Todos os capítulos de 【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 伍: Capítulo 11 - Capítulo 20

37 Capítulos

その1 史上最強雀士コテツ編 第十話 高評価闇テン

10. 第十話 高評価闇テン  コテツは学生の頃から異性にモテた。 バレンタインにチョコレートをもらわないなんてことは一度もなかったし、高校1年の頃は女子含めクラスで1番かわいいという喜んでいいものかよく分からない評価をされた。 高1の2学期の時にはH組とI組の2クラスの男子16名を巻き込んだ校内での麻雀による一斉停学。その主犯として4週間の停学室通学(停学中も学校に来なければならない地獄のシステム)を強いられたがその後も人気は落ちず。むしろ、担任の若い女教師からはその時の停学で書かされた反省文が「まるで太宰のような文章だ」と高評価を受けてその後は教師にまで好かれる。高校2年の頃には少数ではあるがファンクラブのようなものすらあった。 だが、自分が好きな子には一切振り向いてもらえず。それでは意味がないので異性とは付き合うことなく学生時代をただ麻雀のみに費やした。 そんな女っ気のありそうでないコテツの人生に今ついにチャンスが来たかもしれない。それも最高に魅力的な女に気に入られた。そんな予感がする。  「なー、相手は女王シオリだぞ。落ち着けよ。また来るとか社交辞令だと思うし。来るにしてもそんな頻繁には来れないだろうよ。今彼女は時の人だ。あっちこっちイベントで忙しいだろうからな」とアキラは言う。 「そうだな、それは分かってる。分かってるけどよ、なんだろう。オレって勘がいいから。多分…… きっとまた来る。会えるって気がするんだよな」 「へいへい。たしかにアンタの勘はよく当たるよ。来るといーな」  カランコロン 「いらっしゃいませ!」  そこに入ってきたのは若い頃の木村拓哉のようなロン毛のイケメンだった。 「おおーーー!! ギンジじゃないか久しぶり!」とマサルが懐かしそ
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その1 史上最強雀士コテツ編 第十一話 誇りを問う選択

11. 第十一話 誇りを問う選択  その後の勝負の行方はと言うと、東場は一進一退で接戦だったが最終的にはコテツが勝った。  南1局のコテツの手はこう コテツ手牌二三三四伍七八④⑤⑥⑨⑨4  ドラ④筒のこの手に中盤に差し掛かったタイミングで西を引いたが安全牌としてキープせずにツモ切り。そこにコテツの状況読みの鋭さが見える。この手は索子が最終形として優秀であると読み切ったのだ。索子の中央から下の待ちになれば勝てるという読みと心中した西切り。 その後ツモ3索で打八萬とし完璧な一向聴へと進化させた後にまた西を引いた。九萬は固められている可能性がありそうだが六萬はある。という読みから西はやはりツモ切り。そしてツモ四萬でリーチ! (この手順がおれのプライド!)  そう思いながらコテツはリーチをかけたという。事実、この2枚の西には強い意思がある。この西にはコテツの自らの読みを信じる強さと自分の手順を貫くという誇りが感じられた。  この局は結局、山に2-5索はごっそりあるという読みは正解していたがコテツの元には来なかった。皮肉にも六萬を引いてしまうが全員が当たり牌を掴まされていたのでコテツの1人テンパイで流局する。  立番をしていた女子バイトのリカは「なんで西を持っておかないの? 安牌持たなくて怖くないの?」と訊ねるが。「こんなん怖くて麻雀が打てるかっての。まあ、多少は怖いけどさ。でも、おれの場合は麻雀において読みってのは自分の持ち味でありプライドだ。その自分の読みを、つまりは自分のプライドを裏切った先に負けるとしたら……その方がずっと怖いからさ。ス◯ィーブに教えてもらったんだけどさ、何を捨てるかで誇りが問われるんだってよ」 「へえええ~。南ちゃんって勇気あるのね。イケメン
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その1 史上最強雀士コテツ編 第十二話 ジンギの実験

