แชร์

第165話

ผู้เขียน: るるね
last update วันที่เผยแพร่: 2026-07-26 23:51:43

 そこまで一気に言い終えると、湊斗は返事を待たず、そのまま電話を切ってしまった。

 本当に急いでいたのだろう。

 紗月はスマートフォンを耳に当てたまま、通話の切れた無機質な電子音をしばらく呆然と聞いていた。

 湊斗の言う「送る」が、自分の家まで慎一を送り届けるという意味だったとは思ってもいなかった。

 半信半疑のまま待っていると、ほどなく玄関のチャイムが鳴る。

 扉を開けた先には、酒に酔って足元もおぼつかない慎一を支える湊斗の姿があった。

 その光景を目にして初めて、湊斗が口にした「帰る場所」が、この部屋のことだったのだと理解する。

 湊斗は見るからに焦っていた。

 少し前に結婚したばかりの彼は、本当なら今夜も早く帰宅し、妻と穏やかな時間を過ごすはずだった。

 慎一に付き合って酒を飲んでいなければ、とっくに家へ帰っていたに違いない。

 そのため、紗月が不本意そうな顔で扉を開けても、湊斗は短く素早く挨拶をしただけだった。

 そして慎一の身体を紗月へ預けると、逃げるような勢いでその場をあとにする。

 廊下の向こうへ消えていく湊斗の背中は、あっという間に見えなくなった。

 慎一の身体からは
อ่านหนังสือเล่มนี้ต่อได้ฟรี
สแกนรหัสเพื่อดาวน์โหลดแอป
บทที่ถูกล็อก

บทล่าสุด

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第166話

    「あなた、酔ってないじゃない……! どいて!」 紗月が必死に抵抗すると、慎一はようやく少しだけ身体を引いた。 頬はうっすら赤く染まっている。酒を飲んでいたのは間違いないのだろう。「悪い。バーで少し寝ちまったみたいでさ。気づいたら湊斗がここまで連れてきてた」「だったら、もう帰って」「酒を飲んでるんだ、紗月。運転なんてできない。一晩くらい泊めてくれてもいいだろ」 まるでそれが当然だと言わんばかりの口ぶりだった。 朝倉グループを率いる若き社長。 社内では誰もが一歩引いて接し、その一言一言で空気さえ変えてしまう男が、高級なスーツ姿のまま玄関へ座り込み、「一晩くらい泊めてくれてもいいだろう」と平然と言っている。 その姿には、普段の威圧感も冷徹さもない。 あるのは、自分の思いどおりになるまで帰るつもりのない、子どものような頑固さだけだった。「嫌。早く帰って」 紗月は考える素振りも見せず、迷いなく言い切った。 あまりにもあっさりとした拒絶だった。以前の紗月なら、困ったように眉を下げながらも、最後には自分の言葉を受け入れていたはずだ。 そんな変化がどこかおかしくて、慎一の口元がわずかに緩む。 そのまま何気なく玄関へ目を向けた慎一は、視線を止めた。 玄関の隅には、見覚えのない若い男物のスニーカーが一足、きちんと揃えて置かれている。 その靴へ吸い寄せられるように視線が留まり、かすかに浮かんでいた笑みは音もなく消えていく。 代わりに宿ったのは、冷え切った静かな眼差しだった。「……誰のだ」 不意に問われ、紗月は一瞬きょとんとする。 だがすぐに、慎一が見ているのは玄関へ揃えて置かれた優介のスニーカーだと気づいた。「誰の靴かなんて、朝倉社長には関係ありませんよね」「関係ないから、泊められないのか」 慎一は靴から目を離さないまま、低く問い返す。「もう、別の男がいるから?」 責めるような口調だった。 紗月は、その声音に一瞬だけ息を詰める。 まるで時間が巻き戻ったようだった。まだ夫婦だった頃でさえ、慎一がこんなふうに問い詰めてきたことは一度もない。 束の間、思考が止まる。 けれどすぐに現実へ引き戻された。 もう自分たちは夫婦ではない。 慎一に、自分のことを問い質す資格などない。「ええ、そうだと言ったら?」 紗月はまっすぐ慎一を見返し

