Semua Bab (改訂版)夜勤族の妄想物語: Bab 771 - Bab 780

792 Bab

7. 「異世界ほのぼの日記3」269

-269 有給を取りづらい理由- 結構本気に近いトーンで冗談をかました好美の事は置いといて、一先ずデルアはイャンダと共に昼間の営業に向けて仕込みを開始した(と言っても24時間営業なので客の姿がちらほらとあったのだが)。イャンダ「デル、有給を使ってまでお兄さんの店に行きたいだなんてよっぽどの理由があるんじゃ無いのか?好美ちゃんの事以外に。」 ハッキリ言って有給を取得するのに好美の機嫌について考慮する必要は無いと思うが、やはりこの世界でも日本と同様に働き方改革が進んでいるのでちゃんと消化していかなければと思うのも無理は無い。正直言って「暴徒の鱗 ビル下店」は人員不足という訳では無いと思われるので有給の取得はしやすい方だと思うがやはりそれなりの事情があるのだろうか。デルア「でも大丈夫か?店自体は俺無しでも回す事が出来ると思うけど好美ちゃんの肴を用意する時に騒動が発生しないか?」イャンダ「大丈夫だよ、デルの週休日にはいつも唐揚げと春巻きを送って何とかしてるからさ。」 唐揚げと春巻きで何とかなっているなら良いのだが2品だけであの大食いが満足するとは思えないデルア、どうやら副店長の予感は当たっていた様で・・・。好美(念話)「イャンは唐揚げと春巻きだけで私が満足していると思ってる訳?いつも腹二分目で済まされてるから苦労しているんですけど!!」 2人の会話を『察知』していた好美からの『念話』、ただ二分目は言い過ぎな気がするが?イャンダ(念話)「好美ちゃん、こっちは少ない経費で卸してもらっている材料で作っているんだから勘弁してよ。店のオーナーなんだから分かってくれているでしょ?」好美(念話)「でも雇用契約書に書いたじゃん、ちゃんと私の食事は十分な量を用意するって。」 まさか雇用契約書にそんな超個人的な事を書いていたとは、それに好美にとって十分な量ってどれ位なんだろうか。そんな事を考えていた2人に助け船がやって来た、好美より数時間遅れて家に帰って来た守だ。どうやら結愛と光明に捕まっていたらしい。守(念話)「大丈夫ですよ、俺が何かしら作りますから。」 好美と違って何でもホイホイ作ってしまう守の存在は2人にとって本当に有難かった、ただ黙っていないのが約1名。好美(念話)「何安心してんのよ、私はデルアが作った麻婆豆腐が食べたいの!!」デルア(念話)「好美ちゃん
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7. 「異世界ほのぼの日記3」270

-270 女子達の朝- 好美と楽し気にイャンダをおちょくってから数日後の午前8:00、やっとの思いで取得した有給休暇を迎えたデルアはいつも通りのモーニングルーティンを行った後にエレベーターで1階まで降りて街中まで繰り出した。いつもなら店の中から見るだけだった景色も視点が違うと新鮮だと思っていたデルアは少し上機嫌になりながら街を散策しつつ兄の店へと向かった、ただ朝早くに副店長が外出した事を知らなかったオーナーが店で大騒ぎしていた事を知らずに・・・。好美「ねぇ!!デルアは何処に行ったのよ!!私の朝ごはんはどうなってんの?!」イャンダ「ちょっと待ってよ、今魔力保冷庫(冷蔵庫)を確認してくるからさ。」 自分の週休日はいつもどうしているのだろうかと頭を掻いて悩みながら冷蔵庫を開けたイャンダは庫内の中央に置かれていた皿に添付されていたメモ用紙を見つけた、書き方から見るにどうやら好美が先程の様な態度を取る事を予想していた様だ。デルア(メモ)「好美ちゃんが朝来たらこれを温めて出して下さい、多分怒りも納まると思いますので。」 イャンダがメモの通りに皿に盛られた料理を温めると好美は端のテーブル席で大人しく食事をしていた、正直言ってこれではイャンダとデルアのどちらが店長なのか分からなくなる。と言うよりイャンダが異動した際に週休日はどうするべきなのかが分からなくなるのがオチだ、まぁ残るのが好美の事を色々と知り尽くしているらしきデルアだから大丈夫と思うが、今からこれでは心配で仕方が無い。イャンダ「いっその事、守君をうちで雇うか?いや待て・・・、本人にも職業選択の自由はあるんだからそんな事は言えない・・・。あぁ・・・、この店本当に大丈夫なのかな・・・。」 店長が頭を抱えていた時、デルアは街の中心部から数々の露店が集まる場所を抜け出した後に暫く歩を進ませて兄の店へと到着した。やはり兄の拘りを最大限に活かせるように店は家と隣同士になっていて家の真横には家庭菜園が広がっていた、これ以上に新鮮な野菜を提供する方法など見つからないだろうなと感心していると家から慌てた様子のハーフ・ヴァンパイアの女子高生・ガルナスが出て来た(さり気に久々の登場だな)。ガルナス「行って来まーす!!」 デルアは家を出て全速力で走り出そうとしたその女子高生を全力で止めた、家の中から義姉の声が聞こえたからだ。
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7. 「異世界ほのぼの日記3」271

