Masuk女の子拾いました――。 ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!? 主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。 しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? えっちしまくり(16+範疇)のラブラブ物語!
Lihat lebih banyak頭痛ぁ~……。また呑みすぎちゃった。
酒癖が悪いのが、私の欠点。てか、ハダカじゃん!
ほんと、飲むと記憶
はて、何か違和感。隣で寝息が……?
視線を向けると、これまたネイキッドな女の子が、気持ちよさそうに爆睡中!?
ど、どうしよう! どうしたらいいの!?
◆ ◆ ◆ 「えーと、事情を教えてくれるかな?」「いや、事情も何も、おねーさんから声かけてきたんですけど」
眼の前で、正座してるショートカットの女の子は、今年二十歳になったかどうかぐらい。
さすがに、互いに着替え済み。
彼女は、ちょっと地味めのスカートルック。かといって、オシャレ心がないかといえば、ちゃんとあって。
「あー、オトナとして恥ずかしいんだけど、昨日飲み屋行った後のこと覚えてないんだわ……。よければ、教えてくれないかな?」
今日は土曜で、職場は休み。というわけで、この子の素性を問いただすことに専念する。
「はあ。……それじゃ、わたし視点で、今に至るまでを説明しますね」
◆ ◆ ◆ わたしは、行くあてもなく、駅高架下の、路傍の縁石に座っていた。あてもない、お金もない、無い無い尽くし。
そんなとき、上機嫌で歩いてくる、おねーさんを見かけたのです。
酔っぱらいかー。関わらないほうがいいかなーと、思っていたけれど。
「よーう! そこな少女! 表情暗いなー!」
絡まれてしまった。どうしよう。
「どうした! 家出か何かか! よっしゃ! おねーさんが面倒見ちゃる! うちに来ーい!」
ドンと胸を叩くおねーさん。
どう見ても酔っ払いだけど、今のわたしには渡りに船。
「お願いします!」というと、おねーさんはタクシーを捕まえました。
そして、このマンションに連れてこられ、なし崩しに
声が震える。
「はい。初めてでしたけど、優しくしてもらって……」
ぽっと照れる彼女。慌てて布団をめくると、果たして
スマホを手繰り寄せる私。
「あの、おねーさん、何を!?」
「ケーサツ! これじゃ私、ユーカイ犯じゃない! 身の潔白を説明しないと……」
「それだけはやめてください!」
彼女が、スマホをひったくろうとする。
「家に……家に戻るぐらいなら、死んだほうがマシです!」
「よくわかんないけど、そうもいかないでしょ!!」
しばし、大格闘。
私のスマホは、彼女にひったくられてしまった。
「あー、もう! どーすりゃいいのよ!?」
交番に駆け込む? でも、変な噂が立ったら困るなと、はたと気づく。
「あの、一生のお願いです! わたしをここに置いてください! 家事でもなんでも、しますんで!!」
土下座する彼女。う~ん……。
「せめて、素性を教えてよ。このままじゃ話しにくいし。私は、市役所勤務の
「
深々と頭を下げる彼女。ふつつかものって、私、受け入れるとか一言も言ってないよ!?
しかし……うーん、私の名前に合わせた偽名とも受け取れる、デキすぎた名前だけど。
確認・通報しようにも、両方のスマホはハルちゃんの手の中。かといって、
すると、ぐうとお腹が鳴った。時計を見ると、お昼を回ってる。
「お腹空いたでしょ。テキトーに、スパゲッティーでもつくってあげるから、それ食べたら帰ってね」
「あの! わたしに作らせてください! ウデに自信アリなんで!」
ほんとかな? とはいえ、「家事でも何でもする」という言葉は、偽りではないようだ。
「ふーん。じゃあ、お手並み拝見。えっと、調味料はここで……。冷蔵庫のものは、何でも使っていいから」
「お任せください!」
テキパキと調理体制に入る彼女。
すごいな。傍から見てても、鮮やかなお手並み。
途中、ポッケのスマホをこっそり奪還しようと試みるけど、素早くガードされてしまう。むむむ。反射神経いいなあ。
「できました!」
そんなことをやっているうちに、カルボナーラの出来上がり! 美味しそ~。
「いただきます」
二人で合唱。
ん! 美味しい! 自分で作っても、こんな美味しくならないのに!
「すごい! 美味しいよ、コレ!」
「お褒めに預かり恐縮です。仲の良かったメイドさんから、教えてもらったんです。茹で汁に塩を多めに入れるのがコツなんですよ」
上機嫌で応える彼女。……って、メイド!? ナニモノなの、この子……?