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第165話

     そこまで一気に言い終えると、湊斗は返事を待たず、そのまま電話を切ってしまった。 本当に急いでいたのだろう。 紗月はスマートフォンを耳に当てたまま、通話の切れた無機質な電子音をしばらく呆然と聞いていた。 湊斗の言う「送る」が、自分の家まで慎一を送り届けるという意味だったとは思ってもいなかった。 半信半疑のまま待っていると、ほどなく玄関のチャイムが鳴る。 扉を開けた先には、酒に酔って足元もおぼつかない慎一を支える湊斗の姿があった。 その光景を目にして初めて、湊斗が口にした「帰る場所」が、この部屋のことだったのだと理解する。 湊斗は見るからに焦っていた。 少し前に結婚したばかりの彼は、本当なら今夜も早く帰宅し、妻と穏やかな時間を過ごすはずだった。 慎一に付き合って酒を飲んでいなければ、とっくに家へ帰っていたに違いない。 そのため、紗月が不本意そうな顔で扉を開けても、湊斗は短く素早く挨拶をしただけだった。 そして慎一の身体を紗月へ預けると、逃げるような勢いでその場をあとにする。 廊下の向こうへ消えていく湊斗の背中は、あっという間に見えなくなった。 慎一の身体からは濃い酒の匂いが漂っている。 相当飲んだのだろう。湊斗から引き渡された途端、慎一は全身の体重をそのまま紗月へ預けてきた。 酒の匂いと体温が一気に押し寄せ、空気まで熱を帯びてしまったように感じる。 胸の奥までむせ返るような酒気に包まれ、息をすることさえ苦しかった。「朝倉社長……ちょっと……!」 どこへ連れて行けばいいのか分からない。 だからといって、このまま部屋へ上げることにも強い抵抗があった。 紗月は玄関先で慎一を支えたまま、途方に暮れて立ち尽くす。 迷っている間にも、慎一の身体は少しずつ重さを増していくようだった。 やがて支えきれなくなり、紗月は慎一を抱えたままずるずると床へ崩れ落ちる。 二人はそのまま玄関へ座り込むような格好になった。 倒れた拍子が悪かったのか、慎一はなおも紗月へ覆いかぶさるようにもたれかかったままだ。 紗月は何とか抜け出そうと、身をよじった。けれど、慎一の体重に押さえつけられ、思うように身動きが取れない。  何度も抜け出そうともがくうちに、腕も身体も少しずつ力が抜け、疲労ばかりが募っていく。 不意に、耳元で小さな笑い声がした。 紗月はは

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第164話

     紗月はスマートフォンを手にしたまま、しばらくその場に立ち尽くしていた。 手の中では着信を知らせる振動が途切れることなく続いている。 それでも出ることができずにいるうち、やがて呼び出し時間が長すぎたためか、震えはようやく止まった。 もう慎一からかかってくることはないだろう。 そう思ったのも束の間、数秒もしないうちに再びスマートフォンが鳴り始めた。 今度、画面に表示されていたのは見覚えのない番号だった。「……もしもし?」 紗月はわずかにためらいながらも、通話ボタンを押した。すると電話の向こうで、相手が明らかに安堵したように息をつく。 聞こえてきた声には覚えがあった。 しばらく顔を合わせていなかった、湊斗の声だった。 紗月が電話に出たことがよほど嬉しかったのか、湊斗の声は少し弾んでいる。「よかった。さっき慎一のスマホから一度かけたんだけど、出なかったから、今度は俺の番号からかけてみた。変に思わないでね」「……桐生さん?」「覚えててくれたんだ。よかった。紗月さんがあのプロジェクトを外れてから、ずっと残念だったんだ。最近はどうしてる? 会社も辞めたって聞いたよ。本当はうちに来てもらえたらって思ってたんだけど、慎一から別の仕事が決まってるって聞いてさ」 思い出したように「あ」と声を漏らし、続ける。「それより、紗月さんが慎一の奥さんだったなんて、本当にびっくりしたよ。もっと早く知ってたら、あの時ちゃんと挨拶したのに」 湊斗と慎一は昔から親しい仲だった。 それでも慎一が紗月のことを口にしたことは、一度もない。 湊斗が知っていたのは、慎一が結婚しているという事実だけだった。 何気なく夫婦の話題に触れようとするたび、慎一は露骨に機嫌を悪くし、表情まで険しくなる。 そんなことが何度か続き、湊斗も夫婦のことだけは慎一にとって触れてはいけない話題なのだと悟った。 それ以来、自分からその話を持ち出すことはなくなっていた。 紗月が慎一の妻だったと知ったのは、今日になってからだ。 慎一に誘われ、二人で酒を飲んでいた席で、ようやく本人の口から打ち明けられた。 最初は、ここまで徹底して隠していた慎一に文句の一つでも言ってやろうと思っていた。 湊斗は紗月と一緒に仕事をしたことがある。それなのに、慎一は一言も教えなかった。 責められて当然だと思った。

