หน้าหลัก / 恋愛 / 素直になるまでは、まだ / บทที่ 11 - บทที่ 18

บททั้งหมดของ 素直になるまでは、まだ: บทที่ 11 - บทที่ 18

18

第二話 イベント

社内の空気は、落ち着いていた。柳川と細木が付き合い始めたことは、周囲もなんとなく知っている。だが、柳川は変わらず上司として接していた。距離は保たれている。だから問題はない。その日の朝、柳川は珍しく上機嫌だった。ミーティング前から、どこか落ち着かない。書類をめくる手が少しだけ速い。細木はそれに気づいていた。.....何かある。理由は分からないが、機嫌が良さそうだというだけで、少しだけ気分が軽くなる。「来週末、社内旅行を計画します」ミーティングの中で、柳川が言う。「参加希望の方は、私までお願いします」事務的な口調。だが、どこか力が入っている。細木は、何も言わずに聞いていた。これまでも社内旅行には参加してきた。今回も、おそらく同じだ。隣で、真鍋が小さく身を乗り出す。「課長、最近ちょっと気合い入ってません?」くすっと笑いながら、細木に向けて言う。「細木さん、何かしたんですか?」細木は一瞬だけ考える。心当たりはない。だが、悪い気はしない。「そうね、頑張られてるわね」そう答えながら、口元だけが少し緩む。真鍋はそれを見逃さない。「やっぱり何かあるじゃないですか」軽い調子で笑う。細木はそれ以上は答えない。「旅行かあ……」誰にも聞こえない声で、細木が呟く。「行きたいな」少しだけ間を置いて、「課長と」自分でも驚くほど、小さな声だった。一方で、柳川には明確な思惑があった。今回、自ら社内旅行の企画に入ったのは偶然ではない。行き先を決められる。その一点のためだった。限られた予算の中で、選べる場所は多くない。それでも、決めていた。行きたい場所がある。連れて行きたい場所がある。愛媛県松山市。柳川が生まれ育った場所だ。海も、街も、空気も、覚えている。その中でも、ひとつだけ。どうしても見せたい場所があった。「温泉もありますし、無難ですよね」誰かが言う。「いいですね、道後とか」話は自然にまとまっていく。道後温泉反対する者はいない。予算にも収まる。条件は揃っていた。企画は、そのまま通った。参加者のリストの中に、細木の名前がある。柳川はそれを確認して、鼻息ぐ荒くなっていた。まだ何も始まっていない。ただ、場所が決まっただけだ。それでも十分だった。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-21
อ่านเพิ่มเติม

第三話 案内係

松山に到着してからも、柳川に休む時間はなかった。幹事としての段取り。その合間に、管理職としての仕事。「はい、承知しました。来週半ばには仕上げます」片手にスマートフォン、反対の手にはビール缶の袋。松山空港から道後温泉の宿までのバスの車内は、ほとんど柳川の声で埋まっていた。宿に到着してから「夕食は十八時からになります。それまで自由時間です。各自、楽しんできてください」解散の合図と同時に、人が散っていく。その中で、柳川は細木の方へ向き直る。「一緒に行きたい場所があります。行きませんか」いつもと少し違う口調だった。細木は一瞬だけ言葉を失う。「……はい」思ったより素っ気ない返事になった。タクシーに乗り、十五分ほど。降りた先は、寺だった。四国霊場の石手寺「お寺、ですか」細木が少し首を傾げる。「何か、景色とか有名なんですか」柳川は小さく首を振る。「僕の地元なんです。松山は」それは初めて聞く話だった。「ここは……思い出が多い場所で」少しだけ言葉を選んでいるように見えた。「細木さんを、お連れしたかったんです」その一言で、十分だった。「行きましょう」そう言って、柳川は自然に手を取った。一瞬、遅れる。だが拒まなかった。そのまま歩き出す。入口の石碑の前で、柳川は足を止める。由来を丁寧に説明する。細木は聞きながら、思う。......詳しい。「詳しいですね」そう言いかけたところで、「次はこちらです」遮られる....。完全に柳川のペースだった。そのまま歩き出す。速い。ハア…。少し、速すぎる。ハアハア…。尋常じゃなく速い。ハアハア…。土産物屋も、名物の店も、そのまま通り過ぎる。手は繋がれたままなのに、距離がある。「細木さん、この門の像は…」息が上がる。吐きそうだ。「あっ……」ようやく気づいたのか、柳川が振り返る。「大丈夫ですか」大丈夫ではない…。死にそうだ。到着して、まだ数分だ。「もう少し、ゆっくり……お願いします」言ったあとで、少し後悔する。柳川は、はっとした顔になる。すぐに手を離し、額に手を当てる。「すみません……少し、はしゃぎすぎました」視線を落とす。分かりやすい。そのまま握っていればよかったのに、と細木は思う。「では、ゆっくり案内してください」代わりに、腕を組んでみた。私は必ず報復する女だ。柳川は固まる。顔だけが赤い。表情は妙に真面目で、余計に可笑しい。第四話 約束境内をゆっくり歩く。今度
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-21
อ่านเพิ่มเติม

