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第274話

Author: つき酔
連休の最終日だった。明日からは仕事が始まるため、莉奈は直哉に付き添って中央病院へ戻ったあと、汐見ヶ丘のマンションへ帰った。

翌朝、支度を整えて出ようとしたところで、扉を開けた莉奈は玄関前の床に茶封筒が置かれているのを見つけた。

左右を見回したが、廊下に人影はない。

不用意に開ける気にはなれなかった。莉奈は一度部屋へ戻って適当な棒を持ってくると、茶封筒をいろいろな角度から慎重につついてみた。

危険なものではなさそうだと確かめてから、ようやくしゃがみ込み、封筒を開ける。

中に入っていたのは、一冊のアルバムだった。

昨日、承也が渡してくれた、千鶴が生前よくめくっていたあのアルバムだ。誰がここに置いたのか、あるいは誰の指示で置かれたのか、考えるまでもない。

莉奈は深く考えなかった。表情を変えずにアルバムを抱えて部屋へ戻り、引き出しにしまう。それから車でテレビ局へ向かった。

編集長室。

杉村編集長は、莉奈が退職届を机の上へ置いてから、ずっと眉間に皺を寄せたままだった。

しばらくして、ようやく一言を絞り出す。

「E国支局の候補から外されたから、もう辞めるっていうのか」

莉奈
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