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第37話(17)

Author: 北川とも
last update publish date: 2026-06-29 17:00:37

「――先生さえよければ、一緒に来ないか? その分、少し時間を取られるかもしれないが」

「一緒に、って……、城東会の事務所に?」

「応接室で、お茶でも飲んで待ってもらえると、ありがたい」

 どうだろう、と問われ、和彦は視線をさまよわせる。短時間で済む用事のために護衛の組員を呼び出すことを思えば、三田村の提案は合理的だし、何より和彦自身も安全だ。

「ぼくが行って大丈夫なのか……」

 つい不安を口にしたのには、理由がある。和彦は三田村と関係を持ってから、城東会の事務所に顔を出したことはなかった。あくまで賢吾のオンナとして立ち寄ったときは、どの組員もよそよそしくはあったが、丁寧に接してくれたのだ。

 しかし今はどうだろうか――。

 和彦の表情から、何を心配しているか察したらしく、三田村の手がそっと肩にかかる。

「先生は、もっと図太くなってもいいのかもしれない。ときどき、自分の無神経さが、どれだけ先生を傷つけているのか考えて、ぞっとするときがある」
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  • 血と束縛と   第8話(33)

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    last updateLast Updated : 2026-03-19
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