All Chapters of 結婚式で捨てられた後、私は彼の最大のライバルと結婚した: Chapter 111 - Chapter 120

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第百十一話 妊娠の報告──実家へ

修と綾は二人揃って病院の婦人科を訪れた。 医師はすぐに綾が修に伝えたのだと理解し笑顔で迎えた。 「主人です」 「妻がお世話になっております。よろしくお願いします」 「担当医の中村です。こちらこそよろしくお願いします。ご一緒にお見えになって良かったです」 修と綾は目を合わせて恥ずかしそうに照れている。 そして……綾のお腹の中がモニターに映し出された。 修は──初めて見る赤ちゃんの超音波画像に釘付けになっている。 「12週に入ったばかりなので、6cmほどです。これが頭、手足……」 「うんうん、動いてる」 修は心臓の音や赤ちゃんが動いていることに感動しているようだ。 綾は修の反応を見て思わずニッコリ、とても嬉しく思っている。 「性別はいつ頃分かりますか?」 修が医師に訊ねると、 「14週から18週頃ですね、時々隠れていて見えにくいこともあるのですが……」 「もうすぐだな」 修は綾に楽しみだと笑顔で伝える。 「性別はお聞きになられますか?」 医師にそう聞かれると、 「「はい」」 「あ〜でも……生まれるまでの楽しみにもしていたいが……」 修は迷っているようだが、綾は出産の準備があるので、早く知りたい! と譲らない。 修は──綾、ちょっと会わない間に、何だか気が強くなってないか? 母になったからか? と一瞬怯む。
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第百十三話 動き出す──雪絵、沢野

修と綾は、実家で無事に妊娠の報告が出来、 とても上機嫌だった。 祖父と父親に促されて、久しぶりに酒をたっぷり呑んだ修は、倉田に支えられながら帰りの車に乗せられた。 「綾〜ごめんな〜俺だけ呑んで〜」 修は綾の肩に凭れ掛けながら謝っている。 「ふっ、良いわよ、私は呑めないんだから。でも酷い酔いっぷり、よっぽど楽しかったのね?」 「うん、楽しかった〜やっと嬉しい報告が出来たんだからな」 修はベロベロに酔いながらニコニコ笑っている。 初めて見る修の姿に綾は、ようやく修が自分に気を許しているように思えて嬉しかった。 「うん、そうだね」 「綾〜今日も一緒に寝ような〜」 ──!! 倉田が居るのに、どんどん声が大きくなっていく修に戸惑いながら綾は──「修さん、もう少し声のボリュームを落とそうね、赤ちゃんが驚いてるわよ」 「あっ、そうだよな、ごめんな赤ちゃん。パパが悪かったな、シーッ」 自分で口元に人差し指を当てながら言っている。 「フッ」 倉田も──坊ちゃん、よほど嬉しかったのですね。本当に良かったですと笑顔で喜んでいる。 自宅に到着し、倉田とガードマンに支えられながら家に入る修。 その直後── 「ハハッ、とんでもない醜態
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第百十四話 綾、修への嫌がらせ──雪絵、沢野

──朝食後 修は──日曜日だと言うのに、新プロジェクトの現場で突然トラブルが発生したようで、呼び出された。 「綾せっかくの休みなのにすまない」 と謝っている。 「ううん、仕事だもの仕方がないわ」 「一人で大丈夫か?」 「ええ、大丈夫よ。でも美樹を誘ってベビー服でも買いに行こうかな」 「ああ、なら運転手と警備の者は手配しておく」 「ありがとう」 修は決して綾を一人で出かけさせないようにしている。 修を見送ると、綾は美樹に連絡をする。 〈おはよう! 美樹今日デート?〉 〈おはよう〜デート? そんなわけないわよ〉 「そうなんだ……森川さんって案外ウブなんだね」 綾は美樹と森川との関係が一向に進まないことに、ヤキモキしている。 ──あっ、森川さんも呼び出されたのかな? 〈なら今日ベビー用品の買い物に付き合ってくれない?〉 〈うん、いいよ! 修さんは?〉 〈トラブルで急に呼び出されて出かけちゃったの〉 〈そうなんだ、OK〜〉 〈修さんが運転手とボディーガードを手配してくれたから、後で車で迎えに行くね〉 〈やった〜よろしく〜〉 美樹は、綾が常にボディーガードに付き添われていることを理解しているので特に驚かない。 寧ろ送迎付きでお嬢様気分を味わえることに喜びを感じている。 家の前に黒
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第百十五話 綾を拉致──雪絵、沢野

