やり直した私は、迷わず角膜を手放した
運転免許を取ったその足で、私は病院へ向かい、角膜の手術を受けた。
前世では、入学初日、恋人の藤原航(ふじわら わたる)の幼なじみである高梨茉莉(たかなし まり)が、私の車を勝手に持ち出した。
クラスメイト3人を乗せ、学校近くのショッピングモールへ向かった茉莉は、市街地で暴走した。赤信号を何度も無視した末、横断歩道を渡っていた妊婦と高齢の男性をはね、2人の命を奪った。
ところが3人のクラスメイトは、逃げた運転手は私だったと口をそろえた。
警察に逮捕されたとき、私は必死に訴えた。
運転していたのは茉莉だ、と。
けれど茉莉は、航の腕の中に飛び込み、まるで被害者のような顔で言った。
「璃子さん、私のことが嫌いなのは分かってる。でも、だからって罪をなすりつけるなんて、ひどすぎるよ」
すると航は、私の車に取りつけてあったドライブレコーダーを差し出した。
映像の中で人をはね、うろたえながら逃げていた運転手は、どう見ても私だった。
「柳沢璃子(やなぎさわ りこ)。お前はまだ反省もせずに、他人に罪を着せるつもりか」
その映像を見た遺族は怒り狂い、私に刃物を向けた。
私は18回も刺され、その場で息絶えた。
そして再び目を開けると、私は茉莉が私の車を持ち出す前日に戻っていた。