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第9話 汚れた名声

Author: 宵更カシ
last update publish date: 2026-06-23 09:52:40

 なんで島に入れなかったんだ!

 俺は船のスイートルームで地団駄を踏んでいた。

 『エルアリナイト』は一流企業の社長や財界の重鎮、ハリウッドスターなんかのセレブが訪れる高級リゾートで、一条の名では入ることも許されない。

 しかし日野内は違う。

 国内でも利用権を持っているリストに名前を連ねている。

 だからそれを利用して、こうやって客も集めた。

 日野内を乗っ取って、俺達一条がエルアリナイトに正体した。その名声を得られるはずだった。

 なのに・・・・・・!

「ねぇ純。こんな汚いところぉ、嫌なんだけどぉ」

 羽海は機嫌を損ね、事あるごとに文句をつけてくる。

 苛立って仕方がない。

「うるせぇ! 文句言う暇があったら、何か考えろ!」

「いやぁ怖ぁい。でもぉ」

 羽海が耳を近づけ、

「あんまり私を怒らせないでね? 株価操作が犯罪だってこと、分かってるよね?」

 その言葉に俺は慌てて、

「あ、あぁすまねぇ。ちょっと焦ってた」

「分かってくれたなら嬉し。純大好き」

「俺もだよ羽海」

 間一髪というところだった。

 俺は内心ヒヤつきながら、言葉を継ぐ。

(だんだんと烏滸がましくなってきやがった)
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  • 豪華客船で棄てられた社長令嬢の私が、海を統べる剛腕御曹司(幼馴染)に溺愛されています   第4話 エルアリナイトの王様

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