瞳は今日、本来そのことを咲夜に話すつもりだったのだ。危うく忘れるところだった。それを聞いた咲夜の顔にぱっと笑みが広がる。「瞳って本当に私の福の神だね!」こちらから送った友だち追加は完全に音沙汰なしで、相手は見向きもしない状態だった。もともと咲夜は、今は詩乃もチームを率いて会社に加わったことだし、「千野千鶴」が見つからなければ、ひとまず保留にしてもいいと考えていた。以前は焦っていた。ファッションショーの開催が目前に迫っているにもかかわらず、手元にはデザイン画すらなかったのだから。特に、ショーのトリを飾る目玉作品についてはなおさらだ。詩乃の加入によって、その差し迫った問題はひとまず解決された。それでも咲夜は、もう一度「千野千鶴」を探してみたいと思っていた。もし彼が花江グループに加わってくれるなら、それに越したことはない。今の会社には新しい風が必要だった。瞳は気にした様子もなく手をひらひらと振る。「そんなに好きにならなくていいって。大したことじゃないし。じゃあ、早く休んでね」そう言って咲夜に早めの就寝を促すと、そのまま二階の部屋に戻っていった。軽やかに跳ねるような足取りで去っていく瞳の背中を見送りながら、咲夜は思わず苦笑する。本当に、あの子は感情の切り替えが早い。咲夜はスマートフォンを取り出し、メッセージアプリを開いた。そこには大量の友だち追加通知が並んでいる。すべて琉安からだった。今夜の彼はどうかしてしまったかのように、執拗に瞳を探しているようだった。メッセージは送れず、電話もつながらない。その時点で、琉安は自分が瞳にブロックされたことに気づいた。仕方なく、咲夜の連絡先を探し出した。瞳と咲夜の仲が良いことは知っていたからだ。だがまさか、咲夜にも電話番号をブロックされていたとは。その時、新しい友だち追加通知が届く。【花江さん、どうか友だち追加申請を承認してください。瞳と連絡が取れなくて、本当に心配なんです。お願いです、承認してください】その内容を一瞥した咲夜は、そのまま画面を閉じた。琉安が瞳に何の用があるのか、興味はない。だが、彼のやり方には強い嫌悪感を覚えていた。両家からの圧力に耐えられず別れを切り出したのは彼の方だった。それなのに今もなお、友人と
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