役目ですから。」「こ、恋人?!」「え、違うの...?」楼はショックを受けました、と言わんばかりにおいおいと泣き真似をしてきた。璃亜はハァとため息をつくと、楼の手を握って先を急ぐように歩き始めた。「り、璃亜?」「早くしないとお店しまっちゃうよ?急いで急いで!」そうせかす璃亜の顔は真っ赤になっていた。その顔を見ると楼まで顔が火照ってくるのであった。「ここ...かな?人気のメガネ屋は。」「それじゃあ、行こうか。」二人が店内に入るとたくさんの様々なメガネが二人を出迎えた。「いらっしゃいませ。本日はどのようなメガネを?」「オシャレなメガネが良いかな。あ、あとコンタクトも作りたいんですけど。」「かしこまりました。それではお先に視力検査をしましょう。こちらへどうぞ。」店員に促され璃亜は視力検査を行いに行った。その間に楼は璃亜に似合いそうなフレームをいくつかピックアップしていく。「もしかして、恋人さんですか?」そう声をかけて来たのは女性店員だった。楼はビクリとするとなんて答えようか考える。すると、店員は「あぁ、お気になさらないでください!」と言った。「メガネを選ぶ姿があまりにも真剣だったものでそうなのかなぁっと思いまして。私も同性の恋人がいるんですけど、メガネを選ぶ姿が彼女と重なって。」「そのメガネは彼女さんが?」「えぇ。真剣に選んでくれたので宝物です。」そんな会話をしていると、視力検査を終えた璃亜がこちらへとやって来る。すると楼が声をかける前に璃亜が抱き着いてきた。「り、璃亜?!」「楼君は僕のでしょ?」「あらあら。ヤキモチを焼いてし
保健室で涙を流しながら抱き合う二人。ようやく再会できた事に喜びの感情が沸いて出てくる。「ようやくだ。ようやくこれで何の弊害もなく愛し合える...。」「でも、今世の私たちは義理とは言え兄弟ですよ?」「それについては心配ない。オレは父に全て話してある。」全てとは一体どこからどこまでなのだろうと思っていると、楼はクスリと笑う。そして、璃亜の頭を優しくなでる。「父には、再婚の話しが出た際に、オレが璃亜の事を想っている事を話してある。」「え...それは大丈夫なんですか?男の私が相手と知ればお義父さん倒れてしまいませんか?」「璃亜今の世の中は同棲カップルなんて珍しくない。父も反対はしなかったからな。」それを聞くと、璃亜は安心して胸を撫で下ろした。でも、一体どこからどこまで話しているのだろうか?まさか前世の話しはしてないまいだろうな?そう考えていたのが顔に出ていたのか、楼は察してそっと璃亜を抱きしめた。「安心しろ。前世の話しは誰にもしていない。言ったところで信じてくれる人はいないだろうしな。」「そ、そうなんですね。それなら安心しました。...もう、離れなくてもいいんですよね?ずっとそばにいられるんですよね?」璃亜が不安そうな声音で楼に問う。楼は「もうあの頃とは違うんだ。」と言って口づけを交わした。「んン...んァ...ハァ…」「可愛いな。オレの璃亜は。」「か、揶揄わないでください!!...それはそうと、私のメガネは?」「あ、あぁ...。それが...。」そう言って差し出されたのはフレームが曲がり、レンズにヒビが入ったメガネであった。「...これはもう使い物になりませんね...。今日の帰りにメガネ屋に行く事にします。」「それならオレも...。」「部活はどうするんですか?」「一日くらい大丈夫。それに見えてないと不安だろう?」それもそうだ。たしかに不安である。「それじゃあ、お言葉に甘えさせていただきます。お願いしますね?」「お前に見合ったメガネを見繕おう。あ、これを機にコンタクトに...」「しません。...と、いいたいところですが、今後また何があるか分からないので一応作っておきたいと思います。」そういう璃亜に楼は顔をパァっと明るくして、思いっきり抱きしめてきた。「璃亜!ようやくコンタクトにする決心を!!オレは嬉しいぞ!」「そ、そこま
