30. 第三十話 女王の命令 花火はまだ上がっていなかったが屋台が立ち並んでおり外は賑やかだった。 「すいませーんお兄さん、ビール2つ下さい!」「いらっしゃい! はい! ビール2つね!」 シオリが缶ビールを2つ買う。 「はいコテツくんお疲れ様」と缶ビールをコテツに渡すシオリ。 シオリに手を引かれるままぼーっとついていったコテツはビールの冷たさで我に帰った。 「乾杯!」 シオリと2人で缶ビールを開ける。コテツは滅多にアルコールを摂らないので久しぶりのビールだった。そして実はシオリも同じだった。普段はさっぱり呑まないシオリ。でも今日は祝杯を上げたい気分だったのだ。 「ねえコテツくん」「ん? 何」「このあいだ勝負した時に勝ったら話したかった話ってなんだったの」「ああ、あれ。今日も勝ったら聞くつもりでいたけど負けたしな」「いいよそんなの、自分のルール頑なに守るのってコテツくんの強さの源であり良さの1つだと思うけど私が聞きたいって言っている場合はべーつ! 女王の命令が聞けないのか!」とシオリが冗談を言ってくる。「それもそうか、じゃあ言っちゃうよ」「うん」 シオリは心臓がドックンドックン言っているのを感じていた。「あのさ……」 「待って! いや、いい。聞かせて……」 「あの、オレたちもうけっこう親しいでしょ?」 「うん」 「そろそろさ、連絡先を交換して欲しいんだけど」 「そんなことかーーーーー!」 思わ
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