-271 困った女子達- おにぎりとバランス栄養食を食べているにも関わらず未だに勢いが増していくばかりで母親を待とうとしない姪っ子に叔父が苦戦している中(いや高校生なら待つ事も覚えろよ)、「暴徒の鱗 ビル下店」では何故か口論になりかけていた。第3者である俺の目線からすれば原因は1つしか無いと思われるが、このままでは何となく先が思いやられる。ただ一刻も早くデルアに店へと戻ってきて欲しいと願ってしまったイャンダだった、しかし改めて確認する事でも無いのだが本日デルアは有給休暇なので店に来ることは無い。イャンダ「好美ちゃん、確かに雇用契約書通りに好美ちゃんの食事はちゃんと用意しているつもりだよ?でも最近に至っては守君が作ってくれているんじゃ無いのかい?ほら、あの子料理上手だし趣味の1つだって言ってたじゃないか。」 店長の言葉には説得力がある、しかし頬を膨らませていたオーナーも引き下がるつもりは無かった。好美「だって、最近守早いんだもん。」 つい先日から多くの雌豚達が子豚を沢山産みだしたので用意する餌の量が一気に増えて生産が追い付かず、致し方なくこれまでより早い時間に出勤する様になっていた。これに関しては店主のケデールも申し訳なく思っている様だが守自身は承知の上で行っているらしい、ただ(特に夜勤明けの)好美が不満がらなくても良い様にそれなりに料理を用意してから出勤していたみたいだったがやはりこの大食い娘が満足する事は無かった。やはりか・・・、呆れて物も言えないよ。好美「何よ、夜勤明けの朝ごはんが美味しいのはあんたも知っているでしょ?」 確かに夜に食べる少し豪華な食事も美味しいのだが、好美と同じ夜勤族である俺からすれば仕事後の朝ごはんの方がご馳走の様に思えて仕方が無かった。イャンダ「だからって、これは食べ過ぎだよ。今自分の目の前に何杯分のお茶碗が積まれていると思っているのさ。」 よく見なくても好美の目の前には店中のお茶碗が高々と積まれていた、でもこれって全部大盛り用の茶碗じゃね?いや・・・、丼じゃね?イャンダ「余りにもお代わりの回数が多いから1杯の量を増やして極力回数を減らさないとね、他のお客さんにも対応しなきゃだし。」好美「じゃあ何、私が迷惑を掛けているとでも言いたい訳?」 どう見てもそうだろ、そうでないとこんな言い争いにはならないはずだぞ。イャン
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7. 「異世界ほのぼの日記3」272