「ごちそうさま」
美味しかった~!
「さ、そろそろスマホを返し……」
バッとポケットをガードされる。困ったね。
……しゃーない。テレビでも見るか。
「葵ハルさん、失踪事件の続報です。アオイグループ会長、葵吾文《あおい・ごもん》さんの一人娘、ハルさんの失踪から一日が経ちました。警察では事件の可能性も考慮し……」
思わず、横でにこにこ笑顔の彼女を見る。テレビの手配人物そのものだ。アオイグループといえば、超大企業……!
「かーえーしーなーさーいー!」
「やーだー!」
二人で、スマホの奪い合い。
まずいな。こうして大騒ぎしてるだけでも、ご近所様の耳目が……。
そして、先に息切れするのは、年上の私のほう。
「お願い……私の立場も考えて……私、一介の市役所職員なのよ……」
肩で息しながら、彼女に乞う。惨めだけど、変な嫌疑とか、かけられるわけにいかない。
「わたしだって、一介の会長令嬢です……! 何の力もないけれど、親の敷いたレールに乗って生きるのは、もうイヤなんです……!」
向こうも、息も絶え絶えに反論。親の敷いたレールに反発するご令嬢か……。こんな、マンガから抜け出してきたみたいな子が、現実に存在するとは。
そのとき、不意にチャイムが鳴った。
「一旦休戦。隠れてて」
小声で言うと、ハルちゃんはトイレに隠れました。
「はい、どちら様でしょう?」
「F警察署の者です。少し、お話を伺いたいのですが」
ギャーッ!! 速攻特定された!?
どうしよう? どうしたらいいの!?
断るのも怪しいし。
ええい!
「はい、どういったお話でしょうか」
意を決して、平静を装いつつ、ドアを開けると、二人組の男性が立っていた。
「どうも。私、こういう者です」
名刺代わりに、警察手帳を見せてくる。私服だから、刑事さん? うわ~……。モノホンですよぉ……。
「葵ハルさん失踪のニュースは、ご覧になりましたか?」
うーん、ここはしらばっくれてもなあ……。
「はい。先ほど」
「それは話が早い。実はですね、昨夜あなたそっくりの女性が、ハルさんと思しき女性と、タクシーでどこかへ行ったという証言を得ましてね。で、ご自宅を突き止めまして。少し、お話を聞かせていただければと」
ドキーン! やばい! 絶対にやばい!!
「えーとですね……その……」
まずい。私、嘘がつけない性格なのよーッ!!
刑事さんたちが頷きあう。
「お寛ぎのところ恐縮ですが、署までご同行願えませんか?」
ひいっ!
「ちょっと待ったぁーッ!」
そこに、トイレのドアをバーンと開けて、のしのしとやってくる張本人!
「たしかに、わたしが葵ハルです。このおねーさんは、誘拐犯とかじゃありません! わたしが、自分の意志で、こちらにお邪魔しているんです!」
この急展開に、私も刑事さんも困惑!
アイコンタクトを送り合う彼ら。
「そういうことでしたら、未成年でなし、我々はどうにもできませんね。ただ、お父様にご報告はさせていただきますが、よろしいですか?」
「どうぞ、ご勝手に!」
腕組みして啖呵を切るハルちゃんに、「やれやれ」といった様子で肩をすくめて、刑事さんたちは帰っていきました。
「というわけで、よろしくね、おねーさん!」
至極明るい調子で、肩をポンと叩いてくる彼女。
なんか、私の意思に反して、どんどん引き返せなくなっていくぅ~!