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第163話

     耳元では、姉のことを口にしたせいで再び悲しくなったのか、優介が小さくすすり泣いていた。 紗月は優介の背中へそっと手を添え、心配しなくても大丈夫だと静かに宥めながら、その名前について知っていることを頭の中で一つひとつ辿っていく。 男の名前は、早出明。 傘下にはいくつもの上場企業があり、いずれも国境を越えて事業を展開している。グループ全体の企業価値も相当なもので、経営破綻寸前の会社を救えるだけの資金力は十分にあるはずだった。 どこかで聞いたことのある名前だと思い、紗月は記憶を探り続ける。 しばらくしてようやく、慎一の口から早出社長という名前を聞いたことがあるのを思い出した。 早出グループと朝倉グループは、確か密接な協力関係にあったはずだ。 胸騒ぎを覚えた紗月は、慌ててスマートフォンを取り出し、二つの企業名を並べて検索する。 案の定、簡単に調べただけでも、両社が共同で進めている事業について報じた経済記事がいくつも表示された。 紗月の顔から、さっと血の気が引いた。 全身の血が一気に頭へ上ったような感覚に襲われ、指先まで冷たくなっていく。「紗月お姉さん、大丈夫ですか?」 紗月の表情が変わったことに気づいた優介は、泣くのを止め、今度は心配そうに彼女の顔を覗き込んだ。「あ……うん。大丈夫よ、優介君」 そう答えながらも、紗月の両手はスマートフォンをきつく握りしめていた。 画面に映っているのは、早出グループと朝倉グループの共同事業に関する最新の記事だった。 そこには、その事業の中核となる研究開発を両社が共同で担っていると書かれている。つまり、二つの企業の利害は、今後さらに深く結びついていくということだ。 紗月には、専門的な経営や投資の話までは分からない。それでも、胸の奥で膨らみ続ける不安を抑えることはできなかった。 今朝、慎一から持ちかけられた、契約夫婦などという馬鹿げた取引を断った。 そのとき慎一は、あとで後悔するなと言わんばかりの言葉を残している。 そしてその日の夜、凛子の身にこんなことが起きた。 もしこれがすべて偶然なのだとしたら、あまりにも出来すぎているのではないか。「……優介君。縁談の話が決まったのは、いつ頃なのか分かる?」 紗月に尋ねられ、優介は事情が飲み込めないような顔で首を横に振った。「父さんがずっと、姉ちゃんの結婚

