食事を終えると、部屋の中はしんと静まり返った。 係のスタッフが料理を片付け、座ったソファの隣には真壁がいる。 窓の外には、月。 ベランダの露天風呂は、左右が仕切りで囲われているが、柵の向こうには渓流があり、その向こうは雄大な自然が広がっている。「静か……ですね」「そうだな……」 若桐は、手に持っていたグラスをテーブルに置くと、すっと立ち上がった。「風呂、入るか?」「はい」 浴衣を脱いで、掃き出し窓を開ければ、そこに湯船がある。「うわぁ〜、なんか入ると開放感がすごい……」 張り出した屋根があるが、外への仕切りが一切ない眺望は、月明かりの下に薄っすらと浮かぶ自然が素晴らしい。 そうしてはしゃぐ真壁を見やり、若桐は嘆息した。(凶悪なほど、色っぽすぎんだろ……) 露天のフチから身を乗り出している真壁は、うなじから背中、腰から足まで、全く無防備だ。 室内の明かりと、月明かり。 両方の淡い光に照らし出されて、いつも以上に肌が白く見える。(こりゃ、思考だけじゃなくて、存在そのものが〝妖精〟だな) 若桐は正反対の位置に身を置き、そこでぱしゃぱしゃと楽しげに喜んでいる真壁の姿を眺めていた。「なんですか?」「子供みたいだなって思って」「ひどくないですか?」「じゃあ、裸を堪能してたって言われたほうが良かったか?」 返された答えに、真壁は真っ赤になった。「あ……えと……」「莫迦。風呂でなんかする気、ねぇよ」 ハハハと笑ってから、若桐はスイッと真壁の傍に泳ぎ寄った。「でも、今夜は寝かせないかもな」「……守さん……」 身を縮こませる真壁の頬に、若桐は笑いなが
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