妻の愛人にクビにされた僕。実は大財閥の御曹司
僕・江崎徹(えざき とおる)が飛行機を降りた直後、妻の美月(みづき)が昔から想い続けていた男と結婚式を挙げるという投稿が目に入った。
急いで会社へ向かったが、エレベーター前で人事部長に止められた。
「あなたは今日付で解雇です。成果も出せない社員を会社に置いておくつもりはありません」
思わず眉をひそめた。ここはそもそも僕の会社のはずだ。
「美月の指示か?」
「ふっ。社長があなたなんかに構うわけないじゃないですか。白川さんの指示ですよ」
あまりのことに、思わず笑ってしまった。いつから白川秋人(しらかわ あきと)が美月の代わりに物を言うようになったんだ?
「二人はどこだ?」
「お二人なら最上階のパーティ会場にいますよ。もっとも、あなたには関係ありませんけどね。あそこは社内でも限られた人しか入れませんから」
僕は黙って人事部長を突き飛ばすと、社員証を取り出し、認証端末にかざした。
「ピッ。最高管理者権限を確認。認証が完了しました」