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第685話

Author: タロイモ団子
雅乃は微笑むだけで何も答えなかったが、その態度だけで答えは十分に伝わっていた。

清彦は腹立たしさを押し殺しながら、素早くタブレットにサインを書き込む。

これでユニフォームの件も、ようやく一件落着した。

雅乃の笑みは、先ほどよりもいくぶん自然なものになっていた。

「このたびは当スタジオをご利用いただき、ありがとうございました。おかげさまで良いお取引となりました」

心の中では、そっと毒づく。

――どうか、次はもう二度とお取引することがありませんように。

清彦は、目だけはまったく笑っていない作り笑いを浮かべた。

「安心しろ。俺も実に楽しく取引させてもらったよ」

最後の数文字だけを、わざとゆっくり引き延ばすように口にする。

タブレットを持つ雅乃の手がぴたりと止まった。

それでも表情ひとつ変えず、その言葉の裏にある意味など分からないふりを貫く。

清彦はギリッと奥歯を噛み締めた。

まったく、どこまでも冷酷で情け容赦のない女だ。

雅乃は淡々と追い出しにかかった。

「もうご用件がお済みでしたら、お引き取りください。こちらはまだ仕事が残っていますので」

清彦は口元を歪める
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