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第162話

     優介の言葉を聞いた瞬間、紗月は何を言われたのか理解できなかった。 慌ててソファから立ち上がる。 心臓が嫌な音を立てるように激しく脈打ち、胸の奥から不安が込み上げてくる。「優介くん、閉じ込められたって……どういうこと? それより、今どこにいるの? 私が迎えに行こうか?」 紗月の声を聞いて少し落ち着いたのだろう。 優介は今いる場所をすぐに教えてくれたものの、すぐにその言葉を打ち消すように小さく首を振った。「紗月お姉さん……僕がそっちに行ってもいい?」 震える声のまま、言葉を続ける。「姉ちゃん、自分の部屋に閉じ込められてるんだ。父さんも母さんも、僕を部屋に入れてくれなくて……」「もちろん。迎えに行こうか?」「ううん、大丈夫。タクシーで行きますから」 凛子は帰国してから実家で暮らしている。優介が言っている部屋とは、おそらく凛子の自室なのだろう。 優介が来るまでの間、紗月は何度も凛子へメッセージを送り、電話も繰り返しかけてみた。 けれど、返信は一つも返ってこない。 電話も何度鳴らしても繋がることはなかった。 携帯電話を取り上げられてしまったのかもしれない。 午後、父親から届いたメッセージを見た途端、凛子の表情が一変したことを思い出す。 あの時には、すでに何かが起きていたのだ。 そう考えると、胸騒ぎはますます大きくなるばかりだった。 幸い、優介は思っていたより早くやって来た。 インターホンが鳴ると、紗月は急いで玄関へ向かい、扉を開ける。 そこに立っていた優介は俯いたまま、ひどく心細そうな様子だった。 目元は赤く腫れ、紗月の顔を見た途端、堪えていた涙がまた瞳いっぱいに滲んでいく。 泣きそうになりながら、それでも必死に涙をこらえていた。 まだ成人にも満たない少年なのだ。そんな姿を目の当たりにした瞬間、紗月の胸はぎゅっと締めつけられた。 紗月は何も言わずに優介の手を取り、そのままリビングへ案内する。 ティッシュを手渡し、それからキッチンへ向かって温かいココアを淹れた。 優介の好きな飲み物だった。「紗月お姉さん……お父さんが、姉ちゃんを年上のおじさんと結婚させるって……」 紗月もソファへ腰を下ろし、何があったのか静かに尋ねる。優介は両手でマグカップを包み込み、しばらく俯いたまま黙っていた。 ようやく覚悟を決めたように、小さ

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第161話

     凛子の反応は、明らかにどこかおかしかった。 普段は何があっても動じない彼女が、こんなふうに取り乱した表情を見せることなど滅多にない。紗月は心配そうに眉を寄せ、そっと手を伸ばして凛子の手に触れた。 そのまま優しく包み込むように握り、小さく微笑む。「凛子。私たち、友達でしょう? 凛子が私を心配してくれるように、もし何かあったなら、私にもちゃんと話してほしい」 紗月が思いのほか真剣な表情をしていたからだろう。 凛子は一瞬、きょとんとしたように目を瞬かせた。 思いがけない言葉だったのだろう。 すぐに大げさなくらい明るい笑みを浮かべると、今度は自分から紗月の手を握り返した。 温かな掌が紗月の手を包み込み、ほんの一瞬だけ、ぎゅっと力がこもる。 その温もりはすぐに離れ、凛子は照れ隠しをするように笑った。「大丈夫。さっき父からメッセージが来ただけなの。だから、ちょっと驚いちゃって……ごめんね、心配させちゃった。知ってるでしょう? 私、お父さんとはちょっと複雑だから」 困ったように肩をすくめ、小さく息をつく。 凛子の父親は、数年前に会社を上場させた経営者だった。 上場を果たしてからというもの、会社を背負う責任や重圧が一気に増したせいなのか、以前よりも短気で独善的な性格になり、家族との関係も少しずつ変わってしまったらしい。 紗月もこれまで、凛子から家のことを少しずつ聞かされてきた。 母親もまた経営者で、幼い頃から夫婦そろって家を空ける日が多く、凛子は両親と一緒に過ごす時間がほとんどなかったという。 家族で食卓を囲むことも少なく、忙しい両親に代わって、幼い凛子の成長を一番近くで見守ってきたのは、いつも家の使用人たちだった。 そんな家庭で育ったからだろうか。 優介が自分に優しくしてくれる紗月へ、人一倍懐いている理由も、少しだけ分かる気がした。「何でもないならよかった……でも、さっきの凛子、本当にすごく怖い顔をしてたよ」 紗月がそう言うと、凛子は照れ隠しをするように肩をすくめ、小さく笑った。「ごめん、ごめん。さっちゃんも知ってるでしょう? お父さんから連絡が来る時って、大体ろくな話じゃないのよ。何年か前なんて、お見合いしろって言われたこともあったんだから。あの時はちょうど海外留学が決まって、そのまま逃げちゃったけど……まさか今さらまた――」「

