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5話 溺れる

Author: 子猫
last update Petsa ng paglalathala: 2026-01-19 15:09:39

2週間前、2人は久しぶりに親密な行為をしていた。

国外の出張から帰った暁春は、玄関に出迎えた優希を激しく求めた。まずは玄関で、そのままリビングのソファへ、そして抱き抱えながら主寝室…の扉横で。最後の方は疲れて記憶が途切れているが、壁に押さえつけながら揺さぶられた優希は腕も足も限界で、落ちないように必死に暁春にしがみ付いていたのは覚えていた。

「そのかさぶたが彼女の爪で剥がれたんでしょう。」

「…そうなの…」

優希は思い出したその情交と、先程の取り乱した自分を思い出し耳まで赤くして俯いた。その赤い耳たぶを暁春の長い指が弄ぶ。

「あなたの体に傷をつけた事と、う…たがったこと、ごめんなさい。」

「疑ってたんですね、俺の事。」

小さく笑いながら言う暁春に見つめられると、優希は居心地が悪そうに体を動かした。

「ゆうちゃんは俺を傷つけないから、この背中の傷は嬉しいです。」

モゾモゾしていた優希の動きがピタリと止まる。

「…大事な人に痛い思いはさせたくないから…」

「ゆうちゃんは優しいですからね。」

会話の内容におかしな所はないのに、優希だけ顔色が悪かった。甘かった空気も消え去っていた。

「あっ」

突然、気まずそうにしていた優希の後頭部に大きな手が触れ、強く前に押し出された。

驚いた優希の声はすぐに暁春の口内に飲み込まれていった。思わず暁春の肩を押すも、その手も難なく押さえ込まれ、ただ口内を暴く舌技に翻弄されていた。

1度冷めた熱が再び沸き起こって来ると、優希の塞がれた口の奥から僅かに甘い声が漏れでる。おしりの下に硬い感触を感じると、その先の快感を思い出し、無意識に腰が揺れる。暁春の腰もそれに合わせるかのように軽く突き上げられ、直接触れ合っていないのにまるで1つになっているかのような錯覚に、優希の体が大きく震えた。

息を整えるまもなくソファに押し倒された。

「待って、私話したいことがっ」

「黙って」

お腹の子のことを思い出した優希が焦って口を開くも、暁春が遮りキスをする。

「あぁ、眼鏡がないからゆうちゃんの綺麗な目が良く見えますね。」瞼にキス。

「俺のためにこんなに素敵な格好をしたんですね。」鎖骨にキス。

「ゆうちゃんの白い太もも、俺の前だけ出してくださいね。」太ももの内側にキス。

全身に優しくキスをされ、だんだんと思考がぼやけてきた優希の耳元に暁春が顔をよせた。

「結婚4年目、おめでとうございます。俺の事、ずっと愛していてくださいね。」

熱を含んだ掠れ声に優希のお腹の奥が重くなる。暁春から与えられる熱にとうとう溺れた優希は、目の前の比類ない美しい顔をうっとりと見つめながら、その首に腕をまわした。

結局その夜は妊娠のことは伝えられず、優希は気絶するように眠りに落ちた。

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