久世物産の月次進捗確認は、予定よりも静かに始まった。会議室に並んだ資料は、以前より少なくなっていた。それは問題が減ったからではない。見るべき項目が絞られ、誰が何を進めるのかが整理され始めたからだった。KUZÉ ma vie縮小実行。在庫処分進捗。EC導線改修。取引先説明状況。決裁フロー見直し。経費処理ルール改定。銀行向け月次報告。森川が画面に実行管理表を映す。空欄だった進捗欄には、少しずつ言葉が入っていた。未着手。進行中。完了。保留。次回対応。その四つの区分だけで、久世物産の空気は以前と違って見えた。検討中という便利な言葉は、表の中から少しずつ減っていた。代わりに、日付と担当者と、次に何をするかが入っている。まだ立ち直ったわけではない。在庫は残っている。取引先への説明も、すべてがうまく進んでいるわけではない。KUZÉ ma vieの縮小に対する社内の戸惑いもある。怜央の権限見直しも、完全に定着したとは言えない。それでも、久世物産はもう、沈んでいく理由を見ないふりする段階を過ぎていた。美緒は、リブランシュの席で資料に目を落としていた。今日は、細かい診断をする日ではない。進み始めたものを、進み続ける形に整える日だった。森川が報告する。「限定ボックス追加生産停止については、制作会社との精算条件が確定しました。既存在庫はギフト用途に限定し、通常商品への使用は行いません」長谷川が頷く。「損失見込みは」「経理で一次試算済みです。月次報告に添付します」次に浜口が、取引先説明の進捗を報告した。「優先対応先のうち、東雲醸造を含む三社へ訪問済みです。条件見直しについては一部厳しい意見もありましたが、今後の商品提案とEC支援の改善を前提に、継続協議となっています」宗一郎は、黙って資料を読んで
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