【ほかの可愛い女の子たちの楽屋裏が見たいの。デザイナーが袖口をどうデザインしたかなんて話、興味ないんだけど】【夢実ちゃんって、一見おとなしそうな陰キャ顔なのに、しゃべり出したら止まらないタイプだったんだね】【さっき通り過ぎたショートカットの女の子、めちゃくちゃ可愛かった!カメラマン、少しはその重い腰を上げて追いかけてよ!】【もうお経みたいな解説はお腹いっぱい!かわいい女の子たちをもっと映して!】生配信のコメント欄では不満の声が次第に大きくなり、一時は五千人を超えていた同時視聴者数も、あっという間に三千人まで落ち込んでしまった。いくら事前に夢実の所属先から撮影の便宜を頼まれていたとはいえ、ここまで露骨な身内贔屓を続けていては番組として成り立たない。何より、周囲のブランドスタッフたちも口には出さないものの、あからさまに不快そうな視線を向けていた。自分を「芋っぽい」などと揶揄するコメントが目に入っても、夢実は眉一つ動かさず、完璧な営業スマイルを崩さなかった。「はーい、楽屋ツアーはここまでです。これ以上の見どころは、ぜひステージの上で、里緒さんの素敵な着こなしと一緒にお楽しみくださいね」彼女がそう締めくくると、カメラマンは待っていたとばかりに即座にカメラを切り替えた。カメラが自分たちから離れた瞬間、夢実の顔から笑みがすっと消え、わずかに表情が曇る。しかし次の瞬間にはすでにプロの顔へ戻り、里緒のために水を一杯注いでそっと手元へ置いた。「里緒さん、本番はよろしくね。今日のファッションショーには、海原のそうそうたる名士の奥様方がたくさんいらっしゃるらしいの。特に『メタモルフ』と『TK』、二大グループの奥様方は、ご年配ではあるけれど、こういう伝統的なスタイルを取り入れたお洋服への造詣がとても深いって聞いているわ。里緒さんが私のドレスを着てステージに立てば、きっとあの奥様方の目にも留まるはずよ」その言葉を聞いた瞬間、里緒の瞳の奥が妖しくきらりと光った。「……あまり期待しないでちょうだい。私はただ、あなたが作った服を着て歩くだけなんだから」実のところ、里緒は夢実の、やたらと装飾ばかりが目立つデザインにまったく魅力を感じていなかった。しかし、彼女が口にした「メタモルフ」と「TK」の夫人たちとなれば話は別だ。どちらも業
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