Semua Bab 【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 伍: Bab 31 - Bab 37

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その1 史上最強雀士コテツ編 第三十話 女王の命令

30. 第三十話 女王の命令  花火はまだ上がっていなかったが屋台が立ち並んでおり外は賑やかだった。 「すいませーんお兄さん、ビール2つ下さい!」「いらっしゃい! はい! ビール2つね!」  シオリが缶ビールを2つ買う。 「はいコテツくんお疲れ様」と缶ビールをコテツに渡すシオリ。 シオリに手を引かれるままぼーっとついていったコテツはビールの冷たさで我に帰った。 「乾杯!」  シオリと2人で缶ビールを開ける。コテツは滅多にアルコールを摂らないので久しぶりのビールだった。そして実はシオリも同じだった。普段はさっぱり呑まないシオリ。でも今日は祝杯を上げたい気分だったのだ。 「ねえコテツくん」「ん? 何」「このあいだ勝負した時に勝ったら話したかった話ってなんだったの」「ああ、あれ。今日も勝ったら聞くつもりでいたけど負けたしな」「いいよそんなの、自分のルール頑なに守るのってコテツくんの強さの源であり良さの1つだと思うけど私が聞きたいって言っている場合はべーつ! 女王の命令が聞けないのか!」とシオリが冗談を言ってくる。「それもそうか、じゃあ言っちゃうよ」「うん」 シオリは心臓がドックンドックン言っているのを感じていた。「あのさ……」 「待って! いや、いい。聞かせて……」 「あの、オレたちもうけっこう親しいでしょ?」 「うん」 「そろそろさ、連絡先を交換して欲しいんだけど」 「そんなことかーーーーー!」 思わ
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牌神話【カラスたちの戯れ】その2 最善の敵アキラ編 第一話 冒険の始まり

31. 真面目なやつには真面目なやつなりの戦い方がある。 これは、真面目で謙虚が取り柄の男が真逆の性格の友人と共に高め合い成長し合い、自分だけの武器を洗練して麻雀界の頂点へと挑戦する物語である。 牌神話【カラスたちの戯れ】~麻雀青春物語~ その2 最善の敵アキラ編 【登場人物紹介】西川晃にしかわあきら通称アキラ主人公。堅実に丁寧に、誠実さが売りの珍しいタイプのメンバー。地道な努力を積み上げて麻雀界の頂点を目指す。東野百合子ひがしのゆりこ通称ユリコヒロイン。幼少期より完璧を演じる苦労人。アキラの理解者。南上虎徹なんじょうこてつ通称コテツもう1人の主人公。異次元のギャンブラー。読みの天才で高い集中力と歌記憶能力という特殊な能力を持つアキラのライバル。竹田慎一たけだしんいち通称シンイチ棋士。将棋界ではパッとしないが麻雀の腕はプロをも凌ぐ上級者。丸山圭一郎まるやまけいいちろう通称マルコテツの強さに惹かれた若者。チンピラ連中のリーダー格。  第一話 冒険の始まり 貯金が趣味で堅実派。それが西川アキラだった。 西川家は千葉県の奥地という少し進めば携帯電話の電波が入らなくなるほど緑豊かな土地にあり、アキラはその西川家の長男として生まれ育った。 子供の頃のアキラはお父さんっ子で休日はよく一緒に買い物について行った。 小学二年の頃、本屋へ立ち寄った時に父がなんでも一冊好きな本買ってやるぞと言うとアキラは『小学3年の算数』という算数問題集を持ってきた。これには父は笑ってしまった。どこまで真面目なんだか。まだ1年生の妹にですらこれは一生忘れない兄のエピソードとして記憶に残った。 勉強が好きなアキラは学習塾に通うのも楽しそうだった。四年生の時に塾で勧められてやってみた学力テスト
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その2 最善の敵アキラ編 第二話 初めての挑戦

