「ところで、これなんだ?」 テーブルに置いてあるタブレットを指さし、若桐が問うた。「あ、これは、カミサンもオンラインで参加させようと思って……」 響野がタブレットの電源を入れる。「莫迦! 妊婦にいらん気苦労を掛けるな!」 麗子は、いきなり若桐が響野を説教している姿が映し出されて笑った。「若桐さん、お久しぶりです」「よう、麗子ちゃん。体調は大丈夫かい?」「はい。実家でゆっくりさせてもらってるので」「気分が悪くなったら、早めに退席するんだぞ」「やだ。若桐さんのほうが旦那より気遣い上手!」 うふふと麗子が笑う。「あの〜、ヒトリモンの若桐さんが、なんでそんなに分かるんです?」「自分のカミサンじゃなくても、同僚に何人も妊婦がいたからな。がさつな訓練生から、守ってやらなきゃならないんだよ」「さすが名前が〝守〟なだけありますね!」「響野……おまえ、まだそんなオヤジギャク言うような年じゃねぇだろ……」 仲居が料理を運び、麗子に角田を紹介したところで、響野が件の〝証拠写真〟を取り出す。「なんですか、これ?」「密告者から送られてきた写真だそうだ」「あ〜。こりゃあ、悪意満々な写真っすねぇ! で、こっちが真壁一佐で、こっちは……?」「全員一致で、当時、静浜で教鞭をとっていた〝藤原三佐だろう〟となった」「なるほど、なるほど」「角田くんには、出来たらこの密告者が誰かを、調べて欲しいんだが」「おおっと! それはちょっと、守秘義務に抵触しそうですね」「やっぱり、駄目か……」 ううん……と、若桐は腕組みをする。「ちょこっと、意図せず。うっかりなんかの拍子に分かっちゃったりする可能性はあるんで。話題の流れで、話が出ることもなきにしもあらずです」「え…&
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