-272 平和な朝?いや、平和では無い朝?- 当初の来訪目的を忘れかけていたデルアは義姉のお陰でやっと思い出しかけたみたいだがバス停へ向けて走り去るガルナスを見て呆然と立ちすくしていた際にまた忘れそうになっていた、つい先程まで大量のお握りとバランス栄養食を食べていたのにも関わらず物凄い勢いで遠くへと消えてしまったので消化不良でお腹を壊さないかと心配してしまった様だ。デルア「お義姉さん・・・、これいつもですか?」光「お恥ずかしながら、もう少しだけ早起きしてくれたらマシなんだけどね。もしかしてだけど、私のより吸血鬼(ナルリス)の遺伝子が強いのかな。」デルア「いや、そんな事無いと思いますよ。実際俺も仕事の日はいつも早起きですけど別に平気ですので、それに俺達の先祖が夜行性だったのは500年以上前の事ですから。」光「じゃあ前日の晩、遅くまで友達と電話している事が原因かしらね。」デルア「間違いなくそれだと思います、それでなんですけど・・・。」 やっと当初の目的へと向かおうとし始めたデルア、ここまで何話分掛かったよ・・・。光「それに関しても(多分)うちの娘の責任です、後でお茶でも飲んでって下さい。」 あらま、これはご丁寧にどうも。お気遣い頂きありがとうございます。デルア「それでなんですけどお義姉さん、良かったらいつも野菜を作っておられる畑を見せて頂けませんか?」光「別に私は構わないけどうちのはただの家庭菜園だよ?大した事はしてないよ?」デルア「何を仰いますやら、兄がこの場所に拘る位に惚れ惚れしている野菜がどうやって出来ているのかを見せて頂けたらと思いましてね。」光「そうなの、じゃあナルには用事は無しって事?」デルア「いや・・・、全くもって無いと言えば嘘になるんですけど宜しければ収穫のお手伝いもさせて頂けませんか?」光「それは助かるけど、折角の休みなのに良いの?」デルア「勿論です、この為に有休を取った様な物ですから。」光「あら嬉しい、じゃあお言葉に甘えようかな。ちょっと着替えて来るから待っててね。」 そう言うと光は少し微笑みながら一旦家の中へと入って行った、暫くしてジャージ姿となった義姉は収穫用の籠と鎌を持って現れた。ただ本人が気づかない位静かに後ろから近付く怪しい影が・・・(大抵この時出て来るのは「あの人」なんだが)。デルア「あの・・・、お
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7. 「異世界ほのぼの日記3」273

-273 仲の良い姉妹- 朝早くにも関わらず調理場に高く積まれていた皿をひたすらに洗い続けていたある女性はどう考えても好美1人の仕業ではない勢いで未だに積まれ続ける丼を見ながら頬を掻いているイャンダを見て嫌な予感がしたので店長のいる方へと近づいて来た、先程までずっと皿洗いをしていたにも関わらず何故かタオルを使わなくても手がもう既に乾いてしまっていた。イャンダ「おっと、ごめんねピューちゃん。ナイトの仕事で疲れているはずなのに皿洗いして貰っちゃって、無理しなくても良いからね。」 店長とオーナーの会話をラジオ感覚で聞いていたのはこの店のナイトマネージャーであるマー・・・。ピューア「ニクシーだっての!!作者の癖にあんたまでちゃんと私の事を覚えてくれていないの?!」 すいません、ちゃんと覚えているんですけど一応必要な件かなと思いまして。大変失礼致しました、では改めて。 この店のナイトマネージャーであるニクシー・ピューアとイャンダは店が開店した頃以上に親しい仲となっていた、互いの事も「イャン」「ピューちゃん」と呼び合う位だ。イャンダ「それにしても大丈夫?眠くなっていないの?」ピューア「大丈夫よイャン、好きでやってる事だから気にしないで。それにまだ呑んでいないから眠気なんて来ていないもん。」イャンダ「そう言ってくれるなら助かるけど、無理そうだったらいつでも言ってね?いつ上がってくれても構わないから。」 イャンダの放った「上がって」が「仕事から上がって」とピューアの部屋のある「上の階に上がって」の両方に聞こえたのは俺だけだろうか、まぁそんなしょうも無い事を気にしても仕方が無いか。ピューア「ありがとう、でも私がいなかったら誰が満腹になった好美ちゃんを部屋まで運ぶっての?」 毎朝床に倒れてしまう位に食いまくる好美を夜勤明けの度に15階の家まで運んでいるニクシー、ここ最近の定番となってしまっているがそれなら一層守にいっぱい作って貰うか自分で料理したらどうなんだよ。ピューア「あんたもありがとうね、でもこれも好きでしている事だから気にしないで。それにしてもよく食べるね、もう殆どの炊飯器が空なんだけど。」 こう言っていたピューアの顔が若干赤くなっている様に見えたのは気のせいだろうか、もしかして金髪が少し青みがかっているからその分赤く見えるのか。 それは良いとして
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7. 「異世界ほのぼの日記3」274