第四話 約束

境内をゆっくり歩く。今度は、きちんと歩幅が合っている。一通り案内したあと、細木はお守りを差し出した。「事故のこともありましたし……これを」柳川は受け取る。そして柳川から細木にと「これを。」健康祈願。自分は特に不調はない。年だから?不貞腐れた顔をしながら「ありがとう…ございます…。」その顔に気づいたのか、柳川は慌てて言う。「お母様に、と思いまして」思わず、笑ってしまう。優しさの使い方が少しずれている。「よく来ていたんですか」細木が聞く。柳川はうなずく。「この近くで、祖母と伯母が店を出していて」視線が、少し遠くを見る。「長期休みは、よく手伝いに来ていました」「大事な場所だったんですね」「はい」短い返事。だが、それで十分だった。「そのお店は、今も?」細木が尋ねる。柳川は少しだけ歩き出す。「こちらです」案内された場所には、もう店はなかった。古いまま、空いた場所だけが残っている。柳川はその入口を見つめる。会社では見せない表情だった。やわらかくて、少しだけ寂しい。「夏は、この寺で祭りがあって」静かに話し始める。「祖母が、手を引いてくれて」「伯母も、優しい人で」言葉がゆっくりになる。「約束していたんです」少しだけ間を置く。「好きな人ができたら、連れてくるって」「もう二人とも、いませんが…。」そこで一度、言葉が途切れる。「……その約束で、連れ回してしまって」少しだけ、申し訳なさそうに笑う。細木は、何も言わない。ただ、腕を組んだまま立っている。この腕は絶対にほどかない。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-21
อ่านเพิ่มเติม

第五話 柳川の過去

柳川の話は、どれも子どもじみていて、面白かった。店の前に置かれた古いベンチに並んで座る。「伯母が飼っていたトミーって犬がいまして」懐かしそうに笑う。「裏山に散歩に連れて行ったとき、リードが外れてしまって」「もう見つからないと思って、必死に探したんです」汗だくになって、山の中を走り回ったらしい。「どう言い訳しようか考えながら帰ったら……」「店で、普通に留守番してました」細木は思わず笑う。くだらない話のはずなのに、ちゃんと情景が浮かぶ。「伯母は、本当に優しい人で」ふと、口調が変わる。さっきまでの軽さが消える。「昔、ニュースで……」少しだけ言葉を選ぶ。「飛行機の事故があったとき」細木はうなずく。「カタカナの名前がずっと流れてて、それが怖くて」「震えていたら、後ろから抱きしめてくれて」視線が、遠くに向く。細木は黙って聞いていた。この人の“優しさの形”が、少しだけ分かる気がした。誰かにしてもらったことを、そのまま返す人だ。「細木さんは」柳川がふと、こちらを見る。「旅行の間、お母様は大丈夫ですか」視線がまっすぐで、少しだけ強い。「こういうときは、施設にお願いしてます」細木は答える。「母も、その方が楽しそうで」柳川は小さくうなずく。何も言わない。ただ、聞いている。その静けさが、少しだけ心地いい。目が合う。すぐに逸らす。.....今なら。細木は、そう思った。聞いてもいい気がした。踏み込める気がした。「柳川さんは」声に出してから、少しだけためらう。「以前、ご結婚は……」一瞬、空気が止まる。柳川の視線が揺れる。ほんのわずかに。「……はい」短い返事。「していました」それ以上は続かない。沈黙が落ちる。柳川は少しだけ視線を外し、何かを言いかけて、やめる。代わりに、立ち上がった。「そろそろ、戻りましょうか」いつもの口調に戻っている。細木も立ち上がる。何も聞かなかったことにするように。何も言わない。並んで歩く。さっきまでと同じ距離。同じはずなのに、少しだけ違う。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-21
อ่านเพิ่มเติม

