その知らせはすぐにSNS上へ流れ、ネットユーザーたちの格好の野次馬ネタになった。最近の新井グループでは、あまりにも多くのことが起きていた。前社長の蓮司に醜聞が噴き出し、実の祖父を殺そうとした疑惑まで出て、辞任に追い込まれた。会社内部では慌ただしく代理社長が立てられたばかりだった。ところが、その代理社長は就任から一ヶ月も経たないうちに、待ちきれなかったかのように汚職へ走ったのだ。【正直、新井グループももう終わりだろ。新井のお爺さんが経営していた頃だけが全盛期で、次の世代になった途端、自分たちで自滅してる】【公開資料を見たけど、あの勝って前は新井蓮司の部下だったんだな。やっぱり上司があれなら部下もあれだわ。上が腐れば下も歪むってやつ】【新井グループってもう使える人材いないの?わざわざ前社長の人間を使うとかさ。同族経営だとしても、ほかに子供や後継ぎはいないわけ?】【企業の存続を考えるなら、まず能力のある人間が座るべきだろ。新井のお爺さんには非嫡出の孫もいるんじゃなかった?出自にこだわらなければ、誰でもいいんだよ】……ネット上の世論は、最初こそ出来事そのものを論じていただけだった。だがやがて、意図的に別の方向へ誘導されていった。当然、それはすべて博明が金で雇ったネット工作員たちの操作だった。勝などは一時的な盾にすぎない。蓮司が失脚したばかりの時点で悠斗を上に据えれば、間違いなく世間から激しい非難を浴び、隙を突いて地位を奪ったと言われるからだ。だが一ヶ月が過ぎた今、風向きも落ち着いてきた。瑞相グループとの提携プロジェクトも、すでに彼らの手元へ移っている。いずれそのすべてが息子の悠斗の実績になる。そうなれば取締役会側も、わざと難癖をつけることはできまい。一方、新井グループでは。勝が連行され調査を受けた結果、彼が「合法的なルート」を装って受け取った裏金が、合計で一億円に上ることが判明した。近藤取締役たちは怒りで気が狂いそうになっていた。近藤取締役は、勝が一度大きく稼いでから逃げるつもりだったのだと決めつけた。前回、勝が辞めようとした時、近藤取締役は、彼を京田市から追放してやると脅した。だがそれだけの裏金があれば話は別だ。働かなくても生きていける。腹は立つ。だが勝が使い物にならなくなった以上、また新たな操り人形を立
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