All Chapters of 義実家崩壊の原因は私を守る神です〜悪神に魅入られた花嫁〜: Chapter 21 - Chapter 30

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20.障り

「おはようございます」 次の日、機嫌良く出社した功一に竹田が震える声で給湯室から出てきた。 それも来ているのはいつものスーツではなく、喪服だった。「え ? 竹田さん、どなたか不幸ですか ? 」「神代……実は……あの神社の引戸さんだが…………死んだんだ」 真っ青な顔で呟く竹田に、功一はなんとも冷静を保ったまま答える。「そうですか」「一緒に来てもらいたいんだが、今日は客が来る予定だし……」「ソーラーパネルの事業者さんですね。俺が相手しますよ」「うん……まぁ、この辺りでその規模の土地を売りたい奴はなかなかいないしなぁ。農家さんもまだまだ現役だし。とりあえず希望やなんかをもう一度聞いてみて」「わかりました」「山を崩すとか、個人宅に付けるとか……最近トラブルになりやすくてな。 話だけ聞いて、対処しておいてよ。相手も急に今日決めようとはしないだろうし」「そうですね。 あ、では急いで香典を包むのでお願いしていいですか ? それともお客様を対応してから、自分で行った方がいいですかね ? 」「ん〜。いや、俺が代表で行くわ。 ……というか、香典袋……用意してたのか ? 」 竹田が不思議そうに、功一のカバンから出てきた御仏前と書かれた袋を見つめた。「付き合い第一の仕事ですから、常に用意はしてあるんです」「はあ〜っ ! 流石、元トップ営業マンだなぁ〜。 確かに確かに。そういうのは大事だよなぁ〜」「ちなみに……」 功一はデスクに座ると、パソコンを起動しながらなんでもない顔で竹田に聞いた。「引戸さんは……事故で ? 持病とか ? 」
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21.ルシウスとアスター

『太陽神はルシウスに授ける ! 』 この一言でアスターの運命が決まった。  兄のルシウスは後継者として家を継ぐが、自分は家から出るか、抵抗したら死が待っている。  父親が術師に御告と受け、これからの未来を語り出す。  式典には多くの街人や王族の姿もあった。  アスターは惨めな気持ちを押し殺しながら荷物を纏め始める。  その時、既にルシウスの姿が無いことに気付く。  確かにここに来ていたはずだ。  後継者に選ばれたのはルシウス。街人たちはみなルシウスに群がり、交流を求めるだろう。  しかし、荷物ごと既に消えているのだ。「どこへ…… ? いや、それよりも俺は家を出る準備をしないと」 そして最後の別れをミレアに告げなければならない。更に自分に願いが叶うなら──どうか無一文で始める旅の生活に共に付いてきて欲しい。勝手は重々承知の上で、アスターはミレアと共に家を離れようと決意していた。 □「ミレア ! 」「アスター !? 今日は……祭典に行くんじゃなかったの ? 」 アスターは式典の日だというのに、いつもと同じ服装で現れた。「すぐに帰ったんだ。  さぁ、俺が太陽神に選ばれた ! 証を貰ったんだ ! 来てご覧」 そのミレアのそばに現れたアスターは、いつもより機嫌よく、滑らかな口でミレアを家に誘った。「いけないわ。わたしはお屋敷には入らないよう言いつけけられているの」「そんなの ! 俺が許すよ。今日から俺が主人となるんだから」「でも……」 アスターがミレアの手を強引に取る。  玄関にはまだ帰宅したばかりのルシウスのカバンや羽織ものが脱ぎ捨てられたままだった。「ルシウス様も帰宅されているの ? 益々中に入る訳には行かないわ」 強い迷いを見せるミレアに、アスターは安心させるように抱きついた。「今までずっとこうしたかったんだ。誰にも何も言わせないよ。  寝室へ行こう。柔らかいベッドの上で、君を感じさせてくれ。
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22.夫の中に巣食うモノ