第六話 道後の夜

夕食を終えたあと、道後温泉に入った。 湯上がりのまま、浴衣で外へ出る。 商店街はまだ明るく、人も多い。 今回の参加者は十五名ほど。 顔なじみばかりで、気を遣うこともない。 賑やかな時間のはずだった。 細木は、うまく笑えなかった。 さっきのことが、頭から離れない。 聞くべきではなかった。 待てばよかった。 自分から話してくれるまで。 たった一言が、重く残っている。 夕食の味も、覚えていない。 一人で歩く。 下駄の音が、やけに響く。 行き先も決めずに進んで、気づけば時計台の前にいた。 「細木さん」 名前を呼ばれて、振り返る。 柳川が立っていた。 浴衣姿で、少しだけ息が上がっている。 「皆さんは、飲みに行かれました」 歩いてくる。 下駄の音が近づく。 「僕は飲めませんので……細木さんを探していました」 その言葉で、胸の奥が揺れる。 言わなければ。 謝らなければ。 あの質問のこと。 でも、言葉が出てこない。 口を開いてまた閉じた。 何も言えない。 涙が落ちた。 自分でも驚くくらい、あっさりと。 止まらない。 どうして泣いているのか、自分でもよく分からない。 ただ、止まらない。 柳川は、何も言わなかった。 一歩だけ近づく。 少しだけためらってから、 細木を抱き寄せた。 強くもなく、弱くもない。 ただ、離さないだけの力で。 人通りはある。 視線もある。 それでも柳川は離さなかった。 細木も、何も言えないまま。 そのまま、しばらく動けなかった。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-21
อ่านเพิ่มเติม

第七話 優しさの代償

柳川は、細木の肩からゆっくりと手を離した。 「……少し、歩きましょうか」 返事を待たずに手を取る。 道後公園まで、ほとんど会話はなかった。 堀の水面が、夜の光を揺らしている。 ベンチに並んで座るが、少しだけ距離がある。 しばらく、沈黙のまま座っている二人。 やがて柳川が口を開いた。 「……結婚していたことがあります」 細木は顔を上げない。 細木はただ、小さくうなずく。 「一年も、続きませんでした」 短い言葉。 それ以上は続かない。 「大学の頃からの付き合いで」 「気が合って……そのまま」 言葉は淡々としている。 「家のことは、分けていました」 一度、間が空く。 「……でも」 視線が、堀の水面に落ちる。 「気づいたら、ほとんど自分でやっていました」 小さく息を吐く。 「喜ぶかと思って……」 少しだけ間。 「それで、うまくいくと思っていました」 細木は何も言わない。 「……違いましたが」 その一言だけ、わずかに重い。 沈黙。 遠くの笑い声が、逆に静けさを強くする。 柳川は続ける。 「子どもの頃、両親が離婚して」 唐突だった。 「しばらく、松山に預けられていました」 視線は上がらない。 「先程の石手寺の祖母宅です」 細木の肩が、ほんの少しだけ動く。 「祖母と伯母が面倒見てくれてました」 「……優しい人たちで」 言葉が、ゆっくりになる。 「帰る場所があるって、こういうことかと思っていました」 少しだけ間が空く。 「だから」 言いかけて、止まる。 その続きを飲み込む。 代わりに、別の言葉を選ぶ。 「ある日、言われました」 声は、静かだった。 「優しさって、押しつけられると苦しいの」 夜に、その言葉だけが残る。 細木の指先が、わずかに動く。 「……意味が、分かりませんでした」 柳川は続ける。 「今も、完全には分かっていないと思います」 正直な声だった。 「ただ」 少しだけ息を吸う。 「また繰り返すのかと怖くて…。」 初めて、細木の方を見る。 すぐに視線を逸らす。 「……怖いんです」 小さい。 「また、気づかないうちに」 「相手を、苦しめてしまうんじゃないかと」 それ以上は言わない。 静寂が落ちる。 柳川は、下を向いたまま。 顔は見えない。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-21
อ่านเพิ่มเติม