-274 好美、いや女は強し- 万引きになる寸前で代金を姉(ニクシー)に支払ってもらった妹(マーメイド)は「暴徒の鱗 ビル下店」のガラス窓から見えるバス停留所より本日最後に出る登校用のバスへと乗る為に勢いよく店を出て駆けだして行った、その背中をため息ながらに見送ったニクシーは少し落ち着きを取り戻す為に魔力保冷庫から取り出した烏龍茶をグラスに注いで一気に煽った。ピューア「もう・・・、あの子ったら朝は落ち着いて行ける様にいつも早めに家を出なさいって言ってるんだけどね。」好美「でもさ、ああやって楽しそうに過ごせるのも子供のうちだけじゃ無いの?私は今のメラちゃんが何となく羨ましかったけどな、また学生時代に戻れたらなって今でも思っちゃうもん。」ピューア「あんたって見た目に寄らずだけど偶に年寄り臭い事言うよね、本当は何歳なの?」好美「失礼な事を言わないでよ、私は見た目と変わらず中身もずっと25歳だもん(※改めて言うべきだとは思っていませんがこの世界に来た転生者達は歳を取らない様になっています、本当に羨ましい限りだわ)。」 頬を膨らませながらもまだ来ぬ満腹を目指して食を進める好美の下にイャンダが新たな料理を運んで来た、ただ1人で持ちきれなかったのか後ろでピューアに手伝って貰っている様だ。イャンダ「本当にごめんね、もし今日料理教室があるって言うならいつ上がってくれても良いからね。」ピューア「大丈夫よ、今日は生徒の方々の都合が悪いみたいだから休みにしたので気にしないで。それに好きでやっているの、イャンは遠慮しなくてもいいから。」イャンダ「本当にそう言ってくれると助かるよ、それにしても好美ちゃんはまだ食べるつもりなのかい?もう店の材料の在庫が無くなっちゃうよ。」 と言っても一応拉麵屋として店を出しているのでスープや麺などと言ったラーメンを出す為に必要な最小限の在庫は押さえてはいる、しかし他店舗と違ってこの店舗においては好美の拘りで「中華居酒屋」も兼ねているので現状の様に酒の肴(ご飯のおかず)として出す料理の材料が全くないと正直言って店が成り立たない。好美「大丈夫よ、ちゃんと営業出来るようにするから。」 イャンダはいち早く買い出しへと向かいたかったが好美からすればそんな事お構いなしの様だ、店長は何となく嫌な予感がしたがオーナーは本人なりに「仕入れ」を行っていた様
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7. 「異世界ほのぼの日記3」275

-275 家庭菜園、いや節約への拘り- 今に始まった事では無いのだが商売の場においても「鬼の好美」が絶好調となっている事を改めて実感していたイャンダは、もしもオーナーがこれから先もずっとこの調子だったらデルアはどうなってしまうのだろうかと心配してしまっていた。しかしデルアだってちゃんとした大人、そういった事はしっかりとわきまえて(と言うより覚悟して)いると信じていたい。そんな中、自分が子供の様に心配されているとはこれっぽっちも思っていないデルアは義姉の家庭菜園に入った瞬間から驚きの連続だった。デルア「さっき義姉さんはただの家庭菜園だって言ってましたけど滅茶苦茶広いじゃないですか、これはもう農家が世話をしている本格的な畑ですよ。これだけ広いと水やりとそれに伴う水道代が物凄いんじゃないですか?」 いちから全て自分で考えて作って行った際にどんどん広くなってしまった光の家庭菜園の広さは近所でも評判だった、近所の子供達が公園代わりに走り回れる位だからデルアがこう聞きたくなっても仕方が無い。光「それが全くもって大丈夫なのよ、水はすぐ傍の川から引いているし各々の菜園に穴を開けたパイプを巡らせているから川の流れの勢いで水やりが出来るの。別に私は何もしなくても水やりが終わっちゃう訳、どう?」デルア「「どう?」って言われましてもね・・・、パイプなどの設備を備えるだけでも大変そうなんですけど。工賃はいくらだったんです?」光「自分でやったから無料に決まってんじゃない、パイプも近くの建設業者や水道の修理業者から要らない物をもらったから一銭もかかってないよ。」 光は簡単そうに言っているがそこまでしてでも家庭菜園をしたかったのだろうか、正直パン屋の仕事を辞めて本格的に農家として生活すべきなのではと思ってしまう。デルア「凄すぎますよ、こんなのなかなか貰えないでしょ。」 実際はデルアの言う通りだった、光はパイプ等の廃材を貰うため建設業者や水道の修理業者へと向かった際にそこの社長や営業の担当者にお得意のプロレス技をかけて脅していた様だ。今更ながらだが、どうか死者が出ていません様にと祈っておこう。光「人聞きの悪い事を言わないでよ、お金が無いって言ったら皆素直にくれたんだから。」 いや、きっと社長達はフォール寸前となり意識が朦朧としていた状態で返事させたと思われる。まぁ、これ以上は
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7. 「異世界ほのぼの日記3」276

