震災から三日ほど経った。不思議なことに、これだけの規模の大地震にも関わらず余震は一切なく、生き残った住民たちによる創作活動が比較的速やかに行われていた。 「おーい。誰かいねぇか?」 そんな声が荒地と化したアクアストールにこだまする。 「ここらはもう誰もいねぇみたいだな。」 「そうか。生きてるやつはみんな避難できたみてぇだな。」 「だと良いんだけどよ。まだ顔見てないやつも大勢いるみたいだしな。」 「うちの母ちゃんもまだ見つかってねぇんだわ。」 「大丈夫。きっと生きてるさ。」 住民たちの声が、荒野を闊歩している。瓦礫の下に埋もれた死骸の山を見ると、実態が骨身に伝わってくるようで、よほどの精神力がなければ目を開くこともままならないであろう。そして震災の影響が具現化されていくにつれて、無傷の宮殿サウンズロッドへの不信感は漂っているように感じる。あれだけの規模の地震にも耐えた構造、いや、まるでそこだけ何事もなかったかのような違和感。誰も口にすることはないが異様な光景であることに間違いはない。三日経った今も、中枢からの指示や労いなどは一切なく、それが不信感へと繋がっているのだろう。しかし暗黙の了解なのかは解らないが、口に出して文句を言う者は一人もいなかった。なんとか生き延びた命をそんなことのために失いたくはないのだろう。 「ここらは特にひでぇな。」 「あぁ。」 救助活動に勤しんでいた住民たちは、両手を合わせ追悼の意を込めた。 「まるでアルテミスだな。」 一人の男がそう言うと、皆は揃って暗い顔をした。スカーデッド王国は元々戦争とは無縁の国だったのだが、フェルト王国との大戦の後、諸外国からも一目置かれる軍事国家との認識となっている。しかし実態は、人力を必要としない独立した機械による戦争スタイルだったため、国民は戦争を知らない。それでもアルテミス大橋の悲惨な姿は目に焼き付いており、今のアクアストールの現状がリンクしてしまったのだろう。 「やれやれだ。とりあえず瓦礫の下に誰かいねぇか探そうぜ。」 「あぁ。気が滅入りそうだ。」 「そう言うな。誰かがやんねぇといけねぇんだ。だったら動ける俺らがやらねぇと。」 男がそう言うと、もう一人の男はサウンズロッドを睨むように見ながら答えた。 「こんな時にいったい何をしてるのだか。」 「ばか。滅多なこと
Last Updated : 2026-06-30 Read more