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第577話

Author: 結奈々
千尋と慎吾が同時に柚香を見た。

柚香は車の窓越しに和夫たちの車が遠ざかっていくのを確認してから、慎吾に言った。

「二人ほど手配して、あの人に恨みを持つ相手を装わせて、夜中に一度痛い目に遭わせてちょうだい」

「???」慎吾は真顔で言った。「社長、変わりましたね」

柚香は目を上げる。「どこが?」

「前は気に入らなかったら即ぶつかってたじゃないですか」慎吾はこのところの彼女の変化を思い返しながらまとめた。「今はちゃんと身を隠す術を覚えたっていうか」

「私は京原市にはあまり長くいないから」今の柚香は以前よりずっと立ち回りが上手くなっていた。気に入らないからといって、すぐ正面からぶつかったりはしない。

「もし直接揉めたら、私がいなくなった後に千尋へ仕返しされたら困るでしょ」だからこそ、さっきも終始穏やかに振る舞っていたのだ。

和夫は彼女の後ろ盾を警戒して手を出せないかもしれない。

けれど千尋は、この場所では頼れる人もいない。

……待って、千尋って修司と付き合っているんじゃなかった?

「ありがとう」千尋は心からそう言った。「気にしないで。大したことじゃないから」

柚香は自然
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