-276 赤いトマトと赤い思い出- 義姉が作ったトマトを1口食べて一目惚れしてしまったデルアの心中を察した渚が足音を殺して近づいて来た、ただデルアは見た目以上に甘みの強いトマトにずっと夢中だった様だ。渚「どうだい?冷やし中華に使いたくなったろう?」デルア「・・・、そうっすね・・・。」渚「何だい、反応が良くないね。」 多々ある食材の品質を定期的に確認する為に自らの舌でちょこちょこ試食をしていたデルア、拘りで馴染みのある卸業者を通して市場から最高品質の野菜を仕入れる様にしてはいたがこんなに甘みの強いトマトに出会ったのは生まれて初めてだった。是非店に持ち帰ってイャンダやピューアに食べさせてやりたい、正直言ってこれからはこの野菜を使った料理を提供したいという気持ちが沸き上がっていたがこれだとこの場に来た本来の目的からかけ離れてしまっている。やはりバルファイ王国軍にいた時からの望みを叶えたい、どんな形でも良いから兄とお店をやりたい。デルア「あの・・・、勿論兄貴もこの野菜を使っているんですよね?」渚「そうだよ、その為にこの場所に店を設けたんだからね。」 トマト片手に先程から1人考え事をするデルアにそっと近づく光、ただどうやって声をかけるべきかが分からなかったので一先ず母に声をかける事に。光「お母さん、そう言えば今日は屋台を出さなくても良いの?」渚「出さない、と言うか出せないんだよね・・・。」光「その言葉聞き覚えがあるんだけど、あっ!!まさか!!」 頬をかきながらそっぽを向く渚、それを見て何となく嫌な予感がした光。娘が何を考えているのかが分かってしまった母はわざとらしく下手くそな口笛を吹いていた。光「お母さん、またなの?」渚「しょうがないじゃないか、重い荷物を運びながらの坂道発進は難しいんだよ。特にダンラルタ王国は坂道の宝庫じゃないか、クラッチがよく壊れるんだよ。」光「だから前からシューゴさんと言ってんじゃん、いい加減ATに買い替えろって。」渚「嫌だね、私は元走り屋だからMTにしか乗るつもりは無いよ。」光「「元」は余計でしょ、この前だってダンラルタ王国の山で走ってた癖に。デカルトさんが送って来た動画見て恥ずかしくなったんだから、デル君も見てくれる?」 懐からスマホを取り出して義弟に動画を見せる光、どうやら鳥獣人族の者が撮影した物の様で動画は想
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7. 「異世界ほのぼの日記3」277