32. 第二話 初めての挑戦  アキラは小説のあの一文を読んだ日から麻雀に対する姿勢が少し変わってきていた。今まではただ好きで時間が許す限りやっていた単なるパズルゲームに過ぎなかったが、もし小説に書いてあったこれが本当なら麻雀すら仕事に出来るということになる。 (そんな事が可能なんだろうか。野球やサッカーじゃあるまいし)  しかし、プロ雀士という存在があることは知っていた。知ってはいたが、その人たちが活躍する世界を見た事はないし麻雀という勝ったり負けたりのゲームにおいてプロを名乗れるほどアマチュアと力の差をつけるなんてことが本当に可能なのか疑わしくもあった。  仕事にする程強くなるためにはどうしたらいいか。アキラはゲームソフトの本格麻雀ゲームを購入し自分の戦績を知ることを始めた。敵を知り己を知れば百戦して危うからずとも言う。まず己を知ることが強くなるための初めの一歩であるとアキラは考えたのだ。  また、友達にたまに麻雀を誘われることもあり友人宅でリアル麻雀もぼちぼちやるようになった。  本気で考え集中して何ヶ月も本格ゲームをやり500戦を超えた所で知った自分の平均順位は2.27だった。 かなり強い。トップ取り麻雀ではないがラス回避率が尋常じゃない。真面目が取り柄のアキラらしい堅実な強さだった。 (もしかしたら自分には麻雀の才能があるのかもしれない)  アキラは自分の力を初めて自覚した。 麻雀漬けの学生時代は終わりを告げて高校卒業の時。 アキラは麻雀に明け暮れていてついに成績を極端に落とし絶対受かると思って受けた大学を落ちた。1つ受ければ充分だと思っていたので他の大学は受けておらず浪人生となる。  そして、それはついに雀荘へ行けるということでもあった。 &nbs
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その2 最善の敵アキラ編 第三話 史上最強を目指して

33. 第三話 史上最強を目指して  雀荘に入ると店内はまるでファミリーレストランのような明るくて賑やかな空間だった。そしてカレーの匂いがした。土曜日はカレーサービスデーだと言う事で今日は偶然にも土曜日。無料でカレーが食べれるらしい。 なんというか、想像してたのとはだいぶ違う。もっと薄暗くてけむりがすごいような店内で、蛍光灯がチカチカしてる中に黙々と男たちが牌を握っているのを予想していたが、店内は明るく賑やかで有線放送ではJ-POPが流れていて何よりキレイだった。 『富士』という昭和感の強いレトロな雰囲気を連想させる店名からは想像つかないくらいこの店は心地良い空間になっていたのだ。  ルール表には非常に簡単なことしか書いてなかったがそれがいいとも思った。要するに普通のルールだから書くことがあまりないという事。ルールなんて普通が一番いいに決まってる。真面目なアキラにとっては尚更だ。  待ち席に座るアキラに対してマネージャーは更に低くなってルール説明をしてくれた。一通りのルール説明が終わると卓に案内された。スキンヘッドの人とかもいて怖かったけどアキラに付き合って0.5の低レートでいいと言ってくれたから優しい人なんだと思ってアキラは少し安心した。  結局2回打って三着ラスとデビュー戦は惨敗。悔しいとまでは思わなかったけど、真面目なアキラはもっとこの人たちから学びたいと思うようになる。 「カレーでも食べるかい」  完全に打ちのめされたアキラを気遣ってマネージャーがサービスカレーを用意してくれる。アキラはちょうどお腹が空いていたのでそのカレーが尚更美味しく感じた。 気付いた頃には大学へ進学する気はもう完全に失せていて、雀荘で働くための履歴書と証明写真を次の日には用意していたのだった。  アキラは生まれて初めて両親の期待したものと違う道へ進んだ。反対されると思ったし、怒られるとも思った。だ
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その2 最善の敵アキラ編 第四話 アキラとユリコ

34. 第四話 アキラとユリコ  アキラには高校時代から付き合っている女性がいた。小中高と同じ学校の同級生で高校3年間同じクラスだった東野(ひがしの)ユリコ。 ユリコは成績優秀で容姿端麗。ツインテールなどの個性の出る髪型をしてもどれもとても似合っていて、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿はユリコさま。と言われるくらい美しく、可愛らしい女性だ。  ユリコは小学生の頃からずっと勉強に運動にと精一杯頑張る子供だった。班長や学級委員は必ず立候補したし引き受けた。普通じゃない良い子過ぎる子供。それには理由があった。 ユリコの母は知的障害者なのである。  ある日まだ小さかったユリコが幼稚園の帰り道で鉄クズを拾った。子供ならよくあることだ。だが、それを見ていた他の子の母が、なんで捨てさせないのかしら。これだから東野さんは…と、自分の母をけなしていたのを忘れられない。  母を大好きなユリコは自分の身の振り方ひとつで母が陰口を叩かれることを知り、それを恐れた。そして、母を守れる優れた子であろうと決意して必死になって生きていたのである。 それゆえ、容姿、勉強、運動と優れていても天真爛漫とは違い、どこか影があるユリコには近寄り難い雰囲気があり友人は多くはなかった。  中学生になったある残暑の厳しい日にユリコのおでこに少し大きめなニキビが出た。美しくあろうとするユリコにとっては大問題だったし、ユリコの完璧ぶりに嫉妬していた女子からはここぞとばかりにからかわれた。(嫌だなあ、前髪作ろうかしら)とため息をつくユリコにアキラは「何ため息ついてんの? あ、なんだニキビか。しかもちょうど真ん中。ビンディーみたいで素敵じゃんか。東野さんはニキビすらオシャレなんだな」と言った。「ビンディーって…… フフ! オシャレかなあ」「そういうのもアリだと思うよ。日焼けで褐色になってる肌に似合ってる」 
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その2 最善の敵アキラ編 第伍話 恋人認定