この先、どうなっちゃうんだろー? とほほ。
ひゅうと、秋風が紅葉の葉を運びながら、私の頬をなでていく。 思えば、ハルちゃんと出会ってから、ちょうど一年か。「どーしたんです、おねーさん?」 恋人つなぎで、庭を一緒に散歩していた彼女が、声をかけてくる。 庭では、紅葉の葉が紅に染まっていた。「ん? 出会ってから、ちょうど一年だなあと思って」「もう、そんなになるんですね。大人になると、時間の過ぎ方があっという間になるっていいますけど、ほんとなんですね」 ハルちゃんも、目を細めて、柔らかくなった秋の日差しを見上げる。「あのときは、びっくりしたよ。朝起きたら、私もハルちゃんもネイキッドで寝てるんだもん」「あはは。本当に、お姉さんのワザ、ステキでした」「もーう、そういうこと言わないの。恥ずかしいじゃない」 口をとがらせて拗ねると、彼女が一層、愉快そうに笑う。「会長令嬢と知った時は、愕然としたっけなあ。まるで、漫画のヒロインかと思ったよ」「漫画のヒロインって、そうなんです?」「ものによってはね。それにしても、警察だの吾文さんだの押しかけてきた時は焦ったなあ」 愛しの彼女に、そっと肩を寄せる。「あの頃は、まだお父様と仲が険悪でしたからね」 彼女も、肩を寄せてきた。「お父様が倒れられて、幸か不幸か、父娘仲が改善しましたけど。……いや、幸と言っちゃいけないですね。でも、お父様、ずいぶん丸くなりました」「そうだね」 私も、ずいぶんな言われようをしたっけ。「そのしばらく前だよね。ミドリさんとハルちゃんが、ばったり再会したのは」「はい。あのときは、心臓が爆発しそうでした。二度と会えないと思っていたミドリさんが、眼の前にいるんですもん」 あれは本当に、偶然に偶然が重なった。たまたま映画を見に行って、たまたまピアノを弾いて、たまたまミドリさんが聴いていて。「おねーさんが必死にミドリさんを止めてくれて、助かりました。おねーさんがいなかったら、ミドリさんは私の手から、するりとすり抜けてしまうところでした」「詩的な表現だね」 詩といえば、ハルちゃんとユキさんは、デビューに向けて、仕事と両立しながら、必死に頑張ってる。すごいな。「ありがとうございます。でも、まさか公式二股とか、おねーさんから言い出すとは思いませんでしたよ。さすがに、びっくりしました」「あはは
結果発表をまんじりともせず待つ日々。公式HPによると、審査が長引いているらしい。 仕事を終え、バスの中でツイスターを見ると、ついに結果発表が! 急いで公式HPに飛ぶと……最優秀賞……じゃない、優秀賞……でもない。じりじりと不安な気持ちで、画面を下にスクロールしていく。 あったあああああああ!! 審査員特別賞! たしか、募集時にはなかった賞のはず。賞金なし。プロデューサーがつき、デビューに向けてサポートします……だって。うーん、急遽設けられた末席かあ。 ちょっと残念な気持ちで帰宅すると、ハルちゃんとミドリさんが、笑顔で出迎えてくれました。「ちょっと惜しい結果だったね。もっと上、狙えると思ってたんだけど。でも、入賞は入賞だ!」 励ますつもりでそう言うと、「何仰るんです! 大金星ですよ!」と、聞き覚えのある声が。 ハルちゃんのスマホからだ。「だそうですよ、おねーさん!」 笑顔で画面を向けてくるので見てみると、興奮気味なユキさんが映っていた。「あのですね。賞レースの世界で、初めての投稿作が入賞なんて、自分で言うのもなんですけど、天才の所業ですよ!?」「そうなんですか?」「はい! 私も、小説賞で一次選考での落選を、何度繰り返したかわかりません。……初めての受賞が、小説ではなく歌っていうのがあれですけど、万々歳です!!」 へー。「これをお父様に伝えたら、今度こそ、心の底から喜んでくれてですね! 今度の日曜、真の祝賀会をしようって話になりました!」「おおー! おめでとう!!」 大学を続けるかどうか悩んでいた、ハルちゃん。思い切って音楽の道に進んだわけだけど、ピアノ講師以外の道も見えてきたわけだ。「いやー、印税でウハウハになったりするかなー?」 なんて青写真に思いを馳せていると、「いや、それは夢見すぎですね」と、一転して冷静なユキさん。「少なくとも小説だと、受賞後デビューしても、働きながら、副業として執筆活動する人がほとんどです」「意外と、渋い世界なんですね」「ですよ。売れっ子なんて、万に一人……いや、それ以下の選ばれし人なんですよ。音楽も、同じだと思いますよ」 ほんと、厳しい世界なのねえ。でも、地方公務員も、世間様が思うほど恵まれてないから、そんなもんか。「まあ、何にしても祝賀会楽しみですね!」 ウ