駅で楼と会ってから学校へは楼と共に登校した。楼が周辺に睨みをきかせていたお陰で、今日は痴漢にあうことがなかった。そして学校へたどり着くと、二人は注目の的になった。「おはよー!楼...って、もしかして雛形君?!もさもさの髪型やめたんだね!可愛い!この調子でコンタクトに...」「しないから!」「えー、もったいない。」女子が残念そうに肩を降ろす。そしてそれからハッとすると、とんでもない事を言いだした。「あ、そっか!こんな可愛い顔してたら変な虫ついちゃうもんね!納得納得。」「...そんなんじゃないんだけど。」その女子を置いて教室へと向かう階段を上っていると、向かい側から璃亜を忌み嫌う森野と佐伯が歩いてきた。なんか嫌な予感がするな、と思いながら通り過ぎようとしたその時だった。森野の足が璃亜の足を引っかけてきた。その拍子に璃亜は階段から落ちてしまう。「え?」「!!璃亜!!」最後に見たのは楼の必死な顔。そして、ニヤニヤとした森野と佐伯。あぁ。これはダメなやつだ。そう思った次の瞬間だった。走馬灯のように頭の中へと夢の内容が鮮明に流れてきた。あぁ。貴方がそうなのですね、"ロメオ様"。思い出せずにごめんなさい。せっかくお逢いできたのに、貴方を忘れてしまうなんて。来世で結ばれようと約束したというのに...。璃亜は"ジュリアス"としての記憶を取り戻した。そうだというのに、階下へと身体を叩きつけられて気を失った。最後に聞こえたのは楼の璃亜を呼ぶ声だった。「ロメオ様。来世って信じますか?」「来世?そんなのがあるなら今度は平和な世界に生まれ変わりたいものだな。」「ふふっ。そうですね。私は来世でもロメオ様、貴方と共にありたいです。」ルメリア川での何度目かの逢瀬でジュリアスが言った"来世"という言葉。ロメオは夢追い事だと笑ったが、ジュリアスは本気の様だった。「戦争のない、幸せな世界...。憧れます。」「ジュリアス?どうしたんだ、急に?」「いえ...、こんな世界で結ばれないというならせめて来世で...と。」ロメオはジュリアスの言葉に思わず抱きしめた。その温かな腕の中に囲まれ、ジュリアスは幸せそうに笑った。「来世では近しい仲になりたいです。こ、恋人に...。」「何言っているんだ。今も恋人、だろう?」「!そ、そうですね...。」そう言うとロメオはジュリアスに口
美容室では楼の監視の元、楼のプロデュースでのカットになった。璃亜はここまでサッパリさせたのは久しぶりだ。と思いながら、美容室を後にした。「明日からはまた学校かぁ。...なんか今日一日がジェットコースターの様だったよ。」「父さん達も明日籍入れるって言ってた。これで明日から正式な兄弟だね。」「なんか、あっという間だったなぁ...。」すると璃亜は楼に向かって、「今日はありがとう。」と照れ臭そうに言った。「なぁに?急に。そんな顔を真っ赤にしちゃって(笑)」「な、なんでもない!!じゃあ、また明日!学校で!!」璃亜は楼からの返事を待たずに走って帰路へと着いた。そして、今の自宅であるアパートに着くと、丁度瑠々花も帰って来ていたようで二人で夕飯の支度をしながら今日あった事を報告し合った。「そういえば、璃亜ちゃん、髪切ったのね!かっこよくなったじゃない!」「こ、これは...楼君に押し切られて...。」「うんうん!いい関係を築けてるみたいでよかったわ。」夕飯を食べ、風呂へと入り、自室へと戻った璃亜は、なんだか明日からどんな顔で楼と学校で会えばいいのだろうか、と考えていた。そして、ベッドの上でゴロゴロと転がっているうちに、あぁ、なんだか眠いなぁ。今日はもう寝てしまおうか。と思い始めた。すると、途端にうとうととし始めてきた。「___やめてください、兄様!」「お前はオレ達の物だ!___になんか渡すものか!!」「ごめんなさい。___様。こんなに穢れてしまって...。」これは、一体何の夢だ?なんでこんなに切ない気持ちになるのだろう。"ピピピ、ピピピ"とアラームが鳴った。目には涙が溜まっていた。...まただ。またあの夢。最近よく見る夢だ。誰かに抱かれ、別の誰かを想う。そんな夢。そして、その夢を見ると無性に楼の顔が見たくなるのだ。何故なのか。この夢には楼も関係しているのか?そんな事を考えていると、時間になっても起きてこない璃亜を起こしに瑠々花が部屋までやって来た。「璃亜ちゃん?起きてる?」「母さん、ごめん!今起きたから大丈夫だよ。先にご飯食べてて!」璃亜は急いで支度を始めた。夢の事はすっかり忘れて。時間はもうかなりヤバい。「あ、璃亜をちゃん!来週の土曜日に引っ越しになるから、ちゃんと準備しておきなさいね!」「分かった!時間ないし、トーストだけ貰ってくね!行
