いっそのこと、真正面から想いをぶつけたほうがいい。もし咲夜が受け入れてくれなくても、受け入れてくれるまで口説き続ければいいだけだ。大したことじゃない。誠意を尽くせば必ず心は動く。いつかきっと、咲夜も自分の本気に気づいてくれる――そう千暁は信じていた。だが、今朝の告白のあと、咲夜がくるりと背を向けて立ち去ったことだけは、どうにも理解できなかった。もし拒絶されたのなら、まだ分かりやすい。その場合は、しつこいくらいに想いを伝え続ければいいのだから。一方の咲夜も、自分に向けられた千暁の視線に気づいていた。頬がわずかに熱くなり、気まずそうに視線を逸らす。今朝の告白を経験したせいで、目の前の千暁にどんな態度で接すればいいのか分からなくなっていた。できることなら、今すぐ地面に穴を掘ってその中に逃げ込みたいくらいだった。その頃もなお、詩乃は智之と言い争っていた。「智之、私のことは放っておいて。少しくらい息をつく時間をくれない?このあと咲夜さんと買い物に行くんだから、ついてこないで」そう言うと、詩乃は咲夜の腕に自分の腕を絡めた。「咲夜さん、行こ」その態度からは、智之と話し合う気がまったくないことがはっきり伝わってくる。咲夜はまず詩乃を見て、それから相変わらず微笑みを浮かべている智之に視線を向けた。智之は優しい眼差しで詩乃を見つめている。「行っておいで」その声には、どこか諦めにも似た苦笑が滲んでいた。詩乃は唇をきゅっと結ぶと、そのまま咲夜の腕を引いて立ち去っていった。千暁は、智之がまだ詩乃の後ろ姿を見つめているのを見て、からかうように言った。「もう姿も見えなくなったのに、まだ見てるのか?またケンカでもしたのか?」智之はようやく視線を戻した。その瞳の奥には複雑な感情が沈んでいる。それを見た千暁は意味ありげに眉を上げた。「本当に、あの頃の真実を話すつもりはないのか?このままずるずる引き延ばして、いつになったら想い人を手に入れるんだよ」長年、智之と詩乃の関係を見てきた千暁は、本気でやきもきしていた。言いたいことを胸にしまい込み、相手に誤解されたまま放置する。そんな面倒なことを続けているのは、この男くらいだ。すると智之は口元を吊り上げ、すぐさま反撃した。「それ、自分のことを棚に上げて言ってるのか?だ
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