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第5話

Author: ニノマエエヅキ
手術台の上には、おびただしい血が広がっていた。

蓮司は、先ほど研修医たちが口にしていた言葉を思い出した。

胸の奥から、得体の知れない恐怖がせり上がってくる。

ここにいたのは……誰だ?

脳裏に、ひとつの名前がよぎった。

けれど次の瞬間、彼はその考えを振り払った。

ただの偶然に決まっている。

蓮司はすぐに助手へ電話をかけた。

「調べろ。星乃がどこへ連れていかれたのか」

その時点で蓮司は、私が病院にいるはずがないと思っていた。

萌々には、私を人体モデルにすると言った。けれど実際には、そんな命令は下していない。

あれはただ、萌々の機嫌を取るための言葉だった。

どうあれ、私は彼の女だ。

蓮司の矜持が、自分以外の男が私に触れることを許すはずがなかった。

それなのに、あの研修医たちの言葉だけが、いつまでも耳の奥にこびりついて離れない。

蓮司は深く眉を寄せた。胸の奥で、苛立ちだけがじわじわと膨らんでいく。

その声に、そばで眠っていた萌々が目を覚ました。

彼女は起き上がり、蓮司の隣へ歩み寄った。

手術台の血を目にしたとき、その目に満足げな色が一瞬よぎった。

けれど次
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