All Chapters of 野良猫、御曹司に拾われる: Chapter 21 - Chapter 25

25 Chapters

野良猫、夢を見る

夜斗は念願の回らない寿司に舌鼓をうち、それはもうたらふく食べた。ついでに、高級白ワインも飲んだ。こんな贅沢が許されるなんて玲央さまさまだ。そしてタワマンへと戻ってくると、玲央は部屋へあがろうとはしなかった。「レオどうした?」「ごめんよ、ヨル。僕はまだ仕事が残っていてね。」「それでオレがいくら勧めてもワインを口にしなかったのか。」「そういう事。ヨルの仕事も出来るように整えてくるから少し遅くなる。」そう言うと、玲央は夜斗の身体を引き寄せた。「いい子で待っていておくれよ?僕だけの猫ちゃん?」「早く帰って来てね?ダーリン?」そんな軽口をたたいて夜斗は玲央お見送る。さて、いい気分だし、またジャグジーにでも浸かるとするかな。夜斗は浴室へと行き浴槽にお湯をためる。たまっていくお湯を見つめながら、夜斗は今日一日を振り返った。まさか、ヨウタに仕込まれた技術が本当に役立つ日が来るなんて、思ってもみなかった。そして、まだ彼を忘れられていない自分にも驚いた。「...ヨウタ...」彼の名前を小さく呟く。もう完全に吹っ切れたと思ったのに、いまだに夜斗の心を占める。今、どうしている?オレの事忘れた?少しは探してくれた?「ハッ。...自分から逃げ出したくせに。女々しいの。」夜斗は服を脱ぐと、冷水を浴びて自分の心を静める。熱く火照った身体に冷水は心地よい。そして、少し冷えてきたかな、と思った頃にジャグジーに身を沈める。あぁ、いい湯だなぁ。現実にこんなセリフをつくとは思わなかった。ダメだ。ヨウタの事は忘れよう。今、オレを飼っているのはレオだ。そう思い夜斗はジャグジーから出ると。バスローブに身を包み、あの大きなベッドへとダイブした。酒が回ったかな。眠気が襲ってきた。玲央が帰って来るまでひと眠りだ。ここは病院?あれ?どこかで見た光景だ。「夜斗...、お願いだ。早く目を覚ましておくれ...。君がいないと僕は...」ヨウタ?なんで泣いてるんだ?大丈夫。オレならここにいるから。だから泣かないで。「夜斗...せっかく自由になったのに...。こんな事になるなんて...。」自由になれたのは全部ヨウタのお陰だろう?何言ってるんだよ。あの雨の夜にオレを拾ってくれたのはお前なんだから。だからそんな顔しないでくれよ。「そうだ!退院したらまた美味しいものでも食べに行こう!なんでも好きな物ご
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野良猫、決して一人にしない

「ヨル。仕事が出来るように整えてきたんだけれど...。もし無理そうなら...」「オレは大丈夫だよ?安心して仕事させてよ。」「しかし...。」玲央は夜斗の泣き腫らした目を壊れ物にに触れるかのようにそっと手をやる。玲央はあまりにも痛々しい顔をしている夜斗に気を使うが、夜斗は何でもない様子を見せる。一体何の夢をみたのだろうか?夜斗の心を占めているものはなんなんだ?玲央はなんだか面白くない気分でいっぱいだった。「ヨル。君の心を占めているものはなんだい?」「なんだよ、急に。今はレオ。お前だけだぜ?」夜斗はわざとふざけた様子を見せたが、玲央は真剣な面持ちで夜斗を見つめた。「レオ。何をそんなに慌ててるんだ?...っておわっ!!」玲央は夜斗をベッドへと押し倒すと、何やらぶつぶつと呟いている。夜斗はそんな玲央に少し不気味さを覚えてしまった。「ヨルは僕だけの物なんだ...。誰にも渡さない。絶対にだ...!!」「お、おい。レオ?どうしちゃったんだよ?落ち着けって。...んン!」玲央は夜斗の口を無理矢理塞ぐと、夜斗の身体をまさぐり始めた。そして、力任せに夜斗の服を脱がすと慣らしもしないで自身の欲を夜斗にぶち込もうとした。「お、おい!レオ!落ち着けって!...!!レオ!!」「!ヨル...?僕は一体...?」とりあえず玲央の暴走は止まったが、夜斗は玲央に対して恐怖心を抱いてしまった。しかし、今それを表に出すと玲央を傷つけてしまうと思い、なんとか抑え込むことに成功した。「レオ、今のオレの飼い主は誰だ?...お前だろう?何をそんなに怖がる必要がある?」「..."今の"、か...。いずれかは去って行ってしまうのだろう?」「それはどうかな?お前次第だぜ?」そう言うと、夜斗は玲央を抱きしめた。玲央の身体は小さく震えていた。何をそんなに怯えている?所詮気まぐれで拾っただけの野良猫だぞ?夜斗の頭は疑問でいっぱいになっていた。「なぁ。なんでそんなにオレに執着するんだ?オレの知らないところで会った事でもあるのか?」「それは...。ごめん。まだ言えない。だけど、どうか僕の元から消えないでくれ...。」今まで自身に満ち溢れていたと言うのに、こんなに弱った姿を見せられては放っておくなんてできない。ましてや涙を見せられては。今は、玲央を落ち着かせる事が一番だ。「レオ。オレは
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野良猫、執着される