第八話 貴子の決意

柳川の言葉が、途切れる。それ以上は、何も出てこなかった。沈黙が落ちる。細木は、しばらく顔を上げなかった。堀の水面を見たまま、何かを整理するように息を整える。やがて、細木が小さく口を開いた。「……ずるいですね」責める響きはない。反応しない柳川。ただ、下を向いたまま動かない。「そんな話をされたら」少しだけ、言葉を探す。「もう嫌いになれないじゃないですか」柳川の肩が、わずかに揺れる。細木は続ける。「優しさって、押しつけられると苦しい」ゆっくり、なぞるように言う。「……分かる気がします」一度、言葉を切ったが、「でも」その一言に、少しだけ力が入る。「それで全部、間違いになるとは思いません」柳川の指が、わずかに動く。「少なくとも私は」視線を上げる。「その優しさに、救われました」静かだった。飾りのない声だった。「必要なときに、必要なことを言ってくれたのは」「柳川さんです」細木は今まで二人の時間を思い出している。「必要なら駆けつける」「手を握ろうといつもグーパー、私を気遣ってくれてた。」「あの手紙は優しさが滲み出てました」「私は柳川さんの優しさの代償で大好きになりました」細木は、少しだけ息を吐く。「……だから」言葉を選ぶ。迷いながら、それでも選ぶ。「怖いなら、そのままでいいです」柳川の呼吸が、わずかに乱れる。「繰り返すかもしれないなら」「そのとき、私が言います」強くはない。でも、はっきりと。「ちゃんと、言います」沈黙。逃げない言葉だった。柳川は、顔を上げない。ただ…ぽたり、と音がした。膝の上に、雫が落ちる。一つ、また一つ。柳川は積を切った様に涙が溢れだす。止めようとしても、止まらない。細木は、ゆっくりと距離を詰め、そっと、柳川の手に触れた。固く握りしめられていた指を、少しずつほどく。柳川の抵抗はなかった。そのまま、包む様に。「……大丈夫です」小さく言う。誰に聞かせるでもなく。柳川は、声を出さなかった。ただ、肩だけが震えている。押し殺した呼吸が、わずかに漏れる。細木は何も言わない。手を離さない。それだけで、十分だと思った。道後の夜が、静かに二人を包んでいた。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-21
อ่านเพิ่มเติม

最終話 それって…

柳川圭介は、バスの中で一人、頭を抱えていた。「……どうしてこうなった」小さく呟く。昨日のことを思い出す。石手寺。約束は果たせた。そこまでは、よかった。問題は――「……号泣だ……」深く息を吐く。あんなに泣いたのは、いつぶりだろう。しかも、人前で。それもよりによって……。細木貴子の前で。手を握られたまま、泣き続けていた。思い出すだけで、顔が上げられない。「はぁ……」ため息が漏れる。そのとき、社員たちがバスに乗り込んできた。「おはようございます」「昨日飲みすぎました……」「課長、どちらに?」返す余裕はない。視線を窓に逃がす。そこへ…「おはようございます」いつもより、少しだけ明るい声。細木だった。隣の席に、迷いなく座る。席は、いくらでも空いているのに。柳川は固まる。バスが動き出す。「さっき売店で買ってきたんですけど」細木が差し出したのは、小袋。「ごぼうチップです。食べます?」「……あとで」力のない返事。「そうですか」気にした様子もなく、細木は窓の外を見る。「あ、松山城ですよ」指をさす。「……知ってます」「住んでましたから」自分で言っておいて、また沈む。この温度差は何だ。横を見ることができない。細木は、そんな柳川を気にする様子もなく続ける。「また来たいですね」ふとこぼれた言葉。柳川は窓を見たまま、「……はい」とだけ返す。沈黙。耐えきれず、口を開く。「次は……他の場所も案内します」「任せてください」言った瞬間、視線が合う。逸らす。遅かった。細木が、くすっと笑う。「是非、お願いします」やわらかい声だった。やがてバスは空港に着く。降りたところで、細木のスマホが鳴った。「はい……ええ、大丈夫です」「夕方に迎えに行きますので」「母を、よろしくお願いします」通話を終える。日常に戻る音がした。柳川が言う。「……また、日常ですね」「そうですね」短いやり取り。柳川は、何気なく言った。「僕も、いずれ介護が必要になったら」「細木さんにお願いしようかな」言ってから、気づく。遅い。細木の動きが止まる。「……え」空気が、変わった。頭の中で、自分の言葉を反芻する。……やらかした。完全に、それだ。柳川は黙る。視線を逸らす。何も言えない。細木は、少しだけ俯いたあと、小さく笑った。「いいですよ」間を置いて、「柳川課長のケアは、私がします」顔は上げない。だが、
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-21
อ่านเพิ่มเติม
ก่อนหน้า
12
สแกนรหัสเพื่ออ่านบนแอป
DMCA.com Protection Status