12. 第十二話 ジンギの実験  アキラはゲームセンターでオンライン麻雀をやるのが趣味だった。やるのは決まって麻雀闘技場3。  彼女との待ち合わせの前に余裕がある時の少しの時間や仕事帰りのほんの30分。アキラの彼女は大学生で彼女と休みが被らない日は一日中でもゲームセンターにいた。 毎日のようにゲームセンターでやるものだから店内ランキング上位になるようになってきた。そこで気付く。(この不動のランキング1位の人の名前。なんだか最近耳にしたような……。『JINGI』さんかー。ふーん。ジンギ??あれ、もしかして闇テンのピンフのジンギさん? いやまさか) すると横にスッとマルメンライトが置かれて隣の席に長い髪を後ろに縛ったサムライのようなイケメンが座った。 「よう」  ジンギだった。 「こっ、こんにちは。なんだか意外です。ジンギさんはもっと鉄火場でビシバシ打つタイプだと思っていました」「ああ、これは実験よ」「実験?」  よく見たら隣の席はゲーム途中だった、どうやらタバコを買いに席を立っていただけでそこにはもう何時間も前からジンギが座っていたらしい。灰皿にあるマルメンライトの吸い殻の山がその時間の長さを物語っている。 「そう、実験。例えばこれなんてどうだ」と言って妙な事をした。 4巡目ドラ伍 ジンギ手牌 切り番一四伍伍六七③④335777  親番中。ここからジンギは5索を切った。 おかしな選択だ。ここは一萬を捨てておけば何も問題ないはずだ。まだ三色を見切る必要はないし一萬は別に安全牌というわけでもない。 「ど
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その1 史上最強雀士コテツ編 第十三話 恋愛相談

13. 第十三話 恋愛相談  ジンギとアキラはあの日以来すっかり仲良くなった。詐欺師だったジンギとごく普通に生きてきたアキラ。交わる事の無さそうな2人が麻雀という唯一の共通点で親密な関係にまでなっていた。これだから麻雀はすごい。  ある日、ジンギはアキラと池袋で待ち合わせをしていた。その日はアキラにとっても予定のない休みなので2人で麻雀闘技場3を一日中やりに行くプランだった。 「あ、お待たせ」とアキラが現れる。ジンギの方が先に池袋に着いていた。昼前の時間に待ち合わせしてゲーセンへ。 歩き始めてからすぐに「腹減ってない?」とジンギは聞いてくる。気が利く一言だ。ジンギは相手のことを気遣ってこういう一言を言ってくれるやつだった。 「少しだけ。急いで来たから軽くしか食べてない」 「じゃあまずはどっか入って食べようか。あ、そこなんてどう?」 「いいね」  そこはフードメニューが豊富な駅前喫茶店。アキラは学生時代に何回も行ってるお気に入りの店であった。 「よし入ろう」  店内は昔よく行った時のままで懐かしくなりアキラはあの頃よく食べたナポリタンを頼んだ。ジンギはアイスコーヒーだけと言う。自分はお腹空いてなかったのに聞いてくれたことにアキラは驚く。 「先生はさ、優しそうだよな。彼女と喧嘩なんてしなさそう。してもすぐ仲直りしそうだ」と言いジンギはタバコに火をつける。「まあ、そういえば喧嘩が長引くことってないかもしれない。いつも自分から謝っちゃうから。明らかに相手に非がある事でも自分が謝って終わりにしてる。なに、いま彼女と喧嘩中なの?」「大人だよなぁ先生は、おれは一度怒っちゃったら引っ込みつかなくて自分が悪いかなって思ってももう謝れないもん。それでもう3回も別れてるし。長続きし
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その1 史上最強雀士コテツ編 第十四話 姉の結婚

14. 第十四話 姉の結婚  マサルの姉が結婚した。  結婚式は行わず撮影だけすることにしたがやっと姉にもこの時が訪れたことに感動してマサルは涙した。 思えば大変な道のりだった。親の助けを早くに失い2人だけでその日その瞬間を力一杯生き抜いた。 絶望を感じた回数は数え切れない。そんな人生でも2人でいたから生きて来れた。 「おめでとう、姉さん。おめでとう」「うん、ありがとう、うん、うん」と姉は何度も頷いた。 涙が無限に流れて止まらない。マサルは人生で初めて、喜びのあまり泣いた。   数日後、姉の引っ越しが完了して部屋には自分のものしかなくなった。 (……意外と広い部屋だったんだな)  1人になって気付く広さがなんだか寂しくて少しつらかった。 (座卓でも買うか。アイツら呼んで麻雀大会とか面白いかもな。……それともオレも出て行くか)  ◆◇◆◇  その頃、シオリは大変なことになっていた。 さて、引っ越すぞと決意を固めたその引っ越し先の部屋が長考しているうちに別の人に全部取られてしまったのである。3部屋もあるから油断していた。 (どうしよう、せっかく決めてたのに)  違う所を探すが、納得いく物件には出会えない。毎日忙しいので物件探しに時間を費やす事もなかなか出来ずに日々が過ぎていた。 そうこうするうちにまたゲストの仕事で富士2号店のそばまで来ることがあった。 (寄ろう。またあの人たちがいるかもしれないし)  そう
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その1 史上最強雀士コテツ編 第十伍話 マサルの寮生活