玲央は落ち着きを取り戻すと、緊張の糸が切れたかのように眠りについた。スーツのままだが起こすのはしのびない。そっとベッドへ横たわらせた。夜斗は玲央の自分への執着が半端ない事に疑問を持ち始めた。そして、何か手掛かりになるものはないかと家の中を散策し始めた。すると、一つの部屋の前で立ち止まった。そういえば、ここには入った事がなかったな。と思い部屋の中へと入る。そして電気をつけると信じられない光景が広がっていた。「な、なんだよ...これ...」そこには一面に広がった夜斗の写真。そっと部屋の中に入ると、デスクに置かれた書類が目に入る。そこには"調査報告書"と書かれていた。「調査報告書?なんでこんなものが?レオはなんでオレなんかを調べた?」報告書に目を通すと流石に昔の物はなかったが、最近の夜斗の行動が事細かく書かれていた。このままこの部屋にいてはダメだ。そう思い部屋から出ようとした時だった。背後から玲央に抱きしめられたのだった。「れ、レオ...」「どうしたんだい?こんなところで。あぁ。これを見たんだね?よく撮れているだろう?」「な、なんでオレなんかを調査したんだ?もしかしてあの夜会ったのは...」「偶然なんかじゃないよ?ようやく君が入り浸っている酒場を見つけられたから行って見たら...ね。」玲央はそう言うと夜斗の耳をペロリと舐めた。夜斗は思わず「ヒッ!」と声をあげる。すると玲央はクスクスと笑い夜斗を横抱きにし、ベッドへと戻ってくる。そして夜斗をベッドに横たわらせると、玲央は夜斗に覆いかぶさってくる。「さぁ、ヨル...いや、夜斗。これから一つになろう?」「れ、レオ...何でオレなんかを...?」夜斗がそう問うと、玲央は夜斗をギュッと抱きしめた。「夜斗は僕の"神様"なんだ...。だから、どうしても欲しかった。僕だけの物にしたかった...。」「...やっぱりオレ達はどこかで会った事があるんだな?」「覚えてなくても無理はない...けど思い出してほしい。」「...教えてはくれないのか?」夜斗はどうしても思い出せないので玲央を問いただすが、玲央は頑なに教えてくれようとしない。夜斗は我慢の限界がきて、「あーもー!」と声を上げると夜斗は玲央の身体をどかし、自身が上に乗る。「オレが欲しいなら、オレを納得させるようにしろよ!オレはお前の"神様"なんだろう?思い
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野良猫、昔話1

