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第235話

Auteur: 桜夏
「お兄ちゃん、じゃあ、私たち行くね」

理恵は手を振って言った。

聡は頷いたが、その視線は透子から離れなかった。

理恵は特に気にせず、親友のそばへ行った。

駿も別れを告げて去り際に、聡の視線がずっと透子に注がれていることに気づいた。

三人が一緒に歩き出し、一分後、駿が振り返ると、聡はまだその場に立って彼らを見ていた。

いや、正確には、透子を見ていた。

駿は唇を引き結び、もはや確信していた。柚木社長は、透子のことが好きなのだと。

その場で。

遠ざかっていく人影を見つめながら、聡は、彼女がずっと自分と距離を置き、一瞥さえくれなかったことを思い返していた。

聡は、自分で自分の首を絞めたとはこのことかと、ようやく痛感した。

午前中、大勢の前でなぜ自分をあんなに長く見つめていたのかと彼女に絡んだせいだ。今となっては、もう彼女が自分を見ることはないだろう。

話しかけてくることも。

聡は小さくため息をつき、道端に停めてあった車に向かい、会社へと戻った。

……

一方、透子たちはショッピングモールへ戻る途中だった。理恵が例の一億円の件を延々と話していたが、透子の耳にはあまり入
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