 仁香の脳内は混乱していた。 功一を見送り家事を済ませたところであることに気づく。 功一に買ってもらったスノーブーツが無い。 下駄箱を開けるも確かに無いものは無い。「そんな……」 今までにもあった。 仁香の年齢の服飾を友紀が盗ることは無いが、衣装ケースを漁られることはある。 実害はないので何とか我慢していた秋口。 冬の到来とともに仁香の服が消えるようになった。 窓からそっと離れを眺める。 美千花の住む離れの改装された納屋の出入口に 、仁香の物と同じスノーブーツが立っているのが見えた。「嘘……また…… ? 」 前回はコート、その前はパンプスだった。 最初のパンプスの際は仁香が美千花を責めると『参観日に履いていくものがないから』といい、子供を盾にする。 立ち会った佐喜男も「靴くらいで、怒るなよ」と話を丸めにかかる。それからずっと美千花の盗み癖は続いている。「はぁ……」 理解不能とばかりに水の入ったバケツを持ち、鳥居の部屋にはいる。 その日──仁香の感覚はいつもと違った。 何故かその祠を知っている気がした。 そんなわけが無い。 この祠は功一の祖父が新興宗教として建てたものだ。 しかし、仁香にはその日。 その祠の中に収められているものがなにか分かってしまった。震える指先で金属のバーをあげて観音開きの戸板を開く。「……っ !!? これ……夢で見た……太陽神の印……。 はっ !!」 なにかの気配に振り返る。 あの外国人の遺影の紐が切れ、今にも床に叩きつけられんばかりにプラりと揺れていた。「 !! 危ない ! 」 慌てて遺影を手に取る。 頭がぼうっとする
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23.父のルーツ

 玉串料を用意すると、仁香はすぐに車に乗り込んだ。 今から行けば夕暮れ前に訪ねられる距離の神社である。「仁香さん、一体どこへ行くの ? 」 友紀が訝しげに運転席の仁香に立ちはだかった。 ルシウスと思われる遺影は本人ではない。恐らく生まれ変わりや、前世の記憶を持つ誰かだったのだろう。しかし既に故人であるということは同じ時代に生まれられなかった。 そして、仁香がこの神代家へ嫁いでくるまで待っていた。 あの祭壇に巣食いながら。「お義母さん……。あの祭壇を、お義母さんは嫁いだ時にもありましたか ? 」「何よ、急に。掃除が嫌になったの ? 」「いいえ、まさか。責任をもって手入れさせていただきます。 実は遺影の中に外国人がいるのをご存知ですか ? 」「……ええ。姑はね、そいつの祟りがどうとかでアレを作ったとか聞いたけど」「それ以前に並んだ遺影の方たちは……? 」「そりゃあ、祭壇を作るってなったら、仏壇がいらなくなるでしょ ? だから一緒にしてもらったらしいわ」「つまり元凶はやっぱりあの人なんですね。 そうなると、あの方は神代家の方なんですか ? 」「……それについては、功一や塁の事もあるし聞いてみたけど……どうも遠縁の親戚らしいわね。 たまたま当時の長子が病死して、引き継いだのがその外国人だったとか。でも結局子供に恵まれなくてね。その後は神代家を出た娘が離婚して戻ってきて、その息子が継承したのよ。 何にしてもこんな事はここだけの話。家の他で詮索しようとなんか思わないで頂戴」「ええ。分かっています」 仁香の正装に近しい格好をジロジロ見た友紀が雪に残ったパンプスの足跡を目ざとく見つける。「ちょっと仁香さん、本当にどこへ行くの ? そんな格好で」 全くしつこい事だ。 しかし仁香も友紀の行動も分かってきていた。
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24.楓子の証言と呉服屋の誠治

「仁香さん ? 」 引戸家を後にしようとした仁香を、引戸の妻 楓子が引き止めた。「困ったことがあったら言ってね ? 」「はい……ありがとうございます ! 」「あの……。あの祭壇は、まだあるのかしら ? 」「……ご存知なんですか ?! 」 楓子は苦虫を噛み潰したような顔で頷いた。「うちのお祖父さんは反対したんだけどね ? 神代家で新興宗教を始めるから神棚と仏壇の取り払いをするって言った時……お引き受け出来なったのよ。しなかったというか……」「それは……なぜですか ? 」「……祀ろうとしているものが……悪神だから、と。そんなことを言ってたわね。 当時わたしも嫁に来たばかりでね。深くは聞けなかったけど……。 でも今、貴女がなんでもないなら良かったわ」「そ、そうですね」 終わりだ。 祈祷やお祓いをしたくてきたというのに、話が流れてしまった。 だがしかし、確信にも変わる。 ルシウスの魂はこの世に生まれ変わり、仁香を待ち構えるため神代家に祀られるまで進化した悪神である事。 竹田に挨拶を済ませ、余った時間を考え、そのまま予定通りに役場へ向かった。 □ 役場、地域交流センター、保健センターなどが一角に列をなして同じ敷地に建っている。 仁香は車を止めると、回覧板に入っていた地域情報紙を取り出す。「ここには電気配線……アクセサリーのセロハン詰めって書いてあるけど……案外聞いたら他にも出てくるものよね」 地域役場の中に入り、冷たいタイルの上を歩く。 すると前方から着物を来た男性が歩いてきた。 すれ違った身なりの
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25.東の山