しばらく綾は抵抗して車から降りようとしなかったが、周りを見渡しても山の中だから見えるのは木々だけで道は険しい。 他には滅多に車も通らないような場所だ。 「あまり下手なことはしない方が身の為よ」と雪絵に鼻で遇らわれてしまった。 「そうだよ綾さん、何も怖いことはないさ、一緒に楽しもうよ」 既にこの二人が手を組んでいることが綾にとっては怖いことだ。 綾は仕方なく車から降りてコテージの中へと入った。 コテージの中は、広いリビングが吹き抜けになっていて、2階にはいくつか部屋があるようだ。 綾は目をぐるりと一周させて間取りを把握する。 「どうして雪絵さんが沢野さんと一緒にいらっしゃるの?」 「気になる?」 「ええ、とっても」 雪絵は幼い頃から、ずっと修に付き纏っている。天埜家とも家族ぐるみの付き合いがあるので、天埜家の親戚の集まりにも幼なじみというだけで、勝手に混ざっていたが、暗黙の了解で誰も何も言わなかった。 子どもだったこともあり、大目に見てきたのだろう。 だから、沢野も雪絵が修と結婚するのだろうと思っていたのだと言う。 「ずっと雪絵はそう言ってたもんな」 「ちょっとお兄さん、そんな恥ずかしいことをココで言わないでよ」 雪絵は照れている。修に対して本気でそう思っていたのだろう。 しかし、いきなり綾が現れて結婚したと聞
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第百十六話 修たちと、追って来る沢野

────その頃 美樹が綾のメッセージを見て──「綾! 拉致? しかも沢野って確か修さんの従兄よね、どういうことなの?」 美樹は急いでもう一度綾に連絡したが、既に電源が切られているようだ。 恐らく沢野に見つかったのだろうと推測する。 美樹は慌てて修に連絡する。しかし、トラブルの対応の為か電話には出ない。 「もう! こんな時に……そうだ!」 美樹はすぐに森川に電話をかけた。 「親友なんでしょう? 早く出てよ!」 『はい森川です』 ──良かった! 出た! 「森川! 大変なの綾が拉致されたの!」 『どういうことだ?』 「修さんは? 修さんに──綾が沢野に拉致されたって早く伝えて!」 『おお、ちょうど今、若奥様を迎えに行ったと言う運転手がなかなか若奥様が出て来られないと連絡をもらったばかりだ』 「社長大変です!」 森川は、ちょうどトラブル処理を終えた修に、急いでその旨を伝えた。 すると修は──「沢野! あの野郎、何処だ! 絶対に許さない!」 当然怒りを露わにし、拳を握る手が真っ赤になっている。 修はすぐに綾のGPSで居場所を特定した。 「別荘のコテージだ! すぐに向かうぞ」 修は森川と共に倉田の車に乗り込み、急いでコテージへと向かう。 「しっかり捕まっていてくださいよ」 こういう時こそ、冷静な判断が出来る倉田が適している。それに
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第百十八話 夫婦の愛、家族の愛