-277 母娘(おやこ)- いつも以上に勢いよく走るダンピール(ハーフ・ヴァンパイア)の様子をバッチリと見ていた母親は頭を抱えながらため息をついていた、光の心中では嫌な予感が増して行くばかりでどうしようもなかった様だ。光「参ったな・・・、あの様子だと今夜の夕食をどうすれば良いか分からなくなるのよね。」 毎晩の様に白飯を何回も何回もお代わりするガルナス、それに伴っておかずもとんでもない量を必要とするので何を作ればいいのか悩まされていたらしい。今日に至っては通常より多くのカロリーを消費しているので余計だと言っても良いのかも知れない、ただこれに関して元黒竜将軍(ブラックドラグーン)は気になる事が1点(ただ返答は想像できると思われるが)。デルア「こういう時って兄はどうしているんです?」光「ナルは店があるから手伝える訳が無いのよ、ただ私がパートに行っている時とか定休日だけは代わりに色々とやってくれるから助かるんだけどね。」 デルアは兄が光の旦那として立派に活躍している事が嬉しかった、やはり仕事のみに集中すべきなのが男としての本来の在り方では無いと考えていたからだ。2人で協力して家事を行う、それが夫婦仲をよくする1番の近道なのでは無いだろうかという気持ちが強かったみたいだ(俺は相変わらず独身だから分からないが)。しかし安心しているばかりでは無かった、このままだと余計に自分の希望を言いづらくなってしまっている。一先ず自分を安心させる為(いや、家族仲についてより一層知る為)に気になる事を切り出してみる事に、もしも返答が「YES」ならきっと例の話を切り出しやすいだろう。デルア「ガルちゃんや渚さんはお手伝いとかしてくれるんですか、まぁ正直俺が聞いて良いのか分かりませんが。」光「多少ね、両方共今日は例外で暇そうにしているみたいだけど本来お母さんは屋台の営業があるしガルナスは魔学校の陸上部だから2人共忙しいのよ。」 言われてみればそうだ、渚は長年に渡り3国間で屋台を乗り回している上にガルナスの健脚を教育支援に力を入れている貝塚学園魔学校の教員達が見逃す訳が無い。光「それにしてもやけに詮索してくるね、何かあったの?」 やたらとプライベートに踏み込んで来る義弟の事を怪しく思った光、確かにここまでの質問攻めに合うとそう思うのも仕方が無い。デルア「すみません、義姉さんの事
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7. 「異世界ほのぼの日記3」278

-278 本心(好き)- 元黒竜将軍がどう考えても渚や光からの遺伝が理由と言えるガルナスの食欲や性格に諦めの表情を見せる一方で「暴徒の鱗 ビル下店」ではオーナーが相も変わらず咀嚼を続けていたが、明らかに不自然な点が1つあった。しかし、従業員の過去や事情を全て知り尽くしている訳ではないので飽くまで自然な形を取って質問してみる事に。好美「ねぇ、1つ聞いて良い?」ピューア「あんたね、子供じゃ無いんだから食べるか喋るかどちらかにしなさいよ。」 相も変わらず従業員に呆れた表情をさせる好美、本当にどうしてオーナーとしてやっていけているのかが不思議で仕方が無い。 そんなオーナーが数秒かけて口に入れていた物を咀嚼して飲み込んだのを確認したナイトマネージャーはグラスに水を注ぎながら質問を聞き出す事に、それにしてもどうして未だに帰らなくても平気なのだろうか(俺だったら即座に帰りたくなるのに)。ピューア「それで?私達に何を聞こうとした訳?」好美「イャンとピューアってさ、過去に一緒に仕事をしていた事があるの?」イャンダ「いや、全然。」ピューア「寧ろあの時が初めましてだよね、本当に緊張したのもそうだけどイャンのお陰で調理がしやすかった事を覚えているのよね。」イャンダ「別に俺は何もしていないよ、それで・・・、それがどうしたの?」 好美は先程から2人の様子をずっと見ていた、確かに最近守が朝早くに仕事へと向かう事は本当だったが実はこの時間帯に食事をしていたのはこの為でもあったのだ。好美「いやね、個人的に思っただけなんだけど2人って働いている時間帯が全く逆なのにどうしてそんなに息がピッタリなのかなと思ってね。」イャンダ「別に特に理由なんて無いよね、と言うかピューちゃんには無理させて申し訳ないと思っていながらだから余計だよ。」ピューア「それに関しては別に気にしないでって言ってんじゃん、私自身は「好きでしている」だけだし。」 先程にもあったがピューアの放ったこの「好きでしている」という言葉、好美が1番怪しいと思っていたのはこれだった。先程もそうだったがどうして顔を赤らめながらだったのだろうか、普通に「仕事が好きだから」と言うのならこんな事にはならないはずだ。まさか・・・、な・・・。好美「ねぇピューア、お水ばかりで飽きて来ちゃったから奥の部屋でお茶貰っても良い?」ピュー
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