「ニカ、ただいま」「あ、おかえりなさい……」 微笑む功一に仁香は目も合わせずキッチンへ戻り、濯いである弁当箱を丁寧に洗う。昨晩の事がトラウマのように蘇る。 今もだ。あの雰囲気には覚えがある。優しかった頃の功一とは少し違う、愉快そうに笑う姿はまさにルシウスの面影を匂わせる。 功一はそのままリビングへ行くと佐喜男の側へ行く。「父さん、東側の山を持て余してたろ ? 実は買取り手がいるんだけど、話を聞いてみない ? 」「はぁ ? お前……あんな場所が欲しいなんて……騙されてんじゃねぇのか ? 」「路面や住宅ならそうだけど、相手は電設関係でソーラーパネルを建てたいらしいんだ」 この話に佐喜男の顔色が変わった。「土地は……買取りか ? リースか ? 」「応相談。どう ? 」「そりゃあ……どうせ使わんし……。山道は整備されてないから出入りするのも困難だろ。バイパスは南の畑を通したし、もうそんな話は来ないと思ってたが……ソーラーパネルかぁ」「別荘地や観光地になるよりいいじゃんって思うけれどね。 即決する必要ないよ。相手も俺の大学時代の先輩でさ、怪しいヤツじゃないし、話聞いてみる ? 」「そうだな。聞くだけ聞いてみてもいいぞ」 莫大な金の匂いに鼻を利かせる佐喜男のそばで友紀も概ね同じ態度で聞いていた。 ところが、そこへ口を挟んだのは美千花だった。夕飯を食べ終え、寝転がりながらテレビを観ていた身体を起こす。「え ? え ? あの山、わたしが独り立ちしたらくれるって約束したじゃないですか」 これには友紀の目が丸くなる。「お父さん、そんな約束……勝手にしていたの !? 」「いや。だって、折角農家になっても農業する場所がないんではなぁ」「だからって
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26.処分のつて

『ルシウスを味方につける』 仁香の当面の目標。 次の日、何事もなく功一を送り出した仁香は祭壇のある部屋へ一人座り込んだ。 功一の中に潜むルシウスをまずは害の無いものに変える。 いや、確かに仁香には害はない。しかし頼みの綱の引戸は亡くなり、土地を売り捌く話を持ってきた。「……わたしがルシウスならどうする…… ? 」 ルシウスは完全な愉快犯だった。 ミレアを本気で好きだった訳でも、アスターを妬んだ訳でもない。 長年、太陽神の加護がどちらに付くかで競い合う同じ外見の子供。双子というよりコピーに近しいその存在の、大事にしている女性を手にかける。 太陽神に選ばれたのは自分だと言うのに、アスターが目下の者に確定したが瞬間から変貌した。「そんな彼が生まれ変わったら……」 ミレアに対する執着より、アスターに対するマウントの方が強い気がするのだった 。「わたしの前世はミレア……あの遺影の男はルシウス。功一さんの中にいるのも……。 ……それならアスターは……」 アスターの生まれ変わりこそが、功一なのである。 仁香にだけ理解できる過去と前世のアスターの所作や性格。傲慢で派手なルシウスより誠実だが自由人のアスター。過去に知り合った当時の功一はまさしく。 しかし、功一は今やオカルトの類いを信じないタチなうえ、この神代家の義父母もこの祭壇のせいですっかり神仏に信頼がない。 その時インターホンが鳴った。「え ? 誠治くんじゃないの ! 」 玄関に出た友紀が驚いたように見上げる。 台車を押した呉服屋の主人が立っていた。「いや〜、神代さん久しぶり〜。あのさぁ、嫁様いるでしょ ? 俺んとこの仕事頼んだんだよ〜いや〜ありがてぇ。細かい作業は嫌いでさぁ」「あぁ、もしかして内職の話 ? 」
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27.もう一人の憑き物

 日曜。 神代家主催の会食が行われた。 この会食というものは、祭壇を作った功一の祖父が最初に開いたのが始まりだ。祭壇は当初は町民に内緒にされてはおらず、布教の為に開いたのが始まりだった。 しかし家で新教宗教を開いたなどと聞かれたくない功一の父 佐喜男は、祖父が亡くなると同時に祭壇のことを口にしなくなったのだ。 呉服屋も、引戸家の神社も、皆知っていて当然の事なのだ。 だが、大人しくしていればいいものを、神代家主催として温泉旅館に地域住民を招いての食事会は今でも神代家がマウントを取るには十分な行事となってしまったのだ。「おい、ベタベタするなよ」 この日、功一の素振りは冷たく仁香は二人きりの車内で功一の内にいる者へ問いかけることにした。「功一さんはそんな事言わない。ルシウスと違って貴方は演技が下手なのね。それとも、それが素の性格 ? 」 皮肉たっぷりに言い放った仁香に功一はウンザリするように赤信号を見つめる。「俺は俺だ」「誰よ。功一さんを返して」「……今は無理だろ。功一なんていたところで……」 仁香の感情が冷静になる。 コイツは功一本人ではない事が判明した。 しかしルシウスでもない。「──貴方は誰 ? 」「……。太陽神に選ばれし者」 それはつまりルシウスとアスターの家系の者である。「お前が憎い。お前がいたせいでルシウスは太陽神に選ばれながらにし、実弟と奴隷のお前を殺し、行きながら地獄へ落ちてしまった。お前が憎い ! 」「……領主様ね ? アスターとルシウスのお父様……」 領主は無言の肯定。「わたしをどうして……わたしは殺されました。アスター様と密かに会っていたわたしは……。ルシウスはヒーローだったのでは ? 」「お前には分からん。太陽神
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28.抜き打ち披露宴