病院に到着すると、すぐにエコー検査。 お腹の赤ちゃんは、無事だった。 しかし、綾は靴下のまま走り逃げ回った為、手足にたくさんの擦り傷を負っている。 それに精神的ショックを受けているし、水分も食事も採っていないので、赤ちゃんは元気だが母親が衰弱しているとして、数日間入院することになった。 綾は検査が終わり、少し眠っていた。 修は──綾、怖かったな、ごめんな。 修にはまだ詳細は分かっていない。 ただ綾は必死でお腹の子を守ろうとしていたと言うことは修にも分かる。 だから、沢野に追いかけ回されても逃げ回って手足が傷だらけだ。 修は綾の手を握り足を摩る。 もちろん精神的にも相当なダメージを負っただろう…… 綾の気持ちを考えると修の目にも光る物があった。 ──絶対に許さない! 警察官が事情聴取に来た。 まだ綾は眠っているので、先に修が対応した。 一連の事件のことを調べていた修は、黒幕が雪絵だったことを知り、今日綾が確認したことを話した。 しばらくすると、綾が目覚めたようだ。 「修さん」 「目が覚めたか? 警察の人が事情聴取したいと言ってるが大丈夫か?」 「うん、大丈夫。話したい」 綾はベッドの上で修に支えられながら今
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第百十九話 意外な義母の優しさと父の冷静さ

修の両親は、綾が入院している病院に到着すると、急いで病室へと向かう。 天埜家はいつも個室を利用しているので、 コンコンコンとドアをノックすると、 「綾さん!」 母親は、返事を待たずに病室のドアを開けた。 「母さん! 父さんも……」 修が驚いていると、母は遠慮することなくズカズカと中に入って来て、 「綾さん、大丈夫なの?」と綾に聞いている。 「あっ、はい、ご心配をおかけしま……」 「良かった」 綾が言い終えるまでに、義母は綾を抱きしめていた。 ──!! 修と綾は驚いている。 父は、遠慮がちに入口の方で待っている。 若い女性の病室とあって、少し遠慮しているようだ。 「お腹の子は? 大丈夫なの?」 「はい、大丈夫です」 綾が笑顔で答えると、 「そう、良かったわ。でも怖い思いをしたんでしょう」と義母は綾の両手を握る。 「はい……」 綾は驚いている。 てっきりお腹の子、つまり天埜家の跡取りを心配してわざわざ来られたのだと思っていたから。 まさか自分の体調まで心配してくれるとは……。 それからも、 「怪我は?」と綾の身体の心配をしてくれていることに、綾は嬉しさと驚きで戸惑っている。 思わず修の顔を見ると、 「母さん、綾が驚いてるよ」
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第百二十話 恋の結末を見る──曽根龍樹

沢野と雪絵は拉致監禁並びに強姦未遂容疑そして殺人未遂容疑で逮捕された。 雪絵に関しては、これまでの悪質な一連の事件の関与が認められ併合罪となる為、実刑判決が科される見通しだ。 翌朝トップニュースでも取り上げられ、それを見ていた関係者は驚きを隠せない。 曽根龍樹は── 「雪絵……」 呆然とテレビの画面を見つめている。 その目には雪絵を思うあまり涙が光り、顔は青ざめている。 かつて自分が愛した女──雪絵 唯一自分が抱いた女。 好きだったが為に、言いなりになり自分も罪を犯してしまった。 そのせいで龍樹は逮捕され、自分の地位も名誉も失った。信頼を回復するまで、雪絵とは距離を置こうと思っていたのだ。 龍樹は冷静になって気づいた。 雪絵は修を愛し過ぎていた。 叶わぬ恋に憧れを抱き、いつか叶うんじゃないかと期待していたが、ある日突然修が結婚したと聞き、その刃は結婚相手である綾へと向けられた。 それでも、龍樹は雪絵を愛していたから、女として扱っていたのに……。 雪絵は龍樹と男女の関係になっても、修への想いを諦めきれず──悪いのは、あの女よ! だから修が私に冷たくなったのよ! 自分は何も悪くない。 恋に破れた自分を認められずに……認めたくなくて、相手を攻撃することで感情のバランスを保っていたようだ。 ──そうよ! 全部綾が悪いのよ! 私の修を奪ったんだから……と繰り返す。 雪絵は、大きな勘
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