久美子も当然、分かっている。ただ彼女は、遥と湊の間にはすでに結衣がいるのだから、次にもう一人男の子が生まれればなお良い、と考えていただけなのだ。最初に女の子、次に男の子という「一姫二太郎」の構成こそが、最もバランスが良くて理想的だと。だが、遥は全くそうは思っていなかった。久美子はさらに尋ねた。「じゃあ、湊さんはどうなの?男の子が欲しいとは思ってないの?」ちょうどその時、湊が帰宅してリビングに入ってきた。久美子は慌てて口をつぐんだ。遥はすかさず、彼に向かって問いかけた。「湊、あなたはこの子、男の子と女の子、どっちがいい?」靴を脱ぎながら、湊はさらりと答えた。「どっちでもいい。娘なら最高だ。息子ならまあ、悪くないかな」その口ぶりは、まるで男の子なら仕方なく受け入れてやる、とでも言いたげに聞こえた。久美子は目を丸くした。「男の子じゃダメなの? じゃあ、家業の引き継ぎはどうするの?」正男と自分の会社は遥がそのまま継いだため、久美子はそれについて何一つ不満を言わなかった。しかし、今度は九条家が「跡取り問題」で遥を責めるのではないかと、勝手に気を揉んでいたのだ。彼女は心臓に持病を抱える身だ。遥も、そんな母とこれ以上無益な口論をする気はなかった。湊が立ち上がり、歩きながら答えた。「家業なら、すべて結衣に継がせるつもりです。男の子でもいいんですが、一番重要なのは、この数ヶ月間、遥を苦しめない大人しい子であってほしいということだけです。それならどっちでも構いません」女性は、自らの胎内に命を宿した瞬間から、その子に対する愛情が芽生え始める。だが男性の多くは、実際に自分の腕に子供を抱くまで、親としての実感が湧きにくいものだ。湊にとって、まだ見ぬお腹の子供よりも、結衣や遥の存在の方が遥かに重かった。彼はただ、この子が遥をあまり苦しませないことだけを祈っていた。久美子はすっかり返す言葉を失ってしまった。「私はね、遥に性別を診てもらったらどうかって……」「お義母さん、それは結構ですよ」「……」この二人は、ある意味では驚くほど息がぴったり合っている。「じゃあ、子供の名前はどうするの?もう考えてあるの?」湊は席に座り、口角を上げて答えた。「ええ、もう決めてあります
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