玲央は今日も1人で公園のベンチに座っていた。自分と同じくらいの児童は皆楽しそうに遊んでいる。「あぁ。いいなあぁ。僕も皆と遊びたい。」そんな気持ちがあっても"仲間に入れて"と言う事が出来ずにいた。そのため玲央はいつも通りベンチに座って本を読む。この時間に家に帰る気はおきない。早く帰っても誰もいない家の中で独りぼっちでいるだけだ。それなら公園で暇を通していたほうがいい。「ハァ。今日はもう帰るか...。」玲央がそう言ってランドセルを背負うと、とある少年がぶつかってきた。「あ!悪ィ!ケガねぇか?!」「だ、大丈夫...。」その子供はよれよれの服を着ていて、背格好も玲央よりは低く、ガリガリであった。ちゃんと食べているのだろうか...。そんな心配が玲央の頭を過ったが、面倒事に関わると碌な事がない。そう言われて育ってきたため、そのままその場を去ろうとした。しかし、少年は玲央を逃がすまいとマシンガントークをしてきた。「なーなー。お前、いつもベンチで本読んでるだろ?なんで遊びに入ってこねぇの?皆で遊んだほうが楽しいぜ?」「...僕の事見てたの?」「おう!なんか楽しそうじゃないなぁって思いながら見てた。そうだ!お前、明日も来るだろう?」「う、うん。」少年はそう言いながら玲央に笑いかける。「オレ、毎日ここに来てんだ!だから一緒に遊ぼうぜ!!」「え?いい、の?」「当たり前だろ!それに公園に1人だけってつまんねぇじゃん?オレの友達もお前の事気にかけてたんだぜ?」少年の笑顔が夕日にさらされて眩しかった。「それじゃ、また明日!公園でな!!」「う、うん!また明日!」そう言って玲央は少年と別れた。こんなに胸が高揚したのはいつぶりであろうか。明日がこんなに楽しみになるなんてもう来ないと思っていた。そうだ、彼の名前を聞いていなかった。明日、聞こう。あぁ、楽しみが増えていく。今日も静かな夕飯をとっていた時だった。父親が「玲央、ちょっといいか?」と声をかけて来た。「はい。なんでしょう父さん。」「お前には酷な話しだが、母さんと離婚する事になった。」どうせそんな事だろうと思った。母は玲央の実母でないため、あまり可愛がられた記憶がない。よって離婚も悲しいと思う事はなかった。「お前からまた母親を奪ってしまってすまないな...。」「本当の母さんは病気で亡くなったんですよね
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野良猫、昔話2

今日も退屈な学校生活が終る。そしていつも通り公園へと足を運ぶ。すると、昨日の少年がブランコに乗ってボーっと空を眺めていた。しかし、こちらに気がつくと、パァっと表情を明るくして、こちらへと走ってくる。「よっ!やっぱり来てくれた!」「約束したからね。...そういえば名乗ってなかったね。僕は京極 玲央。君は?」「オレ?オレは天ヶ瀬 夜斗!皆はヨルって呼んでくる!だからお前もヨルって呼んでくれ!」そういうと、夜斗は玲央の手を掴みブランコへと戻った。そして、"どちらが高く漕げるかゲーム"を始める。玲央は高いのが得意ではないため、勝ち目のない勝負だった。案の定、夜斗の勝ち。「玲央、お前根性ねーな!もっと頑張って漕がないと!」「高いの得意じゃないんだって...。」「それじゃあ、次は...。」夜斗が次の遊びを考えていると、見慣れない顔の男児が近づいてきた。「おい!お前!ボロボロの格好してる癖にこの公園で遊んでんじゃねーよ!」「あ?お前、見ない顔だな。」「今日からこっちに引っ越してきたんだよ!せっかくいい公園を見つけたと思ったのにお前みたいなビンボー人がいるとか!お前どっか行けよ!!」そう言うとその男児は夜斗を突き飛ばした。そして、次の狙いを玲央に定める。が、玲央の格好がきちんとした身なりであったため、仲間に入れようと声をかけて来た。「おい!お前はビンボーじゃなさそうだな?オレ達の仲間に入れてやるよ!」「僕が?君たちみたいな野蛮な奴らの仲間に?冗談じゃないよ。ヨルに謝れ。」「何偉そうに...!!お前もぼこぼこにしてやるよ!」男児はそう言うと、玲央に殴りかかってきた。が、寸でのところで夜斗が男児に殴り返してやった。そしてそのままボコボコにした。「な、なんだよぉ...!痛ぇよぉ...」「これはせーとーぼーえーだ!お前の方から殴りかかろうとしてきたんだからな!」夜斗がふんっと息をつくと男児とその取り巻きたちは逃げるように走り去っていった。そして、夜斗は玲央に手を差し伸べると、笑顔を向けてきた。「もう大丈夫だからな!」「...まるでナイトみたいだったよ。」「ハハッ!じゃあ玲央は王子様だな!今度からオレが玲央を助けてやるよ!」そんなやり取りをしていると、夜斗の友達がわらわらと集まってきた。夜斗は友達に玲央を紹介すると皆玲央の事を歓迎した。「ヨル
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