15. 第十伍話 マサルの寮生活  マサルの手腕はたいしたものだった。シオリに部屋を貸す代わりにその部屋に住んでいる期間は1か月のうち少なくとも4日間は富士2(フジツー)に遊びに来るようにという約束を取り付けた。 忙しいシオリのスケジュールからは4日取るのが精一杯だとマサルには予想出来ていた。何時から何時とか何曜日何打数とかは契約なし。あくまで客としてランダムで来てくれればいい。そのかわり店から報酬はない。いい部屋を借りれるのが報酬だということだ。 計算女のシオリがこの話に乗らないわけがなかった。元々引っ越すつもりだったし紹介された部屋は考えていた条件を満たしていたし初期費用手数料など一切かからず引っ越し代しかかけないでいいなど、こんなにうまい話は乗るしかない。 店は今話題の女流雀士のプライベートで通うお店ということになり。シオリは今後どこに呼ばれても通勤が楽になる。それに、富士2には興味深い打ち手もいるから元々通いたいと思っていた。 お互いがお互いになんてラッキーなんだろうと思った。  そんなわけでマサルは寮に引っ越した。マサルにとっては初めての寮生活だ。寮生たちはマネージャーが入って来るので部屋は急いで片付けておいたが綺麗好きなマサルからしたらそれでも全然汚かった。部屋をすんなり女性に渡せるくらい綺麗にしてるマサルである。片付けの苦手な男達が急いで見れるようにした程度の部屋に満足できるわけなかった。  こうして富士2号店の寮は綺麗になると同時に寮生たちには地獄のプレッシャーがかかった。掃除当番、ゴミ出し当番、風呂場担当、トイレ担当、決まってなかったことをバンバン決めて寮での生活は仕事中と特に変わりない緊張感が必要になってしまった。 悪い事ではないのだがリラックスすることも出来なくなった。
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その1 史上最強雀士コテツ編 第十六話 冷蔵庫

16. 第十六話 冷蔵庫 「聞いて下さいよ南上さん」  ぐったりしながらコテツに愚痴を言いに来たのは遅番の佐藤スグルだった。 この頃になると売り上げも伸びていてスタッフの人数も増え24時間体制になっていた。 かつてはオープンの時間は2人だけで、出勤したら前日の片付けから始めていた時期もあったが今はもう2人だけしかいなくてお客さんを何時間も待たせるようなことはしなくなったのである。  愚痴の内容は予想通りマネージャーの綺麗好きについてだった。 スグルだってガサツという程ではなかった、むしろ男にしては綺麗好きな方だと言えるがマサルのそれとは比較にならない。 ちなみに、コテツとアキラは寮ではなかった。 アキラは実家から乗り換えなしで通えるので実家から通っていたし、コテツは寮には入らない主義だった。 寮がどんなに広くて安かろうが、あくまでも自分で部屋を借りて暮らす。どんなに悪いスコアを出しても『寮がある』という安心感は向上を阻害するものだと考えた。とことん追い詰めて甘えを排除してこそだというのがコテツの出した答えだ。  だが、通いのスタッフというのはごく稀でこの時代の雀荘スタッフと言えば9割以上が寮生活だと思って間違いではない。「綺麗好き過ぎて息詰まるっすよ! 食事の後の一服もまずは食べた物片付けて食器洗ってからにしておかないとマネージャーに洗われちゃうんすよ!」「それは気が休まらないですね。でも大丈夫! マネージャーの寮生活はそろそろ終わるはずさ。マネージャーは綺麗好きだけじゃなくてあまり行動には表してないけど実はかなりの神経質なんだ。バックルームに小さな使ってない冷蔵庫があるだろう。あれは別に壊れてないけどお払い箱になったんだ」「なんでですか?」「音が出るんです。ブーーーンって。たいして気になるものでもないんだけどそれだけの理由であの小型冷蔵庫は使われなくなったんだ。すげえだろ。そんなマネージャーがガ
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その1 史上最強雀士コテツ編 第十七話 シオリvsコテツ