さて、楼の変態臭さはおいておいて、支度を済ませた二人はカフェへと向かって歩いていた。楼は璃亜の手を取ると、握り込んできた。「ちょ、っと!楼君?!なんで手...。」「いいじゃない。兄弟なんだし。」「...義理の、だけどね?」どうも璃亜は楼にペースを持っていかれやすい。そして、なかなか楼からペースを奪うことが出来ない。それが何だか悔しくて...。璃亜は思い切って楼の手を握り返した。そんな璃亜の行動に楼はビックリしたが、顔を真っ赤にしている璃亜に愛おしさが増してきてついつい抱きしめてしまった。「ぶっ!!急になんなのさ!!」「いや...、あまりにも愛おしくて...。」「どんな理由...。とりあえず離して!カフェ行くんでしょう?」璃亜に怒られてシュンとなっている楼はまるで叱られた子犬の様。自分よりデカい男に抱く感想ではないが、ついつい撫でてしまいたくなる。「...早く行くよ...お兄ちゃん。」璃亜はぼそりと言うと、楼は顔を勢いよく上げ、顔をパァっと明るくしてみせた。「璃亜!もう一回!もう一回お願いします!」「ヤダよ!ほら、行くよ!美容室の予約もあるんでしょう?」ちょっときつめに返したつもりだったが、璃亜の"お兄ちゃん"呼びに歓喜していて楼は天を仰いでいた。璃亜は「まったく。仕方ないなぁ」と言うと、今度は璃亜から手を握って、走り出した。「ちょ、ちょっと!璃亜?!」「...」璃亜は赤くなった自身の顔を見られたくなくて真っすぐ前を向いたまま走り続けた。カフェに着く頃には二人とも息たえだえになっていた。「ハァハァ...つ、着いた。」「な、なんで走ったの?...もう喉カラカラ。」「べ、別に特に理由は無い...と思う...。」「なぁに、それ(笑)」璃亜の答えに楼は笑うと、息を整えカフェの中へと入って行った。「いらっしゃいませ!...あれ?楼君じゃないか!今日は...お友達と?」「こんにちは、店長さん。彼は瑠々花さんの息子さんだよ。」「!君が!てことは...。」「そ。オレの義理の兄弟。」璃亜は会話に置き去りにされていると、楼に「璃亜」と呼ばれた。「この人はこのカフェの店長さんの田村さん。ちなみにここが瑠々花さんの職場で、父さんとの出会いの場ね。」「は、初めまして!母がいつもお世話になっております。」「瑠々花さんの言う通り、礼儀の良
ご馳走を母と二人でたいらげ、風呂に入って自室へとやって来ると、璃亜はベッドにダイブした。朝、痴漢にあったと思ったら、校内カースト上位の楼に助けられ、何故かひどく懐かれた。そして、学校から帰って来ると、母が再婚すると言うビッグニュース。なんだかジェットコースターの様な一日であった。...そう言えばLINEよこすように言われてたな。璃亜はベッドから起き上がると、机の上に置いたカバンからペンケースを取り出し、中からIDの書かれた紙を手にすると再びベッドへと戻る。「えーと...?ID検索っと。...あった。」検索した際出てきたのは、可愛らしいポメラニアンのアイコンで"ROU"との表示が。璃亜は思
あれから何とか午後の授業をこなし、璃亜は図書委員の仕事に向かおうとした。その時、楼が声をかけて来たのだった。「雛形、これから図書委員?」「あ、う、うん。蔵之君は部活?確か弓道部だったっけ?」「!知っててくれたんだ。...嬉しい。」「そ、それで何かあった?」そう問いかける璃亜に楼は耳打ちをした。「電車、まだ怖いでしょ?オレ一緒に乗るから。帰り玄関で待ってて。」「!」璃亜は囁かれた耳をバッと抑え顔をリンゴの様に真っ赤にした。そんな璃亜の様子を微笑ましそうに楼は見やると、「また後でね。」と声をかけ去って行った。「ぼ、僕どうしちゃったのかな...?」自分の気持ちに整理がつかないで
その日の学校は散々であった。遅刻の理由が痴漢によるものだという事がクラス中に知れ渡ってしまったからだ。「雛形ぁ、お前痴漢にあったとか嘘だろ?楼まで巻き込んで何考えてんだぁ?」「ホントだとしても、雛形君に痴漢するとか男も見る目なぁい(笑)」カースト上位にいるクラスメイトはどうもこう弱いものに絡むのが好きだな。こういうのは無視するに限る。しばらく好き放題言わせていると楼が璃亜の元へとやって来た。「お前らさぁ。オレ、ちゃんとこの目で見てたんだけど?なんで雛形が嘘言ってるとか言うわけ?」「く、蔵之君...」「いや、でもさ。佐伯ちゃんみたいに可愛い子だったら、痴漢にあったとかわかるよ?でも
"ガタンゴトン、ガタンゴトン"と今日も今日とて電車にその身を揺られながら学校へ向かう。この時間は通勤通学による満員電車となっているため、身動きがなかなかとれない。そのため、いつもの様に、雛形 璃亜は痴漢にあっているのであった。"気持ちが悪い"。今日はいつにも増してねちっこいやつであった。「あと学校まで二駅...。早く着け。早く...。」そう思い我慢している時だった。急に触っていた感触が無くなり何事かと思い顔を上げると、痴漢の手を掴んで捻り上げている人物がいた。「おい、おっさん。痴漢してやがったな?次の駅で一緒に降りてもらうからな。」「な!なんだお前!わ、私が痴漢をしていたという証拠は