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第52話 学院の女王様(3)

Auteur: 酔夫人
last update Date de publication: 2026-06-04 14:27:39
昼休みを告げる鐘が鳴る。

実花は教科書を閉じるとゆっくりと席を立った。

その瞬間から周りの視線を感じ、それは教室を出ても変わらないどころか増えたほどだ。

ひそひそと交わされる声。

慌てて逸らされる目。

今朝の智花との一件が学院中に広まっていることは明らかだった。

(さすがはご令嬢養成学校)

噂話は社交界での貴婦人の武器。

令嬢たちは貴婦人の卵であり、学校であっても情報伝達の速さだけなら一流企業の社内ネットワークにも負けないかもしれない。

そんなことを考えながら実花は苦笑した。

.

階段を下り、学食へ向かう間も注目は途切れなかった。

その視線は単純な好奇心だけではなく、戸惑いと探り合いの色も徐々に濃くなる。

実花にはその理由が分かっていた。

今朝、智花の前で恒一と婚約することはないと宣言した。

その言葉が真実ならばこの学院の女王が変わる。

藤宮家の一人娘であり、学業成績も常に首席。元々の地位だけを見れば実花は誰もが認める頂点。

しかし長年、自らその立場を曖昧にしてきた。

恒一の従妹である智花に配慮し、彼女を自分よりも上位だと周囲に示し、彼女が自分に代わって女王のように振る舞うことを黙認し
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