それから、水族館を好きに見て回る加島とかすみの後ろを、弥一と愛蘭は宣言通りに、付かず離れずの距離でついて行った。 だが、サングラスをしているとはいえ、さすが有名人。弥一に気づいた人々は、最初は遠巻きに見てこっそり撮影しているくらいだったが、ある人が「ファンです。」と言って弥一に話しかけたことを皮切りに、続々と彼の周りに人が集まり出した。 「あの、この間ミコ様が女性を探して街中を走り回っている記事をネットで見たんですけど、もしかしてこの方がその時の女性ですか?」 弥一の隣に立つ、モデル並みのスタイルと美貌の愛蘭を目に、期待を込めた目で皆が弥一を見る。 だが、その問いに対し愛蘭がばっさりと、「違います。」と答え、その声の冷たさに、皆はピタリとはしゃぐのを止めた。 さらに愛蘭は腕を組むと、 「明らかに彼がプライベートだってことわかりますよね?それなのに話しかけてくるってことは、皆さんは記者の回し者か何かなんですか?」 サングラス越しとはいえ、背の高い愛蘭に見下ろされがらの説教を喰らった野次馬たちは、途端に罰が悪くなったような顔をした。 と、その時。 人だかりを掻き分けるように、加島が、「すみません、ごめんなさい。」と言いながら、輪の中心となっている二人の元まで来ると、 「僕の連れがすみません。この子、今日朝ごはん食べてくるの忘れちゃったらしくて、だからお腹が減ってて攻撃的になっているだけなんです。ごめんなさい。」 そう皆に説明すると、自身の言ったことに反発する愛蘭の手首を掴んで、その背中へと彼女を隠した。 「すみません、僕が責任持って彼女に餌やりをしますので。」 そう言うと、加島はその場から愛蘭と弥一を連れ出した。 加島に言われて、離れた所からこの様子を見守っていたかすみにも加島は、「行こう。」と声をかけると、彼に連れられ、四人はその場から一目散に離れる。 加島は幻想的な空間が作り出されたクラゲの展示場まで皆を引き連れてくると、そこで急に振り返って、 「なんでちょっと目を離しただけで、こうも騒ぎを起こすわけ?」 まだ加島に手首を握られていた愛蘭は、なぜか少し顔を赤くして、 「痛い!離してよ!」 だが、加島は手首を離す代わりに、その手首をグイッと引っ張って愛蘭を自身に引き寄せると、 「嘘吐くな
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