 浴場にはまだ誰の姿もなく、一人湯に浸かった。ゆっくりと温泉に入るという行為自体が功一との交際中以来だった。 あの頃の功一は一体何処へ行ってしまったのか。 始終、の領主とルシウスに身体を占領されているとすれば、本来の功一は内に潜んでいるのか、別な場所に追いやられているのか。 そして新しい情報。 友紀もルシウスに頭を抱えた過去。 それはつまり、佐喜男にルシウスが憑いていたということ。 そうなるとルシウスは最早仁香が云々より神代家に憑いた悪魔のようなものだろう。祖父が封じたなら祖父にも憑いていた過去があってもおかしくない。 髪を乾かし浴場を後にすると、引戸一家が入ってきたところだった。「仁香さん ! 」「引戸さん…… ? 本日は来られないと先日……」「うん。そうなんだけどね。でもなんだか……みんないた方が楽しいじゃない ? 」 引戸の妻は淑やかに笑うと、痩せた首元の真珠が揺れた。「そうですね。楽しんでください」「ええ。もちろん。でも一番楽しむのはあなた達よ。人生の節目なんだから」「はい……」 なんとなく返事はしたものの、どういう意味か分からずぼんやりとしたまま引戸のチェックインを眺める。 ──人生の節目。「まさか……いえ、そんなはずは」 食事会の会場へふらりと立ち寄ると、集まって来た招待客は皆、正装で受付をしていた。 風呂上がり、それも浴衣姿の仁香を、真っ先に見つけたのはきゅうり農家の当主であった。「お、なんだ。早いな ! 今日はおめでとう ! 」「あ、あの……。……はい」 状況を知った仁香の頭が真っ白になる。 受付のには紛れもなく会食会と記してあるが、その横に兼として『神代 功一 仁香 披露宴』と銘打たれ、会場には高座が用意され
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29.世論

「友紀さん、嫁様に話してあんのかい ? 」 きゅうり屋が聞くと、友紀は簡単に頷いた。「ええ。会食をするって。しっかりした服装でと伝えたわ。 結婚式ではないから、普通の披露宴程固めなくてもいいのよ。気軽でさすがに浴衣でいいとは言ってないけれど」「でも自分はしっかり着込んでるじゃないですか ? わたしたちも別個にお祝いを持ってきてるわけだし……」「功一に仁香さんに伝えて置くように言ったんだけれど、まさか仁香さん聞いてなかったの ? 」 友紀はこれで乗り切る気でいる。 皆、気付いてはいるが、ここで功一まで呼び出したら大揉めとなってしまう。「いや……それでもあんまりじゃないの……」 困惑する招待客の元へ、エレベーターから新たな客人が入ってきた。「なんだい ? 皆んなどうした ? 」 友紀と仁香に詰め寄る婦人達を見た客人は呉服屋の旦那 誠治だった。 きゅうり屋から事情を聞くと、ひとつも顔色を変えずに頷いた。「あぁ、俺。話聞いてるよ ? 迎えに来たけどホールにいないからどうしたのかと。 ちゃんと入浴済だね。じゃあ友紀さん、仁香さんを預かるからね」「はぁ ? いえ……はい。お願いします……」 この場にいる誰もが誠治の気遣いと友紀の底意地の悪さを確認していた。「仁香さん、ほら早く」 婦人達に急かされ、仁香は誠治へちょこんとついて行った。 残された友紀に視線が集まる。「友紀さん。あんまりじゃないのかい ? 」「あんた、そのままあの子をうちの嫁ですって高座へあげるつもりだったんか ? 」「神代家の顔ってもんを気にしているなら、なんでそんなことをするかねぇ ? 」「それで私らがあの子を指差して笑うと思ってんの ? 笑われるのはあんたじゃないのかい ? 」 友紀は無言で背を向け、部屋へ
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