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第3話

     距離が近づくにつれ、紗月の纏う香水の匂いと、肌から伝わってくる異様な熱が、慎一の眉を思わずひそめさせた。「……気持ち悪い匂いだな」 彼女が体調を崩しているのか、それとも本当に病気なのか。そんなことは一切気にも留めない。 男の手つきには、微塵の情けもなかった。その触れ方は、欲望によるものですらない。ただ鬱積した感情をぶつけるための、乱暴な接触にすぎない。 紗月は彼の触れた感覚を受け止めながら、ゆっくりと目を開けた。 視線が合った瞬間、胸が締めつけられるように高鳴り、思わず口づけを求めるように身を起こそうとする。 その気配はすぐに見抜かれた。 慎一は露骨に嫌悪を滲ませ、顔を背ける

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第2話

     電話を切ってから四時間後、ようやく慎一は酒席を切り上げ、家へ戻る気になった。 すでに時刻は深夜十二時に近い。 それでも席に残っていた者たちは、立ち上がった慎一を見て、忘れたようにおべっかを並べる。「社長、もうお帰りですか? 奥さまのところへ急いで戻られるんですか?」 その一言をきっかけに、周囲も次々と追従し、慎一の“良き夫”ぶりを持ち上げ始めた。 今がどれほど遅い時間かなど、誰も気にしていない。「さすがは社長ご夫妻、相変わらず仲睦まじいですね。奥さまが羨ましいですよ、こんなに有能で、しかも奥さまを大切にされている男性と結婚できて」「本当ですよ。社長は毎月、奥さまのためにサプラ

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第5話

     由衣を連れて地下駐車場まで下りると、慎一はようやく、自分にぴたりと寄り添っていた彼女を少し強めに引き離した。 今度ははっきりと力を込めており、由衣がこれ以上まとわりつくことは許さない。「次からは、断りもなく来るな」「えー、社長ってひどい。利用したらそれで終わりなんて。奥様、顔色すごく悪かったですよ? 今ごろ上でこっそり泣いてるかも」 由衣はにこにこと笑いながら、両手で慎一の腕を掴み、甘えるように揺らした。 だがその言葉には、どこか底の見えない悪意が滲んでいる。 慎一はそんな彼女を見つめ、ふっと笑

  • 愛し続けた彼を、私は手放すことにした   第4話

     翌朝、紗月が目を覚ますと、昨日よりもさらに体調が悪かった。 全身に力が入らず、めまいがして、手足は冷えきっている。歩くだけでも、身体が小刻みに震えているような感覚さえあった。 キッチンで薬を飲んでいると、ちょうど慎一も部屋から出てきた。アイランドキッチンに置かれた薬をちらりと目にしたが、彼はほんの一瞬視線を流しただけで、気にかける様子はまるでない。 紗月は彼がすでに出勤用の服に着替えていることに気づく。 まだ時間は早いのに、彼は今すぐにでも出ていきたいというように、どこか落ち着かない様子だった。この家に一秒でも長くいたくな

บทอื่นๆ
สำรวจและอ่านนวนิยายดีๆ ได้ฟรี
เข้าถึงนวนิยายดีๆ จำนวนมากได้ฟรีบนแอป GoodNovel ดาวน์โหลดหนังสือที่คุณชอบและอ่านได้ทุกที่ทุกเวลา
อ่านหนังสือฟรีบนแอป
สแกนรหัสเพื่ออ่านบนแอป
DMCA.com Protection Status