17. 第十七話 シオリvsコテツ  シオリ効果は絶大で富士2は繁盛店となった。特に、女王はいつ来るという予告が一切ないのが逆に功を奏した。まあ、予告もなにもその辺はシオリの自由なので告知しようがないし、それをマサルは狙っていたのであるが。 いつ来るかわからないとなると極論毎日様子を見に来るしかない。何時に来るかも分からないのだ、ずっといるしか会う手段がない。 若くしてマネージャーにまでなっただけあり経営手腕がすばらしい。 経費をかけることなく店の目玉を作ったようなものだ。天才的な発想と言わざるを得ない。 しかし、その功労者にコテツの存在があるのをマサルは忘れてはいなかった。 コテツの強者を見抜き、麻雀を分析する熱心さは変態じみていた。 その分析あってこそシオリはコテツに興味を抱き、気に入ってもらえた(ような感じ)なのであるから感謝せねばならない。 「全部コテツがいるおかげだよ」  マサルが売り上げを見てニコニコしながらコテツにそう言う。 コテツは(いきなりなんだ?)と思ったが。「その通りです」とだけ返した。生意気なやつである。 しかし、当のコテツとシオリはどうなったかと言うと――  驚くほど、どうにもなってない。  コテツは女子バイト全員と仲良くしていたし「南上さんはタラシです!」とまで彼女らに言われるくらいには軽いし女好きだが本命相手となると中学生か! と言いたくなるくらい慎重で弱気だった。  そしてそれはシオリも同じだった。  2人して何をやっているんだか。と周りの人はバカバカしいなと思いつつも本人達は一向に進展出来ずにリャンシャンテンくらいでモジモジしているばかりなのである。  周囲から見れば丸分かりの気持ちも本人達には少しも伝わりあってな
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その1 史上最強雀士コテツ編 第十八話 ビルメンテナンス

18. 第十八話 ビルメンテナンス  数年に一度のビルメンテナンスで富士2号店は店を何時間か閉めなければならない日が2ヶ月後にあるという。 それならばいっそ2日間ほど店休日にして社員旅行をしてしまうのはどうだろうとマサルは考えた。  ここのところ2号店の売り上げは右肩上がりだ。こういう時にはスタッフにわかりやすい形で感謝を示しておくのも経営陣の仕事のひとつだとマサルは習ってきた。 (大入り袋で現金支給もいいが普段接点の少ない反対番とも交流するチャンスがあってもいい。今回はみんなで旅行にしよう。行き先は近くも遠くもない静岡県あたりが妥当だろう)  夏祭りで花火大会があるタイミングとメンテナンスの日が被っていたのは嬉しい偶然だった。 「よし、ここで決まりだ」  花火大会が決定打になり行き先は静岡県に確定した。  旅行に行くのは2号店スタッフの他に普段呼び出しては入ったり出たりと協力してくれる旧友のジンギと今や店のスーパーアイドルであるシオリ。あと富士の社長が参加することになった。 シオリは旅行が好きだった。プロになったきっかけも沖縄旅行に目がくらんでという理由だったくらいだ。  シオリは(スタッフでもないのに私が参加していいのかしら?)とも思ったが自分以外にもスタッフではない人(ジンギのこと)もいるし女の子は女子バイトの子が2人参加していたので(ならいいか)と、遠慮なく参加を希望した。  反対番からは佐藤スグルと髙橋コウタロウの2名が参加した。強制にはしていないので残る2人は店内清掃という名目で留守番することに。上司や社長との旅行じゃ気を緩めることも出来ないから不参加が出るのも自然なことだった。  髙橋コウタロウはコテツやアキラと同世代だが丸々太っていてメタロウと呼ばれていた。それすら略さ
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その1 史上最強雀士コテツ編 第十九話 菩薩の中村

19. 第十九話 菩薩の中村  スキンヘッドの中村フジオさんが久しぶりに来た。 あのアキラから見逃したあとにロンされた小四喜被害にあった懐かしのおじさんだ。  中村さんはその日あまりついてなくてしっかり育てた手も不発に終わるものばかり。 「ついてないっすね。せっせと育てたのに」とアキラが言った、すると。「アキラくん、違うんだよ。育てたんじゃないんだ。育ってくれたんだよ。子育てと一緒さ。育てたつもりでいる親より育ってくれたと感謝している親の方がきっと多い。親に出来ることって本当に限られてて、結局子供の持つ自力に頼ることになるんだよ。麻雀も同じ。プレイヤーが出来ることなんてたかが知れてて育てたつもりでいるなんてのはおこがましいのさ。むしろテンパイしてくれた、ここまで楽しませてくれたことを感謝しないとな。だって勝ちに来てるんじゃなくて楽しみに来たんだからさ」 (はあ~、大人は違うなあ)とアキラはしみじみ思う。育てたんじゃなくて育ってくれただけ。大事なことを教わった気がした。  中村さんはその後も勝負手を続けざまリーチしては負けリーチしては負けを繰り返していたがゲームそのものは参加していて、中村さん的には楽しめていた。   5時間半経過  中村さんの調子は5時間半経過しても変わらない。ずっと負けが続いていた。スキンヘッドに脂汗が出て輝きが増している。そしてついに。 「さすがにつまんねえや!」と笑い、アキラにニッコリと(降参です)という意味の、眉毛を下げた諦めの表情を向けると「今日はやめだ」と言って帰ってしまった。それはそうだろう。  菩薩みたいなことを言っていたがその感覚が普通だとアキラは思った。むしろ、その素直な中村さんがまた素敵だなとも思うアキラなのであ
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