35. 第伍話 恋人認定  ビンディーの件以来アキラが気になるユリコは密かに恋心を抱いていた。  中学3年生になり高校受験の時期。ユリコとアキラは別のクラスに分かれていたが部活動でバスケットボール部のアキラとバレーボール部のユリコは同じ体育館を使うから毎日体育館の中央ネット越しに顔を合わせてはいた。  ある日、部活中にユリコは勇気を出してアキラに聞いてみた。 「あ、あのさ……西川くんはどこ高受験するの?」  聞くだけで心臓が破裂しそうだったが何とか質問できた。別に変な質問じゃない。単なる興味だという感じで聞けた。顔は真っ赤だったかもしれないが。 「白虎松陰に行くつもりだけど……」  それは近くの高校で偏差値もそこそこ高い高校だった。(やった。それなら自分も行ってもおかしくない所だ)「白松。そっ、そうなんだ、偶然ね~、私もよ。近いしね。じゃあ高校でもよろしくお願いします」「まだ、受かってないけどね。お互いに受かるといいね」「うん」 ──────  その後2人は見事に高校に合格して一緒に通うことになる。2人の学力があれば当然の合格だった。 「あのさ、東野さん」「なあに?」「同じ高校だし、朝は一緒に登校しない?」  アキラはちょっと勇気を出して誘ってみた。 ユリコは真っ赤になりながら。 「断る理由もないし、いいよ。一緒にいきましょ!」と内心嬉しいことをなぜか隠して毎朝2人で通学するようになるのだった。  ◆◇
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その2 最善の敵アキラ編 第六話 アキラ無限に勝つ

36. 第六話 アキラ無限に勝つ  高校生のアキラはまだユリコの事をよく知らない。家がどこかも何となくしか知らないし家族構成も知らない。ただぼんやりと好きだっただけなのだ。であるのに突然彼氏彼女になったことにやや狼狽していた。そして、あんなに美しく可愛いらしい完璧な女性の彼氏が自分なんかでいいんだろうか? とも思っていた。 何より気になったのはユリコには言っていないが自分は時間があれば麻雀ゲームをしている麻雀バカだ。それを受け入れてくれるだろうかということ。  一抹の不安を残したままアキラとユリコの交際は始まった。  アキラは自分より彼女を優先してお出かけや食事に行ったり水族館に行ったりとしていた。    ユリコとの時間を大切にするつもりで付き合った。だが、どの街を歩いていてもアキラは『麻雀』の看板が目に入るとつい気になって無意識に見てしまっていた。 「何見てるの?」 アキラが何かの看板を見ていることに気づいたユリコは尋ねてみるが。「ううん、なんでもないんだ」とアキラは教えてくれない。  ◆◇◆◇  ユリコは完璧主義なのでデートも夕方には確実に解散したしゲームセンターなどは明るい雰囲気の所。つまりプリンタ倶楽部やUFOキャッチャー系の所以外は行かなかった。不良であると噂されることを恐れているのだ。 その日アキラと遊びに行ったゲームセンターは1階にはUFOキャッチャーがズラリとあるが2階には通信対戦系ゲームがある作りだった。アキラが店内図を眺めてあることに気づく。(2F. ガンダル.麻雀闘技場3.トイレ)2階に麻雀がある。 「ちょっとトイレ行きたいから2階行っていい?」とアキラが言う。もちろんトイレは口実だ。「じゃあ私も」とユリコも2階について行く。そしてアキラはトイレから出るや否や小銭を用意していた。「ちょっと
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