これでようやく、本当に彼女を救える……!家族の説得に成功し、今また愛する女性の心を取り戻せた。まるで世界中のすべてが、自分たち二人のために見えない後押しをしてくれているような奇跡的な巡り合わせを感じた。もう絶対に、この手を離すものか。彼女を苦しめるあらゆる理不尽から、今度こそ自分が全力で盾となって守り抜くと、州は静かに、しかし強烈に誓ったのだった。一方、その頃。拝島グループの本社では、颯馬が着実に自らの地盤を固めつつあった。入社して以来、複数の主要プロジェクトに参画し、早くも中心的な役割を果たしている。裏にどんな思惑が潜んでいようと、その有能さは疑いようがなかった。海外で長年培ってきた専門知識と手腕は本物であり、だからこそ大役を任されているのだ。息子の社内での足場が固まったと見るや否や、父である宏は颯馬の母親を伴って海外から帰国した。今回の帰国の最大の目的は、兄の正人と合流し、今後のグループ体制について最終的な協議を行うことだ。颯馬が入社して十分な時間が経った今、そろそろ明確な結果を出さなければならない。どんな手を使ってでも颯馬に後継者の座を掴ませる必要があった。拝島の血を一滴も引いていない「よそ者」の律に、これ以上会社を牛耳らせておくわけには絶対にいかないのだ。宏の帰国を受け、正人たちはすぐさま密会の場を設けた。ここ最近、会社のあらゆる実権を律に掌握され、苛立ちと焦りで頭を抱えていた正人にとって、宏の帰国はまさに藁にもすがる思いだった。「宏、待ちくたびれたぞ!一体何度連絡したと思ってるんだ」顔を合わせるなり、正人は身を乗り出して捲し立てた。「例の件、そろそろ本腰を入れて進めるぞ。颯馬も会社に馴染んできただろうし、内部の事情ももう完全に把握した頃合いのはずだ」息継ぎもそこそこに、正人は期待に満ちた声で言葉を続ける。「それに最近、母さんの体調もすこぶる良くてな。颯馬が帰国してからというもの、毎日嬉しそうにしてるんだ。全部颯馬のおかげじゃないか。だからこそ、今があいつに会社を継がせる絶好のタイミングなんだよ。俺から母さんに直接掛け合ってみるつもりだ。颯馬をトップに据える話なら、絶対に乗ってくるはずだからな」正人がここまで鼻息を荒く急き立てるのには、明確な理由があった。颯馬が実権を握り次第、正
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