8年の恋より秘書を選ぶ?同窓会で結婚を大発表
同窓会の最中、学級委員長が当時それぞれ書いたタイムカプセルの手紙を取り出し、皆の前で読み上げ始めた。
斉藤瑞樹(さいとう みずき)の番になると、彼の手紙にはこう書かれていた。
【早く菊地瑠夏(きくち るか)を妻に迎えられますように】
周囲の同級生たちは一斉に囃し立てた。
「今頃とっくに結婚してるんだろ?どうして俺たちを結婚式に呼んでくれなかったんだよ」
瑞樹が答えるより先に、彼の隣に座っていた女性が笑顔で口を挟んだ。
「彼は今、うちの社長なのよ。起業で忙しいから、結婚する暇なんてないわ。
これ以上変に結婚を急かして、社長の邪魔をしたら、ただじゃおかないからね」
野村澪(のむら みお)。学生時代、瑞樹がひどく嫌悪していた、彼に異様なほど執着していた女性であり、現在は彼の秘書を務める女だ。
瑞樹はそれを否定することなく、ただ私の肩を抱き寄せ、相変わらず優しく微笑んでいた。
私はその腕をすり抜け、皆に向かって静かに微笑みかけた。
「来月の初めに結婚式を挙げるの。みんな、ぜひお祝いに来てね」
澪の顔色は瞬時に青ざめ、目を赤くして瑞樹を見つめた。
瑞樹は眉をひそめ、うつむいてスマホを取り出した。
次の瞬間、私のスマホが振動した。
【体裁を気にして同級生に嘘をつく必要はないだろう。今は起業の重要な時期なんだ。結婚はもう少し待ってくれ】
私は画面を消し、返信はしなかった。
私は嘘などついていない。
来月の初めに、私は間違いなく結婚する。
ただ、花婿は彼ではないだけだ。
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