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第121話

Author: 猫ちゃん
凪はかなり上機嫌だった。母の形見の陶磁器を手に入れ、葵と明里の悔しそうな顔まで見られたからだ。お腹が空いてきた凪の横で、空は手際よくスープを取り分けてくれていた。

「ありがとうございます」凪は明るい笑顔を見せた。

忍の前では仲の良い夫婦を演じなければならないと、凪はよく分かっていた。

「気に入ってくれたならよかった」

空はその笑顔を見つめ、一瞬だけ指先を震わせた。しかしすぐに何事もなかったかのように手を引き、今度は凪の好きそうなおかずを取り分けてあげた。

忍は満足そうにうなずいた。夫婦とはこうあるべきだと思ったのだ。

しかし、そのやり取りを見ていた大輔の目には、どす黒い憎悪が宿っていた。

……

夕食が済んだ。

空は、今日の発表会を終えた後の、投資配分の件で会社に戻らなければなかった。

それでも彼はわざわざ遠回りをして、凪をブリーズ・ガーデンズの入り口まで送り届けてから、ようやく車を走らせた。

凪は夜風に吹かれながら、入り口へと歩いていった。

「凪」

聞き慣れた声が聞こえてきた。

凪は振り返ると、暗がりに渉が立っていた。焦りを滲ませた表情で、こちらへ歩いてくる
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