「ただいま戻りました~」 今日も、お仕事頑張ったー! というわけでお屋敷に戻ると、ハルちゃんとばったり出くわした……というか、待ち構えていて、「おねーさん!」と、子犬のように抱きついてきました。 季節も春になり、福祉課自体は変わらないけど、別地区の担当になりました。こうしないと、不正する職員、悲しいけどたまにいるからね。実際、昔、岡山で問題になったらしい。「危ない、危ない! どーしたの、そのテンション?」 危うく倒れ込みそうになり、彼女を制する。「すみません。それでですね! 完成したんですよ、歌が!」 そういえば、そろそろ締切だっけ。「おー、そりゃめでたいね! ハルちゃん、頑張った!」 頭をなでてよしよしすると、「えへへ~」ととろけるお嬢様。かわいい。「吾文さんも、さぞ喜んでくれたでしょう?」「それがですね、『まだ入賞したわけではない。気を引き締めなさい』って塩対応で、お母様に、『こういうときは、素直に祝ってあげてくださいな』って、たしなめられてました」 はは。本当に、不器用な父親だなあ。大病して以降、ずいぶんカドが取れたんだけどね。「でもとりあえず、祝賀会を開こうって言ってくれて、お屋敷のみんなでパーティーすることになりました!」「おー、そりゃ楽しみだねえ!」 吾文さんも、リハビリのかいあって、杖が必要だけど、少しは歩けるようになっている。「はい! もちろん、ユキさんも招かれてますよ」「いつやるの? さすがに今日じゃないよね?」「今度の日曜です!」「りょーかーい! ところでお風呂入りたいな」「じゃあ、一緒に大浴場行きましょうよ!」 目をキラキラさせる彼女。「ミドリさんは、まだお仕事?」「はい」「じゃあ、お風呂はハルちゃんと二人っきりかあ~」 ひさびさかな、これも。 というわけで、楽しく流しっこするのでした。 お腹も空いてるし、さすがにリスキーなので、それ以上はしなかったけどね! ◆ ◆ ◆「今日は、不肖の娘、ハルが……」「あなた、ハレの場で、娘を不肖などというものではないですよ」「こほん。我が娘ハルが、賞向けの歌をご友人と完成させた記念に、気が早いが、祝賀会を開かせてもらった。日頃の奉仕に報いる意味もあるので、今日は大いに呑み、食べ、楽しんでほしい」 奥様に、最近ツッコミを入れられがちな吾文さんの挨拶
どうも、最近オフは、やることがなくていけない。お掃除もお洗濯も、メイドさんたちがやってくれるしなあ。かといって、またメイドイン私……逆か。ま、それはちょっと辛いと理解できた。 というわけで、競馬中継など見ていたわけだけど、スターランサーが有馬で怪我し、療養中になってしまった。予後不良とかじゃなくてまだよかったけど、寂しいな。 もう一頭の推し、マリアージュベーゼも、パッとしない戦績が続いている。さっきも、六着に終わったところだ。高松宮では、ビシッと決めてほしいけどなー。 なんとも、気が沈みますなあ。 なんか、今日は視聴気分じゃないや。そういや、今日ミドリさんオフだっけ。たまには、ハルちゃん抜きでミドリさんと絡んでみようかな?「ス~マ~ホ~!」 某猫型ロボットの物真似をしながら、コール。「はい? どうされました?」「いやー、手持ち無沙汰だし、メイドさんのお手伝いは、私には無理だと悟ったんで、たまにはミドリさんと、なにかしようかと」 首筋をもみながら、提案する。テレビばっか見てたら、首凝っちゃったよ。「そうですね……読書も、目が疲れましたので、小休止中でして。構いませんよ」「じゃあ、とりあえず、私の部屋で」「かしこまりました」 冷蔵庫から炭酸水を取り出して飲んでると、ノックとともに「私です」と、ミドリさんの声が。「いらっしゃ~い。入って、入って!」「お邪魔します」 彼女が入ってくる。「さーて、ミドリさん。呑みましょうか!」「ええ!? 唐突ですね? というか、屋敷のお酒を勝手に開けるわけには……」 高級酒ばかりですもんね。「ノンノン。私の私物~。自分用に、こつこつ買い溜めてるんですよ」 と、クラフトビールを二缶出す。「おつまみも、ありますよ~。いきましょうよ!」 乾き物を、色々取り出す。「そうですね、久しぶりにこういうのも、悪くないかもしれません。お嬢様がいらっしゃらないのが、残念ですが」「一時間ぐらい前、ピアノ室覗いてみたら、ユキさんとかなりガチな話してましたよ。邪魔しないほうが、いいかもしれませんね」「左様ですね。では、二人で呑みましょう」 「そうこなくっちゃ!」と、ビールグラスを出し、慣れた手付きで注ぐ。美味しさを引き立てる白い泡が、シュワッと膨らむ。「乾杯!」 グラスを打ち鳴らし、ごくごく。