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(仮)

Author: エチカ
last update publish date: 2026-06-07 20:15:31

 応接室での話し合いが終わると同時に、オルタナは公爵に地下の書庫へと行きたいと願い出た。

 眉尻を下げた公爵の顔を見れば、心配されているのは分かっていた。

 けれど、一人になって少し落ち着きたかった。

「大丈夫」

 出来得る限り笑ったつもりだった。

 笑えていたかは分からないけれど。

 オブライアンに導かれる様に地下の書庫まで付いて行き、鍵を受け取る。

「旦那様から許可は頂いております故、お好きなだけお使い下さい」

「……ありがとうございます」

 薄暗い地下の石造りの廊下は少し肌寒い程で、オブライアンが手に持っている燭台の灯がないと、足元も見えない程だ。

 オブライアンは「お茶をお持ちしましょうか?」と気遣ってくれたが、丁重にお断りした。

 廊下を戻り、階段を上がって行くオブライアンは、気がかりでもある様に一度振り返る。

 オルタナは出来る限り気丈に振舞お

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  • 魔女ドーラの孫(仮)   アウルム地方 Ⅱ

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  • 魔女ドーラの孫(仮)   アウルム地方 Ⅰ

     アウルム地方にあるサリバン公爵家の別荘へ来て一週間が過ぎようとしていた。 気候の良いアウルムではもう、雪の残る所はなく、芽吹いた若い緑が眩しい程だ。 オルタナの為に用意された特別な部屋とは、薬草に関する書籍や古文書が所狭しと並ぶ一室だった。 拘束も解かれその部屋を私室として与えられ、普通に暮らしていた。 そう、普通だ。「いや、おかしいだろ……」 目が覚めていつも思う。 ここで何をしているのだろうか?

  • 魔女ドーラの孫(仮)   モリガン区 Ⅴ

    「モリガン大佐に頼まれていたのは、ただの香辛料で……」「それが、悪用されたようだ」「あ、くよ……う?」「適量を守ればただの香辛料も、摂取量を間違えれば毒になる。彼らが死ぬ前に飲んだ酒には大量の香辛料が混入されていた」「ま、さか……大佐が……? 嘘だ……」「まだ、真相は分からん。だが、こんな分かりやすい方法で六人も害したとなれば、お前は犯人に仕立てられたんだろうよ」

  • 魔女ドーラの孫(仮)   モリガン区 Ⅳ

     祖母は顔の上半分が薬草に被れて、まるで火傷の痕の様に爛れている。 その見た目から祖母は魔女ドーラと揶揄されていた。「あぁ、いや違う。気を悪くするな。彼女は栗毛で肌も小麦の様だった。お前は銀髪に白い肌をしているから、こんなに違うものかと……」「そ、祖母に会ったことがあるんですかっ?」「あぁ、一度だけ。モリガン伯が薬物兵器を研究していた者を監禁していると聞いて、見に行った」「そう、ですか……」

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